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17年超のキャリアを携え、技術者としての新たな舞台に選んだ宇宙ITベンチャー【衛星リモートセンシング&AIソリューション部インタビュー vol.1:伊藤 拓弥】
私たち「株式会社 天地人」は、衛星データとAIを活用して社会課題のソリューションに挑む、JAXA認定ベンチャーです。水道管の漏水リスクを検知する「宇宙水道局」などのサービスを展開しています。
本シリーズでは、天地人のことをより深くお伝えすべく、入社の決め手や業界のポテンシャル、仕事のやりがい、チームのカルチャーを掘り下げた社員インタビューを紹介します。
今回は、リモートセンシング技術者の伊藤 拓弥さんにお話を伺いました。
プロフィール
伊藤 拓弥(いとう たくや) / 群馬県出身
プロダクト開発グループ 衛星リモートセンシング&AIソリューション部
大学で森林・林業を学ぶ過程でリモートセンシング・GISに出会い、衛星リモートセンシングを専門とする会社にて社会人スタート。ALOS/ALOS-2をはじめとする衛星画像を使った森林モニタリング・マッピングの業務や技術研修、国際協力事業に従事。画像処理や地理情報解析をするのがただ好きなだけの技術者だが、それが社会課題解決につながったらお得では!?と思いながら仕事に取り組む。
新卒からリモートセンシング分野で従事。初の転職で宇宙ITベンチャーへ
ーーこれまでのキャリアについて教えてください。
新卒から約17年間、衛星データを扱う会社でリモートセンシング技術者として従事してきました。そこでの主な担当は衛星画像の解析です。そして2024年3月、天地人に転職して今に至ります。
ーー天地人への入社が初めての転職なのですね。どのようなきっかけだったのでしょうか。
同業界だったので、天地人の存在は以前から知っていました。転職を考え始めた頃に、知人から「天地人で募集がある」と聞いたのが最初のきっかけです。
衛星データの利活用を事業として行い、かつ自社プロダクトを開発している点に惹かれました。また、これまで培った専門技術を活かしつつ新しい挑戦ができる環境だと感じ、入社を決めました。
ーースタートアップへの転職自体が“新たな挑戦”だと思います。実際に天地人に入社してみていかがでしたか?
前職は業界でも歴史のある組織であったのに対し、天地人は今まさに組織を作っている最中で若いメンバーも多く、働き方や自分の立ち位置、考え方が大きく異なります。
前職の受託業務では、解析結果の完成度や精度の向上を考えることが多かったですが、自社プロダクトを提供する天地人では「どうすればお客さまに使ってもらえるか」を考えながら開発を進める場面が多く、そこが違うところでもあり、面白いところでもあります。
“社会課題”に取り組むプロジェクトの基盤を構築
ーー現在の業務について詳しく教えてください。
リモートセンシング技術者として、衛星データ解析チームに所属しています。僕の役割は、事業分野に直接関わりつつ、全プロダクトに共通する衛星画像解析の「技術的な土台」を整えることです。
具体的には、再生可能エネルギー基地の適地探索や、農地の栽培ポテンシャルの可視化など、地理空間解析の観点から意思決定に役立つ指標を提供する技術開発に携わっています。AIエンジニアや業務サイドと連携しながら、各プロジェクトに展開できる形に育てていくようなイメージです。
ただデータを解析して終わりではなく、その後お客さまからのフィードバックを受けて改善するサイクルが確立されているので、一丸となってサービス開発をしています。
ーーお客さまに直接届けるプロダクトとなると、これまでとは働き方の意識にも変化があったのではないでしょうか?
以前は、研究開発や論文執筆のように“成果を出すこと”が主な目的でした。一方で天地人ではソリューションありきで技術開発を進めるので、世の中の役に立つものを作れる、というのがモチベーションになっています。
たとえばこれまでに関わったプロジェクトでは、衛星データの解析を通じて、農地の状態や作物の収量を予測するなど、食料問題のような社会課題にも貢献できると実感しています。
ーー天地人では、解析した衛星データをWebアプリ上で提供していますが、アプリ開発の知識はどの程度必要になるのでしょうか?
僕自身、転職時点ではアプリケーション開発の知識はほとんどありませんでした。でも、社内には異なる専門性を持った人が多くいるので、開発プロセスや品質管理についてはその分野のエンジニアから学ばせてもらっています。
天地人には、メンバー同士が学び合う文化があると思います。わからないことを共有し、助け合える環境があるので、アプリ開発の知識はそこまでなくても心配ありません。
ーー そのようなチーム環境というのは心強いですね。
はい。誰に言われたわけでもないのに、気づいたことや学んだことを自然に共有する人が多いです。新しく入るメンバーにも、そういう風にどんどんチームに関わってほしいですし、学び合う環境が好きな方ならすぐに馴染めると思います。
「宇宙を見る」のではなく、「地球を解く」
ーーところで、リモートセンシングの分野は学生時代から志していたのでしょうか?
いえ、もともと生き物が好きで、大学では動植物の生態学の勉強がしたくて、農学部の森林科学科に進学しました。そんな中、ある授業で森林をモニタリングするためのリモートセンシングやGISの実習をしたときに「これは面白い!」と感じて。衛星画像を見ながらその背後にある情報を読み解く作業は、パズルを解くような楽しさがあるんです。そこから関心が大きくなって、今の仕事に繋がっています。
リモートセンシングはあくまで手段であって、農業や森林、気象や海洋など、さまざまな分野で応用される技術です。実際、僕のように森林科学から入った人もいれば、別分野出身のメンバーも多くいて、多様な視点が活かされています。
ーー 伊藤さんがご自身が働くうえで大切にしていることは何ですか?
「主体性を持つこと」と「チームを信じること」です。すべて自分だけでやろうとするのではなく、得意な人に頼ったり、知見を持ち寄ったりしながら、チームでより良い成果を出すことを意識しています。
ーー最後に、天地人に興味を持っている方へメッセージをお願いします。
会社としては宇宙産業に携わる企業ですが、僕自身の関心や取り組んでいる業務の目的は「地球の課題をどう解決するか」です。「地球」を見るために「宇宙」を利用したリモートセンシングを手段として使っています。
そのため、「宇宙利用・宇宙技術」に興味のある方はもちろんのこと、「地球や社会の課題を解決」したい方など、多方面からの興味がある方にぜひ加わっていただけたらなと思います。