「PR会社ってどんな仕事をしているんだろう?」
多くの方がこんな疑問をお持ちではないでしょうか。
PR会社の主な仕事は、企業やブランドの価値を高め、その魅力を世の中に効果的に伝えていくことです。そのために様々な手法を用いますが、その中でも重要な役割を担うのが「メディアプロモート」です。
今回は、アンティルでPRコンサルタントとして働く際の核となる「メディアプロモート」という仕事について入社2年目の稲田朱里さんにインタビューしました!
プロフィール
稲田朱里 株式会社アンティル 第4ビジネスユニット PRコンサルタント
大学卒業後、新卒でアンティルに入社。
PRコンサルタントとして、化粧品会社のコーポレートPRや地方自治体の観光PRなど幅広いジャンルの案件に携わる。その中でも、アパレルブランドや化粧品ブランドなどのBtoC商材を多く担当しており、女性向けメディア・ファッション系メディアとのリレーションを強みとする。また、単に記事獲得を狙うのではなく、企画段階から入り込みメディアニーズを重視したPR文脈・企画の開発を行う。
メディア、さらにその先にいる生活者や社会が求める”価値”を創造する
── まずは、メディアプロモートがどういうお仕事なのか教えてください!
稲田:メディアプロモートは、クライアントの商材や企業そのものの認知獲得、イメージ向上を目指し、メディアに情報を提供して露出を獲得する仕事です(露出=テレビのOA、新聞・雑誌・WEBメディアでの掲載)。
プロモーターはPR会社の中で最もメディアに近い存在といえます。
ーー具体的にどんなことをやっているんですか?
稲田:常に最新のメディア動向やトレンドをキャッチしながら、クライアントの顕在化された価値を伝えることはもちろん、世の中の動きや社会課題と結びつけることで潜在的な価値を発掘し、社会や生活者に受け入れられるPR文脈を設計していきます。さらに、各メディア特性やターゲットに合わせた情報開発も求められます。
そうすることによってメディア露出を獲得していく仕事です。
大きな露出であればあるほどその影響力は大きく、テレビに取り上げられたタイミングで売上がアップしたり、SNSでバズったり、「最近よく見かけるよね」と話題になっていったりと、世の中の意識を変えることすらできる仕事だと思っています。
──単に担当企業の魅力を伝えればいいというわけではないのが、メディアプロモートの難しい点であり、やりがいを感じられる点でもありますよね。
稲田さんが手掛けた案件を教えてください!
稲田:最近は、スイーツブランドのプロモーションを担当していて、お菓子情報を扱うメディアやお土産情報を載せるような旅行・お出かけ系メディアにプロモートしています。
また、美容ブランドの案件では、美容誌やファッション誌、他WEBメディアへの企画提案を行っています。同じ美容ブランドでも、時には商品PRではなく、企業そのものを広めるコーポレートPRを必要とされることもあります。その場合は、美容ブランドがクライアントであっても、夜のビジネス番組や経済誌などビジネス系と言われるメディアにプロモートすることもあり、案件によって戦略や手法は様々です。
── 同じ企業でも目的に応じて、メディアの選び方や企画の立て方が大きく変わってきますよね。では、次に具体的な1日の流れを教えていただけますか?
──なかなか忙しそうですね...!メディアプロモーターに限らずアンティルでは、社内外の様々な方々との打ち合わせに参加しつつ、合間の時間で資料作成をしたり、企画案を考えたりと本当に幅広いことをやりますよね。
稲田さんは日々忙しいなかで、メディアプロモートにおいて結果を出すためにどんな工夫をしていますか?
家では常にテレビをつけ、世の中で起こっていることやテレビが取り上げる情報をキャッチするようにしています。何気なくテレビを見ていたら「このテーマはメディアと話すフックに使えそう!」「この番組ならこういった情報も取り上げてくれるかも」という発見があります。
──テレビは会社にも数台あって、朝から夜にかけて放送されているニュース番組や情報番組、バラエティなどがデスクからいつでも見られる環境になっていますよね!
