株式会社コスモジャパンは、創業8年目を迎えました。これまで事業と売上のほぼすべてを支えてきたのは、SESです。社員がお客様先のプロジェクトで経験を積み、その技術力を通じて会社も成長してきました。 そして今、10年目という節目に向けて、自社サービスやゲーム、アプリの開発を進めています。ゲーム部、システム開発部、検証部。それぞれの部署で、社員の興味や挑戦したいことを出発点に、新しいものをつくる動きが始まっています。 なぜ今、その動きを進めているのか。何を目指し、どんな課題に向き合っているのか。代表に聞きました。
目次
― 創業当初から思い描いていた、次の会社の姿
今を「第二創業期」と捉えている理由を教えてください。
これまでは、事業も売上もほぼ100%がSESでした。ただ、創業当初から、将来的には受託開発や自社開発を中心に会社を回していきたいという思いがありました。それは私だけでなく、在籍している社員も希望していたことです。 一方で、最近はSESの先行きに対する危機感もあります。AIの普及に加えて、中堅エンジニアも増えていますし、お客様となる企業も、自社でIT人材を確保するための採用に力を入れるようになってきました。そうした変化を見ていて、今までと同じ事業の形を続けていくだけでは難しくなるのではないか、と感じています。 そこに、社内の成長が重なりました。初期からいるメンバーや未経験で入社したメンバーも、3年、4年と経験を積んでくれて、技術力が上がってきています。自分たちで開発を進めるためのノウハウも蓄積されてきました。 創業8年目になり、10年目が見えてきた。以前からやりたかったことに取り組める力が、会社にもついてきた。そうした事情が重なって、次の節目に向けて、会社の核になる自社サービスやプロダクト、アプリ、ゲームタイトルを生み出したいと考えています。
外部環境の変化と、社内に力がついてきたタイミングが重なったんですね。
そうですね。もともと目指していた方向に、今まで積み上げてきたものを使って進んでいこう、ということです。 SESの現場で社員が身につけてきた技術や経験があるからこそ、今、自分たちのサービスをつくる話ができています。その力を、次の事業につなげていきたいと思っています。
― 社員の仕事に、複数の選択肢をつくる
10年目を迎えたとき、どんな状態になっていたいですか。
まず、社員全員が「SESの現場で稼働しています」という状況からは変わっていたいですね。 今は、社員にとっての仕事が、基本的にはSESの案件になっています。それが、SESの案件、自社開発、受託案件というように、複数の選択肢がある状態になっていれば、目標に近づけていると思います。 自社開発や受託開発も、社員が本業として担当できる仕事にしていきたいということです。
SESの割合を一気にゼロにする、ということではない。
はい。いきなりゼロにすることはできませんし、売上の何割かをSESで支えていくほうが建設的だと思っています。 これまでの事業基盤を生かしながら、自社開発や受託の仕事も増やしていく。その結果として、社員が携われる仕事の幅も広がる。そういう状態を目指しています。
― 3つの部署で、自社サービスづくりが動いている
今、特に力を入れている取り組みは何でしょうか。
自社サービスの創出に向けた動きです。当社にはゲーム部、システム開発部、検証部の3つがあり、それぞれで進めています。 ゲーム部は、引き続きゲームを開発しています。今年は1本リリースしていて、今開発中の残り2本も、年内にはリリースしたいと考えています。
システム開発部では、Web制作やアプリ開発を進めています。アプリは現在5本作っていて、そのうち3本はリリース済みです。他にも、Saas製品の開発や、サービスの実現性を確かめるPoCに取り組んでいます。
- ▶ システム開発について / Web制作について
すでに公開したものもあれば、試作や準備を進めているものもあるんですね。
そうです。それぞれ段階は違いますが、部署ごとに動いています。 ゲームやアプリを形にして届けるものもあれば、まず技術的にできることを確かめるものもあります。今はそうした取り組みを進めながら、自社の事業として育てていこうとしているところです。
― 開発する時間と、売っていく力
進めるうえで、どんな課題がありますか。
