創業50年の歴史を持つものづくり企業・エーワークスを承継するのは、エンタメとファイナンスの融合を掲げる新進企業・オリグレス。異業種ながら共通の価値観で共鳴した二社が、どのように出会い、そしてともにどんな未来を描いていくのか——その歩みを紐解きます。
これまでの歩み
エーワークス 浅野様:もともとは創業50年のプラスチック成型会社「浅野製作所」がルーツで、2011年に商品開発部門を独立させてエーワークスを設立しました。「国内でものづくりの現場を残すことが差別化になる」と信じ、企画から製造まで一貫して自社で手掛ける体制を整えています。創業当初はiPhoneカバーやキーホルダーなどを中心に事業を拡大し、伸ばしてきました。設備投資にも積極的に取り組み、一昨年からは特に軌道に乗り、前期は創業以来の最高益を達成しました。
オリグレス 吉武:私たちは「エンターテインメント・キャピタル」としてエンタメ、ファイナンス、グループ経営の領域を軸に「エンタメ総合企業」を目指しています。
まだ創業4年半ほどの会社で、平均年齢は20代後半〜30代です。現在はエンタメ施設と連携した「レジャパス」という周遊パス事業や、IPを活用した「レジャフェス」というIPコラボのイベント事業を展開しています。グッズ制作や販売も強化しており、推し活グッズなど、エンタメとものづくりの交わる領域で大きな可能性を感じており、一緒に挑戦できるパートナーを探していました。
事業承継の決断
エーワークス 浅野様:2年前に大きな怪我をして「いつ何が起きるかわからない」と痛感したことが転機でした。後継者が決まっていなかったこともあり、いまの社員の雇用を守る責任の重さを改めて感じ、会社をどうしていくかを真剣に考えるようになりました。
そんな中で、M&Aという選択肢に向き合うようになりました。
理念で選んだパートナー
エーワークス 浅野様:一番重視したのは、「エーワークスを理解し、活かしてくれる会社かどうか」です。規模や売上ではなく、理念が近い会社と組みたいと思っていました。
吉武さんの「エンタメを通して人に楽しんでもらう」という考え方が、自分の「つくったもので喜んでもらう」という想いと重なったんです。それに、若い人たちと一緒に仕事ができることも刺激的でした。これまでとは違う価値観を持つ人たちと働けることが、学びであり楽しみでもありました。最初にお会いしたときの印象がとても良く、何度か面談を重ねる中で「この人たちなら任せられる」と感じました。
ユニヴィス 佐竹様:心配や周囲からの不安の声などはありませんでしたか。
エーワークス 浅野様:もちろん不安はありましたし、顧問の会計士からは「無理に進める必要はない」とも言われましたが、最終的には自分の直感を信じて決めました。
周囲からの反対はあまりありませんでしたね。息子は同意してくれていたし、妻はむしろ、怪我をしても休めないような現状をなんとかしたいと常に言っていたので。
“ものづくり愛”でつながったご縁
オリグレス 吉武:浅野さんは「ものづくりが本当に好きな方」でした。話し始めると止まらないほど、ひとつの商品ができるまでのプロセスを熱く語ってくれるんです。その情熱がまっすぐ伝わってきて、惹かれました。また、社員さんや協力会社との関係をとても大事にされていて、その“人間関係の丁寧さ”にも信頼を感じました。初めてのM&Aでしたが、「この方となら前向きな形で進められる」と思えました。
それぞれが向き合う責任
エーワークス 浅野様:当時は感傷に浸る暇もないほど忙しかったのですが、自分で振込作業をする必要がなくなった瞬間に、ようやく「手を離してもいいんだな」という実感が湧きました。また、これまでは「今期赤字でも次取り戻せばいいじゃん」という軽い感覚も正直ありました。しかし、吉武さんと組む以上は、より責任を持って日々の業務に向き合っていかなければと感じています。関与できる間はできる限りオリグレスの進化に貢献していきたいという気持ちがあります。
オリグレス 吉武:弊社もM&A自体初めてだったので、浅野さんと出会ってから、「M&Aとは何か」を3ヶ月〜半年ほど考えました。合わなければ関係を断てる業務提携とは違い、資本が入ることで“血がつながる関係”になります。浅野さんにとって会社は子どものような存在。その大切な会社を託された責任の重さを強く感じました。
私は割と、「働く人の背中」をあまり見ないままに育ってきて、経営もこれまで指針のないまま自己流でやってきました。浅野さんに会社を託していただいたことで、自分のこれまでを肯定してもらえたような気持ちになりました。今は、エーワークスさんの未来も過去も、常に自分の肩に乗っているような感覚があります。だからこそ、これまで以上に慎重であるべきという守りの意識と、同時に大きな夢を描いて前に進まなければという攻めの意識が以前より強くなりました。
“体験”と“ものづくり”が描く未来
エーワークス 浅野様:これからは“エーワークスが持っているものをどう活かせるか”を考えていきたいです。時代は店舗販売から直販へと移りつつあります。
オリグレスさんと組むことで、よりダイレクトにお客様に届けられる体制をつくっていきたいと思っています。また、オリグレスさんが大切にしている「体験」という価値についても共感しています。
僕らは昭和の時代、ものがない中でどう遊ぶかを工夫してきました。いまのゲームや情報に溢れる時代だからこそ、リアルな“遊び”の楽しさを伝えたい。そんな想いをオリグレスさんと形にしていけたらと思っています。
オリグレス 吉武:私たちはHPにも「記憶に残る非日常を創る」と掲げています。以前から「いつかはテーマパークを作りたい」と言ってきたのですが、その根底にあるのは、一生の思い出に残る体験を提供し続け、その総和を最大化したいという想いです。そしてそこに紐づく“体験を思い出すきっかけになる商品”があれば、さらに新しい付加価値が生まれます。これまでイベント企画やIPコラボを中心に展開してきましたが、エーワークスさんの“ものづくり”が加わることで、単に原価が下がるだけでなく、商品企画の段階から発想を広げ、提供の仕方を創意工夫することができるようになります。
エーワークスのみなさんに、「オリグレスと組んでよかった」と思ってもらえるように、ベンチャーらしいスピード感で挑戦を続けていきます。
(本文はこちら)https://note.com/univis_group/n/n5c6a4fa719c7