メタジェンセラピューティクス株式会社(以下、MGTx)で働くメンバーの入社のきっかけや、事業にかける思いをお届けします。今回は、ドナー担当/つるおか献便ルーム長の石沢成美のストーリーです。
★石沢成美プロフィール★東大理学部地球惑星環境学科卒業。学生新聞で副編集長を務めた。大学卒業後は河北新報社で記者として従事。2025年4月に鶴岡へ移住。MGTxにドナー担当として入社し、現在はつるおか献便ルーム長として活躍している。
▼献便ルームとは
日本初となる献便(便の提供)のための施設。集められた便は、薬の原料として使われる。
科学を「伝える」側から、「生み出す」側へ
大学時代は地球科学を専攻していました。専門的に研究も面白かったのですが、個人的には「科学を社会にどう伝えるか」ということに関心がありました。普段の生活では理解しにくい科学の話をきちんと届け、専門家と市民の架け橋になる。そうしたサイエンスコミュニケーションに惹かれていました。
文章を書くことも好きだったので、卒業後は新聞社に入社しました。記者として、事件・事故、政治、経済、大学政策など、幅広い分野を担当。熱意を持って動いている人たちに間近で触れられるのが面白かったです。
一方で、取材を重ねるうちに、少しずつ「自分も現場で何かを生み出す側に立ってみたい」という気持ちが芽生えていきました。
スタートアップや研究開発の現場を取材していると、そこには自分の手で未来をつくろうとしている人たちがいて、いつかは自分も当事者の側に立ちたい。そう思ったのが、転職を考えたきっかけです。
山形に帰りたい。でも、仕事も諦めない。
地元山形に戻りたかったことも、転職を考え始めた理由の一つです。私は山形市の出身で、山形の山や風景がとても好きです。疲れた時も、出羽三山や田んぼの景色を見ると、それだけで癒されます。
転職活動を始めた当初は、正直「山形に戻れれば何でもいい」と思っていました。山形の大手企業を調べつつ、新聞記者としての経験を活かせるところがないか探していました。そんな中で出会ったのが、鶴岡サイエンスパークに拠点を置くMGTxでした。
最初の面談で感じたのは、とても自由で、その分責任もある会社だということです。いろいろなチャレンジを応援してくれる雰囲気がありました。山形に戻るなら、サイエンスへの興味は諦めなければいけない。そう思っていた私にとって、MGTxはこれ以上ない選択肢でした。山形で暮らすことも、刺激的な仕事をすることも、科学に関わることも、何も諦めずに帰ってこられる。そう感じて、入社を決めました。
日本初の献便ルームを、ゼロから動かしていく
今の私の仕事を一言でいうと、「日本初の献便ルームを運営する仕事」です。
MGTxの事業は、人の便に含まれる腸内細菌を活用して、医療技術や医薬品として患者さんに届けていくことを目指しています。そのためには、まず健康な腸内細菌ドナーさんに協力していただき、検査を経て、適切な管理のもとで便を提供いただく仕組みが必要です。
私は、ドナーさんを募集し、登録に向けた検査につなげ、実際に献便していただくところを担当しています。入社当初、献便ルームの施設自体はできていましたが、日々の運営オペレーションはこれから作っていく段階でした。ドナーさんが来たとき、どのように案内するのか。病院や検査会社とどう連携するのか。検査結果をどう判断し、次のステップへ進めるのか。前例がないからこそ、一つひとつを自分たちで考え、形にしていく必要がありました。
もちろん大変なことはたくさんあります。ただ、誰がやっても日本で初めてのことなので、正解が最初からあるわけではありません。知らない課題にぶつかったときに、何とか打開しようとする度胸は、この仕事を通じて身についたと思います。
またMGTxは裁量が大きい会社です。入社して1カ月もしないうちに、献便ルームを社外の方に案内する機会があり、「そんな私がやっていいんだ」と驚いたこともあります。スピード感があり、任される範囲も大きいので、勝手に成長していく環境だと思います。でも周りは穏やかで、Being Likableな方(良い奴)[注] が多いので、気軽に質問できるのも、良いところです。
[注] Being likable:MGTxのバリューの一つ。「社内外の人とオープンで誠実なコミュニケーションができ、信頼できる「いい奴」でいる」
地域とつながり、地域を楽しむ
鶴岡には、新しいことを面白がり、応援してくださる方が多いです。つるおかドナーにも、開所から3カ月で約500人もの応募がありました。移住者を受け入れてくれる人も多い印象で、東京出身の夫も、祭りや地域のつながりを通じて友人を作り、鶴岡ライフを楽しんでいます。
鶴岡で働く魅力は、自然の豊かさだけではありません。サイエンスパークにはさまざまな分野を極めた研究者やプロフェッショナルがいます。安らぎがありながら、新しい刺激にも触れられる。そして休日は地域で遊びながら、人とつながり、時にそれが仕事につながっていく。仕事と暮らしが良い形で混ざり合って、相乗効果が生まれています。
山形から、科学を楽しむ人を増やす
今後は、科学を楽しむ人を増やしていきたいです。災害や感染症など、科学リテラシーの大切さを感じる場面は増えています。だからこそ、最初に科学に触れるきっかけとして、「うんち」はすごく面白いと思っています。うんちを入口に、腸内環境や医療、創薬に興味を持つ人が増える。鶴岡の人たちが、日本一腸内環境に詳しい街になっていく。そんな未来をつくれたら面白いなと。
山形に戻るとき、「山形で過ごすなんて楽しくないよ」と言われたことがありました。その言葉が、今も少し心に残っています。だからこそ、山形で働くことは楽しいし、鶴岡には面白い仕事も人もあるということを、自分自身の姿で証明していきたいです。
こんな人におすすめ!
MGTxに向いているのは、正解がない中で最適なものを探し続けることを面白がれる人だと思います。事業が安定していて、決まった手順だけをこなせばいい環境ではありません。献便ルームの運営も、地域との連携も、まだ固まりきっていないことがたくさんあります。だからこそ、自分で考え、行動し、必要に応じてやり方を変えていける人には、とても面白い会社だと思います!皆さんと働けるのを楽しみにしています。