基本的にはSESの案件を担当しながら、並行して開発しているので、作業時間の確保は課題です。特定の人に負荷がかかってしまうこともあります。 もう一つは、どう売っていくかですね。私たちは技術者の集団なので、つくることには取り組めます。ただ、つくったものをどう知ってもらい、どう売っていくかについては、課題を感じています。
その課題に対して、今取り組んでいることはありますか。
開発ではAIを導入して、限られた時間でも開発を進められる力を高めようとしています。 発信も始めています。SNSやWebで情報を出したり、動画をつくってみたり。自分たちのつくったものを知ってもらうために、まず動いているところです。 今後は営業も、SESだけでなく、受託開発や自社サービスの営業に、もっと時間を使えるようにしていく必要があると思っています。
営業の動き方も変えていく必要がある。
そうですね。そのためには、今のSES営業の業務を効率化することも考えています。 SESの営業については、自分たちがよく分かっています。だったら、SES営業を支援するシステムを自分たちでつくってしまおう、という構想もあります。まずは自分たちのためのものとしてです。 自分たちが分かっている仕事の課題を、自分たちの技術で解決して、次の事業に取り組む時間をつくれればと思っています。
― 自社開発への参加は、社員の「やりたい」から
SESと並行して開発すると聞くと、社員の負担を心配する方もいるかもしれません。
そこは、きちんと伝えたいところです。会社としては、無理をしない、SESの業務だけでもいい、というスタンスです。全員に自社開発への参加を求めているわけではありません。 一方で、技術職なので、自分のための自己研鑽は必要だと考えています。今の業務を担当することと、これから自分ができることを増やすために学ぶことは、それぞれ大切なことです。 その自己研鑽と、会社が進めている自社サービスづくりがつながれば、一番いいと思っています。
どのようにつながることを考えていますか。
例えば、AIを使った開発を習得したい。今は運用保守を担当しているけれど、構築を学びたい。詳細設計以降の経験が中心なので、要件定義や基本設計といった上流工程に携わりたい。そうした気持ちがあると思います。 それを自社で進めている開発の中で経験できれば、サービスづくりに取り組むことが、本人のスキルアップにもつながります。 そもそも、今動いている自社開発の企画自体が、社員のやりたいことから始まっています。全社員にヒアリングをして、どんなことに興味があるのかを聞きました。そのうえで、それぞれの企画が走り始めています。
― 社員の学びが、次のサービスの土台になる
社員の希望から始まった具体例を教えてください。
情報を収集して発信するようなサービスを開発したい、というメンバーがいました。その人は現在、フロントエンドの業務が中心で、バックエンドの技術も習得していきたいという希望を持っていました。 そこで、Docker、NestJS、スクレイピングを使ったPoCを任せています。情報を収集する仕組みを試作しながら、バックエンドの技術を身につけていく取り組みです。 つくりたいサービスと、本人が学びたい技術。その両方を踏まえて始めています。
その取り組みは、今どこまで進んでいますか。
毎週、少しずつ成果報告を受けています。最初は、なんとなく動いているという状態でした。 それが最近は、いろいろな機能が加わってきています。見ていて、スクレイピングという技術を使ったサービス全般の核になるような技術が、確立されてきているなと感じます。 本人の学習から始まったものが、今後、会社でサービスをつくるときの土台にもなってきている。そういう手応えがあります。
― ものづくりが好きな人たちで、次の事業をつくる
最後に、今のコスモジャパンを、どんな会社として知ってほしいですか
「要するにSESの会社なんだね」で終わってほしくはないですね。 SESで培ってきた技術を軸に、新しいサービスや自社タイトルを生み出して、世の中に発信していこうとしている会社だと知ってもらえたら嬉しいです。 そして、私たちは作り手の集まりです。ものづくりが大好きな人たちが集まっている会社なんです。 今は、開発する時間をどう確保するか、つくったものをどう売っていくかなど、向き合う課題もあります。それでも、社員の興味や、やってみたいことを出発点に、実際に形になるものが増えてきました。 10年目という節目に向けて、その一つひとつを、会社の核になるサービスやプロダクトへ育てていきたいと思っています。