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僕がシカケテガミをつくった理由

こんにちは、株式会社ネイチャーオブシングス代表の濵本です。このページをご覧いただきありがとうございます!

突然ですが、僕には小学生の娘がいます。一人娘の男親ですので、控えめに言って溺愛しています(笑)すでにツンデレを使いこなす少女に砲丸投げのごとく振り回される毎日ですが、彼女と過ごす時間は、本当に得がたい気づきでいっぱいです。

まだ彼女が生まれて間もない頃、何をしても泣きやまない赤子を前に、自分の無力と妻の偉大さをこれでもかと言うほど痛感しました。また自分が親になったことで、両親への感謝の気持ちはただただ募る一方です。そして何よりも彼女は、自分の命よりも大切なものが在る、という圧倒的な真実を僕に教えてくれました。

娘の誕生をきっかけに、身近にいる大切な人たちへの「ありがとう」が止めどなく溢れ出し、どうしても僕はこの気持ちを伝えたくなったんです。

逆説的ですが、彼女がこの世に生を受けたとき、おそらく僕は生まれてはじめて本気で「死」というものを意識しました。それはこの子を残して死ねないという恐怖にも似た重圧であり、同時にどんなに足掻いてもコントロールできないという残酷な事実です。だからこそ、心の中にある大切な気持ちはちゃんと残したい、そう思うようになりました。

ところがいざ伝えようと思うと・・・まぁとにかく恥ずかしい(苦笑)あらたまって気持ちを伝えるのってどうしようもなく照れくさいんですよね。

だから、僕はシカケテガミをつくりました。


いい大人のラブレター

シカケテガミは、日頃恥ずかしくてなかなか伝えられない感謝や愛情のキモチを、世界にひとつだけの絵本の手紙にして大切な人に贈ることができるレターギフトサービスです。

絵文字やLINEスタンプが文字情報に上手くニュアンスを与えてくれるように、テキストだけだとちょっと照れくさい内容も、絵本というフォーマットが絶妙な塩梅でごまかしてくれます。

僕と同じように、言わずもがなに甘えて伝えることをおろそかにしている人はきっとたくさんいると思います。いつか後悔することがないように、心にとどめたままにしている温かい気持ちは、ちゃんと大切な人に届けてあげてほしい。

シカケテガミは、そんな想いで立ち上げた『いい大人のためのラブレター』です。

おかげさまでサービスリリース以降、TV番組をはじめ数多くのメディアでもご紹介いただいています。もしユーザーの声が気になる方は、ぜひInstagramで「#シカケテガミ」と検索してみてください。そこには、いつも僕を奮い立たせてくれる、ウソ偽りのないたくさんのリアルな幸せがあります。

じつは最初に開発したのは、男性から女性に贈ることを想定したパートナー向けのシカケテガミでした。

3歳になった娘の誕生祝いで訪れた旅先。そこで当時完成したばかりのシカケテガミを僕は妻に贈りました。いや・・・正直に言うと、直接手渡すのはやっぱりどうしても恥ずかしくて「ママに読んでもらいな」と言って娘に持たせる卑怯な手を使いました。なのでシカケテガミを受け取ったときの妻の反応はちゃんと確認できていません(苦笑)

どこまでも格好がつかず情けない限りですが、それでも今もリビングの本棚に大切に飾られているシカケテガミを見る限り、僕の感謝の気持ちは、きっと少しは妻に届いたのだと思います。


▍わが子に残すタイムカプセル

生まれてきてくれてありがとう。

その気持ち、いつわが子に伝えますか?純真無垢なわが子にはまだ伝わらない。思春期を迎えると、きっと今度は伝えられない。この人知れぬ親心を、ちゃんとわが子に伝えられる親はいったいどれだけいるのでしょう。

今は屈託のない笑顔で「パパだいすきっ!」なんて言ってくれる娘ですが、いつの日か、目も合わせてくれなくなる日が来るのかもしれません(考えただけで目から汗が…)。

でも多かれ少なかれ、子どもには必ず多感な時期が訪れます。そして精神的に不安定な時にこそ、自分は必要とされている、愛されている、という実感が何よりも心の支えになることを、僕は自分の経験から知っています。ただそういう時期というのは、得てしてもっとも親子の距離が繊細な時期でもあるのです。

そこで考えたのが『未来のわが子に親心を残すタイムカプセル』というコンセプトでした。

本作は、シカケテガミの最終ページに印字されるオリジナルメッセージが特殊なシールで封印された状態でお届けされます。

またシール貼りとわからないほど精巧に作られたそのページには「When you grow up, remove this sticker.(大きくなったらこのシールを剥がしてね)」という英語の一文が印字されています。

つまり英語の意味が理解できる、もしくは自分自身でその意味を調べられる年齢になるまではオリジナルメッセージに辿り着けない仕様ということです。時を超えて真の目的を達する、というとてもチャレンジングな商品になりました。

唐突ですが、皆さんはトイストーリー3という映画をご覧になられたことはありますか?ピクサーが誇る全4部作の名作ですが、中でも僕はこの3作目が一番のお気に入りです。

本作の中で、主人公ウッディたちの持ち主でありいまや青年となったアンディが、大学進学のために家を出る準備をしているシーンがあります。

親から子へのシカケテガミの製作過程でイメージしていたのは、まさにこんな情景でした。

幼少期に親からもらった、自分たち家族が登場する絵本。内容はちょっとむずかしかったけど、当時は自分が絵本の主人公になれたことがただただうれしかった気がする。

あれから◯年。いつしかその存在を忘れられたシカケテガミは、子ども部屋のクローゼットの片隅で長い月日を過ごすことになります。

絵本の形をしたタイムカプセルとなり、いつか再び、あの子がケースを開くその日まで。

いつかのキミに、届きますように。

そんな願いを込めて、親から子へのシカケテガミは開発しました。


さいごに

クリエイティブエージェンシーに勤めていた頃、映え文化に疲れて少しSNSから距離を置いていた僕は、当時の部下から「エージェンシーで働いてるんですからSNSくらいやりましょうよ」と嗜められたことがありました。でも僕はその理屈にすこぶる違和感を感じたのを今でも覚えています。

消費者を理解する目的でトレンドを追いかけることに意味がないとは言いません。でもそれ以上に、その流行に乗りたくないと思う”自分の感覚を無視しないこと”のほうがCREATIONの観点ではよほど価値があると思うのです。

笑い事のようですが、他者のように振る舞った結果本当の自分がわからなくなる、というのは案外よくある話です。己を知るということは、自分が自分であるために、自分ならではのアウトプットにたどり着くために必要不可欠な素養と言えます。結局のところ、原体験に勝る確信などどこにもないのです。

ここまで読んでくださった方ならお察しいただけると思いますが、僕は”自分”のためにシカケテガミを開発しました。ただただ自分が欲しいものを本気で作ったんです。その結果、自分でも驚くほどたくさんの方々がこのサービスに共感してくださいました。

この先の新事業・新商品開発においても、このアプローチがブレることはありません。

自分たちの中に在る”ユニバーサルインサイト”を掴むことを通して、僕たち株式会社ネイチャーオブシングスは、ヒトの幸せにコミットするサービスやプロダクトを提案し続けていきたいと思います。

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