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エンジニアとして生きることは、課題を自分で見つけ出し、解決の道筋を模索すること【エンジニアインタビュー vol.4:フロントエンドエンジニア中村 勇士】

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行うJAXA認定ベンチャーです。現在、エンジニアの積極採用を行っております。天地人についてより深くお伝えすべく、入社の決め手や、業界のポテンシャル、仕事のやりがい、チームのカルチャーを掘り下げる社員インタビューシリーズを始めます。第四弾は、アプリケーション開発部門マネージャーのフロントエンドエンジニア、中村 勇士さんにお話を伺いました。

プロフィール

中村 勇士 / 京都府出身

医療系のWeb開発会社を経て、2022年にエンジニアとして天地人に入社。オンラインGISプラットフォームの天地人コンパスのフロントエンド、漏水リスク評価管理業務システム「天地人コンパス 宇宙水道局」の開発に携わる。

会社選びの決め手はいつも「社会貢献」

ーーー中村さん、本日はどうぞよろしくお願いします! まずは、天地人への入社のきっかけを教えてください。

Wantedlyからスカウトをいただいて、天地人のことを知りました。前職時代から自分は「社会貢献度」を軸に業界を絞っていたので、天地人の事業内容は自分にフィットしそうだと感じたんです。

ーーー以前の社内インタビューでも「人の役に立つこと」は中村さんのキーワードとして出てきました。この言葉がご自身の中で根を張るきっかけになった出来事などはあるのでしょうか?

どうなんでしょう、単純に元々そういう性格だっただけのような気もしますが(笑)。強いて挙げるとするならば、エンジニアにキャリアチェンジをした時期に読んでいた中村 哲さんの本や彼の生き様は、今でも心に残っていますね。飢餓に苦しむパキスタンやアフガニスタンで、用水路の建設に取り組んでいた医師の方です。本はかなり読むので、無意識のうちにそういったインプットから影響を受けているのかもしれないですね。


話題に上がっていた中村 哲さんの本と、最近読んだ本

エンジニアとは、職業ではなく生き方である

ーーー 入社後は、どのように技術面のキャッチアップをされましたか?

GISシステムを初めて触ることになったので、そこは独学でがっつり勉強しましたね。

ーーー 先述の記事でも、中村さんは、エンジニアになるときも独学でスキルを磨いたと拝見しました。エンジニアスクールに通うのもひとつの手段かと思いますが、あえて独学にこだわったのには理由があるんですか?

ちょうどその時期、エンジニアスクールが乱立し始めた頃だったんですが、他の人と同じ戦略を取っても目立たないと思ったんですよ。確かに、スクールに行った方が初速は出ると思います。「いつまでにこれをやってください」って筋道を立ててもらえるので。でも、僕個人の考えになりますが、そうやってお膳立てされないと学べないんだったら、エンジニアはやめた方がいいと思っていて。実際の仕事って、誰かが課題を見つけて期限を立ててくれるわけじゃなくて、全部自分次第ですから。

エンジニアになるっていうことは、ある種の生き方だと僕は思っていて、自分で興味関心を持って、課題を見つけて、その課題を計画を立てて解決していくってことが大切なんじゃないかなと。それこそがエンジニアの適性だと思っていて。「任されたことはやります」っていう人には向いていないと思ったので、自分の適性を確かめる意味でも独学を選びました。

ーーーそれは、エンジニアに限らず大切な心構えのように思いますね。中村さんは、普段の言葉の節々からも「妥協しない姿勢」がビシビシと伝わってきます。

PC画面に収まらない、社会に与えるインパクトの大きさが魅力

ーーー実際に「天地人コンパス」の開発に携わるようになって、どんな魅力を感じますか?