(アンティル社員たちは、仕事をしつつもテレビをチラ見して、最新のニュースや話題のトピックをしっかりウォッチしています!)
もちろんテレビだけではなく、雑誌やWEB、SNSなどもこまめにチェックするようにしています。こうして得た情報を踏まえてプロモートすることで、メディアとの会話に深みが増すと思っています。
また、面会(メディアさんとのお打ち合わせの時間)や取材の時間をいただけることは決して当たり前ではないと考え、感謝の気持ちを忘れないことも意識しています。自分が紹介したいクライアント情報を一方的に押し付けるのではなく、メディアが求めている情報、その記者が今注目していることをしっかりと理解した上で良好な関係性を築くことを心がけています。
── この1年で特に成長を感じる部分はありますか?
最も大きく変わったのは、コミュニケーションの質だと思います。以前は、クライアントの情報を一方的にこちらが喋るだけで、メディアの関心事や意見をうまく引き出せていませんでした。
今では、まずはメディアを理解することから始め、クライアントの情報を紹介しながら、メディア側の意見も引き出すことができるようになりました。
ーーメディアプロモートで苦労されている点、難しい点はありますか?
なかなか露出獲得に繋がらないところが難しいです。
理由は様々で、こちらが提供したい情報がメディアからするとニーズがない場合もあれば、単にメディア側にその情報を取り上げる枠がない場合もありますし、メディアの方々が忙しすぎて直近の記事化が難しいこともあります。
そういった中でも、すぐに諦めるのではなく、各メディアの特性にあわせた地道なコミュニケーションや情報提供、企画提案していくことを心がけ、お互いにとってwin-winな関係性を築けるように意識しています。
── 業務内容を聞いただけでは伝わりづらいと思いますが、メディアプロモートは一朝一夕で成果が出るようなものではないので、PRスキルだけではなく根気もいりますよね。
逆に、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
やはり、クライアントのためになる露出を獲得できたときです。イベントの取材や面会を通じて露出の糸口が見えたときももちろんやりがいを感じますが、自分のプロモートが実際の露出につながったとき、それによってクライアントに喜んでいただけたときは、プロモーターとしての醍醐味を実感します。
ーー特に印象的なエピソードがあれば教えてください。
化粧品会社のクライアントが推進する「捨てられる素材を美しいものに変えていく」というプロジェクトの商品発表会において経済番組でのOAを獲得したことです。
それだけでなく、このときはプロジェクト第2弾の取り組みだったのですが「第3弾のときは商品開発段階から取材したい」と言っていただけて、それがとても嬉しかったです!
OA内容に関しても、商品情報だけでなくプロジェクト実施背景や開発の経緯など、伝えたかったことにしっかりと言及されたものになっていて、自分の働きかけによって良い露出となり、すごくやりがいを感じました。
── とっても素敵なエピソードですね!一つの商品発表会をきっかけに、第3弾の開発段階からの取材という大きな可能性が広がったということで、PRパーソンとしてのやりがいを感じる瞬間だったのではないでしょうか。
── 大活躍中の稲田さんの今後の目標を教えてください!
露出を多く獲得できる、様々なジャンルのメディアに精通したプロモーターを目指しています。普段担当している案件によって、得意なメディアの領域が形成されていくのですが、案件によってはこれまでとは異なるジャンルのメディアに露出が求められることもあります。そのため、自分の得意分野以外のメディアについても幅広い知識をつけることが、様々な業界業種のクライアントの要望に応えるために不可欠だと感じています。クライアントの売り上げ向上などの目標達成に向けて、メディア露出の面で尽力できるよう、さらに精進していきたいと思います。
── 最後に、どのような方にアンティルをおすすめしますか?
やはりコミュニケーションの仕事なので、誰かと話すことが好きな方はもちろんですが、特に「聞き上手」な方が向いていると思います。自分の話したいことを一方的に伝えるのではなく、相手と対話しながら情報交換をすることがメディアプロモートにおいては重要なんです。
人をよく観察する方や、話を聞くことが好きな方は、きっとこの仕事で力を発揮できると思います!