やっぱり社会貢献が軸なので、プロダクトのスケールの大きさにやりがいを感じますね。自分が昔漠然と抱いていたWeb開発のイメージって、打刻管理や経費精算、SNSや転職サービスなど、何かのシーンに特化したものが多い印象で。もちろんそれも人々の生活の中で欠かせない素晴らしいサービスなんですが、天地人コンパスは宇宙から取得した地球のデータを活用して、インフラメンテナンスや再生エネルギー事業に活かすものなので、自分としては、そのスケールの大きさに惹かれますね。

なおかつ、スケールが大きいのに、お客さまに価値を提供するスピード感が早いのも魅力ですね。宇宙技術って聞くと、投機的なイメージもあるじゃないですか。ロケットや人工衛星の開発って、十何年のスパンで取り組むものなので。「今すぐ役に立つ」って役割ではないですよね。天地人は逆に、人工衛星そのものではなく、データを活用する技術を開発しているので、スピード感を持って開発できるんですよ。

ーーーなるほど。「人の役に立つ」が軸の中村さんにとっては、そのスピード感が魅力なんですね。

ただ、お客さんからのフィードバックを開発側が十分に拾える仕組みづくりはまだ追いついていないので、そこは課題ですね。特に僕は、自分が一生懸命手を動かして作ったものが動くことよりも、その先で誰かの役に立ったかどうかに喜びを感じるタイプなので「結局お客さんに喜んでもらえたのかどうか」にすごく重きを置いています。それが開発の効率化にも不可欠ですし。

ーーーすごく重要ですよね。今まさにフローを改善しているところなので、今後が楽しみです。ほかに苦労している部分はありますか?

今は目下、主力サービスの「天地人コンパス 宇宙水道局(以下、宇宙水道局)」に注力してるんですが、お客さまによってここまでニーズが違うのには驚きましたね。同じ「水道事業」でも、自治体さんによって管理の仕方はかなり違います。それをまとめて整理し直して、システムに落とし込む必要があるんです。 要件定義が一番難しいですね。一生懸命作っても、使ってもらえなければ意味がないですから。

前例の無いサービスを作っているわけですから、産みの苦労はどうしてもありますよね。例えば「SNS」という既存の概念がある中で「新しいSNSを作りたい」というのとは、まったく異なるアプローチで開発しなければなりません。

ーーー 意義の大きな仕事だからこそ、簡単ではないことも多いですよね。天地人のエンジニアチームでは、どのようなアプローチをしているのでしょうか?

例えば、宇宙水道局の今の形を作るにあたっては、豊田市さんにご協力いただいたヒアリングがかなり大きかったです。開発のメンバー全員で愛知県まで足を運びました。この視察がとても重要だったので、「ほかのお客さんの現場も見た方が絶対にいいものが作れます」と自分が櫻庭さん(CEO)に直談判して、福島市さんにも行かせてもらいました。こういう機会はもっと増やしていきたいです。


作るものだけでなく、作らないものの線引きを大切に

ーーー 開発メンバーが自分たちの足でお客さまの現場を見ているというのは、商品の差別化の文脈においても非常に重要だと感じます。そこにきちんとリソースをかける体制が整っているのは、素晴らしいことですね。ほかにも、開発を進める中で大切にしていることってありますか?

マネージャー陣とよく盛り上がるのは「作らないものを決めることの大切さ」ですね。開発あるあるだと思いますが「これもあったらいいな、あれもあったらいいな」で色んな機能を思いついて、そのまま「作ります!」と鵜呑みにすると、結局提供が遅れてしまうケースってよくあって。しかも、実際作ってみると「実は本当に必要なのは別の機能だった」と言われてしまうことも少なくないんです。エンジニア用語で言うと「Nice to have」と「Must」を分けるってことですね。

「今、私たちが作りたいのはこれです」を明確にして、それを最短距離でリリースして、使ってもらって、反応を見て、 それに対してちょっとずつ本当に大切なものを足していく開発がベストだと、天地人の中では共通理解が生まれつつあると思います。「なんか依頼が来たから、じゃあ対応します」みたいな仕事は、あるべき姿ではないかなと。

例えば、お客さんがお腹が減ってる時に、たまたま頭にラーメンが浮かんだら、リクエストは「ラーメンが食べたいです」になるじゃないですか。でも実際の課題が「ラーメンが食べたい」ではなく「お腹を満たしたい」なのであれば、別にカレーを出してもいいわけで。特に我々がカレーの材料を持っていて、ラーメンよりも早く提供できるなら、実は一番お客さんに喜んでもらえるのはカレーの方だったりするんですよね。

ーーー 非常にわかりやすい例え、ありがとうございます!

みんながみんなのことを思いやって働くチーム

ーーー それでは次に、チームのことを教えてください。ズバリ、どんな雰囲気ですか?

すごく仲が良いですね。ダラダラ働く仲良しクラブというわけではなくて、仲が良い方が仕事がスムーズに進むと思っていて。仲が良いと、ちょっとした相談とかがしやすいじゃないですか。 隣の人に声をかけやすいとか、かけてもらいやすいとか。この和気あいあいとした雰囲気がこれからも継続したらいいなって気持ちが強くあるので、新しく入ってくれる人も、こういうコミュニケーションに馴染んでくれるタイプだといいのかな、とは思いますね。

ーーー エンジニアさんって、もちろん色んなタイプの方がいるのが大前提ではあるものの、割と黙々と作業するのが好きで、口数は少ないイメージが強かったりするじゃないですか。でも、天地人のエンジニアチームは、週1の出社日のコミュニケーションがすごく活発ですよね。皆さん本当に楽しそうにお話されていて、良い空気がオフィス全体に広がっています。では逆に、チームとして課題に感じていることはありますか?

先ほど出た「お客さんからのフィードバックを開発側が十分に拾える仕組みづくり」は、今まさに頑張って改善しているところなので、全然前向きですね。僕の入社当初から比べたら、みんなすごく成長してたくましくなったし、ナレッジ管理のシステムもどんどん整備されて来てるし。

あとはやっぱり、新しく入ってくれたマネージャーの高瀬さんと白井さんが、開発チーム全体にプラスになることを率先してやってくれていて、すごく有難いですね。自分が任された仕事をこなすだけでは終わらないんですよ。業務効率化ツールをNotionにまとめてくれたり、「技術者としてのキャリアの築き方」みたいな知見を共有してくれたり。みんなが天地人で良い仕事をしやすくしよう、成長しやすい環境を用意しようってアクションがめちゃくちゃ多くて。みんながみんなのことを考えて仕事してるってところが、すごくいいなと思いますね。

ーーー 確かに、高瀬さんはインタビューのときも「自分がマネージャーとしてできるのは、誰にも見えていないところを見たり、みんな見てるけど手を出したくないことに喜んで手を出したりすること」っておっしゃってましたね。

伝わってます。

ーーー 高瀬さん、ちゃんと有言実行されてて、しかもそれがメンバーに伝わっているという。

めちゃ伝わってます。めちゃめちゃ伝わってます。白井さんもそうです。

ーーー おふたりとも最近入ったばかりなのに、成果がすごいですよね。そういうマネージャーがふたりもいるというのは、会社にとってすごく大きな意味があると思います。あと、そんなおふたりのアクションの有り難みをきちんとキャッチして、それがチームにもたらしてる良い効果を俯瞰できているのは、気配り上手な中村さんならではの視点だなと感じました!


綺麗な水が世界に平和をもたらす日を夢見て

ーーー 最後に、天地人で成し遂げたいことを教えてください!

先々のことはあんまり考えないようにしているんですが、とりあえず直近では、宇宙水道局をしっかり成長させることがひとつの夢ですかね。このプロジェクトが産声を上げるところから携わっているし、必ず社会に貢献できるプロダクトだと、自信を持っているので。

あとは、もうめちゃめちゃ夢物語で、冒頭の中村 哲さんじゃないですけど、綺麗な水が飲めないような発展途上国で、宇宙水道局の技術を応用して何かできたらいいな、とか、妄想したりします。

アフガニスタンやパキスタンなど、今も紛争が続いている国はいくつもあって、そんな生きるか死ぬかみたいな国に水を届けて何になるんだ、みたいなイメージがあるかもしれません。でも実は、中村 哲さんの本で知ったんですが、水こそが争いを止めることに役立つこともあるみたいで。

水のように「生活に欠かせないもの」が不足することこそ、奪い合いや争いが始まる種のひとつなんですよね。「たかが水」なんかじゃなく、水が潤沢に提供されることによって、飲み水の安全が確保され、産業に繋がり、緑が生まれることで生態系がもたらされる。人類が平和な営みを築くために、水はすごく大切なものなんだってことを、中村 哲さんの本から学んだんですよね。だから、自分が今やっている宇宙水道局がいつか、水のインフラがないところに対しても何か提供できるっていうところに繋がったら、本当にすごいことだなと思いますね。

ーーー ありがとうございます。天地人のミッションバリューにぴったりですね。

狙ったわけじゃないですよ(笑)。

ーーー 中村さんは一貫して「社会のために」がブレない、とても心強いメンバーだと、改めて嬉しくなりました! 今日は本当にありがとうございました。



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