Vol.11 倒産危機(2022年7月~2023年8月)
皆さんこんにちは、このシリーズでは、ムスびが今までどの様な沿革を経て今に至るのかを、代表の水口に質問形式で当時の事を振り返って頂き、
なぜその答えで進んだのか。なぜそう考えたのか。等々思いや考え方について余す事なく皆さんにお伝えしていければと考えています。
コンセプトは「どうせ働くならもっと有意義に、楽しく、充実感を持って働きたい。」です!
このシリーズを通して、少しでも弊社を気になったり、質問したいなと思って頂ければ嬉しく思います。
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さて私個人的に一番聞きたい時期がやってまいりました。
順調に社員が増えていってましたが、この時色んなタイミングが重なり社員が3人退職し、5人で会社を回す事になりました。私もその5人のうちの一人ですが、当時日々の業務がものすごく大変だった事を覚えています。
社長が新規のお客様を対応し、部長が梱包作業をし、私はひたすらお客様の依頼をこなすという。
今でこそ当時は大変だったなぁと笑い話になりますが、社長は当時何を考えてましたか?
心に響くような深い事は特に考えてなかったかと思います。笑
早く良い人材を確保しないとみんながやばい。と常に思っていたくらいですかね。
僕達のようなスタートアップの企業って色んなところで山あり谷あり、色んなトラブルが常に起こって解決し成長していきます。
スタートアップだけじゃないですね。どんな企業も大小の違いはあれ日々色々なトラブルが起きています。
スタートアップ企業は規模が小さい故に、そのトラブル一つ一つの処理を間違えるとすぐに瀕死状態になってしまいます。
お客様に対する問題。商品に対する問題。仕入れ先の問題。そして社内の問題。
これら全てにおいて僕は未経験なので、問題が起きるたびに探り探り正解を探して対応し、次に同じような問題が起きた時は迅速に対応できるよう経験を積んでいっているのですが、人の問題はやはり一番精神に来るところがあります。
仲良く楽しく働いていたメンバーが、ステップアップの為とは言え退職することはやっぱりさみしいですし、本人も色々考えた結果だと思うので、退職時期等に関しても基本的には希望通りで進めます。
そして一番の問題は、我々は余剰に社員を雇う余裕はないので、常に業務量に対して適切な人材の量しか確保できておりません。
もう少し正確に言うと、一人ひとりが少しだけ余裕のある状態、がベストで、仕事が増えてくると増員する、としたいのです。
しかし仕事量は簡単にコントロールできるものもなく、現実はそう上手くはいかず余裕のある状態を作る事は難しいのです。
そうなると、誰かひとりでもやめてしまった時残った社員のみんなに一番迷惑をかけてしまう状況となってしまうのです。
その他の問題は私一人でなんとかできる事も沢山あるのですが、人の問題になってくるとそうともいかず、みんなの力を借りるほかないのです。
当時は3人の退職時期が被ってしまい本当に迷惑かけました。そしてみんな、めちゃくちゃ助かりました。ありがとう。
次に、ここも超気になっていたムスびの転換点、長年支えてくれていた一番の大口のお客様が倒産する事になりました。売掛金も相当あったと伺っています。そして弊社も倒産危機になりそうだった事も聞いていました。当時どの様に立ち回り、これを回避されたのですか?私だったら食事も通らない、不安で眠れないと思います。精神的な部分はどうやって乗り越えたのでしょうか?
これも当然未経験なので相当焦りました。
我々の売り上げの大半を占めるお客様だったので、売掛の回収はもちろんですが、今後の会社の運営も危ぶまれました。
どう乗り越えたら良いのかの答えなんて物はわからないので、とにかく自分にやれることをひたすらにやっていました。
まずできる事の一つとして、毎日早朝に会社に来てアメリカのお客様とZoomで話していました。
時差があるのでこちらの早朝が向こうの昼になります。
特に何を話すわけでもないんですが、「今日はどう?元気?なんかできることある?」のような会話を毎日毎日行っていました。
彼の心の支えになることが目的だったんですが、彼の顔を見る事で僕自身の安心にもつながっていたと思います。連絡を取れなくなるのが一番怖かったんです。
そしていよいよ本当にまずいなとなった時、(うちだけじゃなく、輸送のメインの会社の支払いも滞って商品が送れなくなくなり、クレジットも止められた時)アメリカに急遽行くことを決めました。
確か月曜に判明して、火曜日の深夜便を取りました。
そして実はその時初めてビジネスクラスを取りました。
もう最後かもしれないしな。人生で一回でも乗っておきたいな。
って気持ちと、ここでビジネス取る事でより出費を増やして自分を追い込んでやろう、って二つの思いでビジネスに乗りました。
これは超重たいのでスタッフの誰にもその時の心境は話していません。
その時は、ちょっと東京行ってくるわ、くらいのノリでアメリカに行きました。
こちら当時のビジネスクラスの機内食
そしてアメリカに着いてから丸二日間朝から晩まで彼らと行動を共にし、つたない英語力で必死にひたすらミーティングと状況を聞き、特にこれといった進展や収穫はない状態で帰国しました。
ただ、僕にとってはこれといった進展や収穫はないと思っていても実はそうではありませんでした。
彼らを心配して東京くらいのノリで急遽アメリカまで行き、特に自分を心配するような話をせず彼らの言葉に耳を傾けただけの行動が功を奏したのです。
この内容は次の質問に続くようなので次に書きます。
次の質問でより詳細に答えますが、精神的に乗り越えた、ではなく、乗り越えさせてもらえた、になります。
不安で眠れないは我々のような社長業では日常です。
何かが起きたから不安で眠れない、だと遅いのです。
毎日起きもしないトラブルに震え、悪い未来を想像し勝手に凹み、元気の出る音楽を聴いて一人勝手に奮い立たせています。
でも思うんです。我々は少しくらいビビりな方がいいんです。
全く怖がらず、ビビらず、大丈夫だろ、って思ってる社長ほどやばいんじゃないかって思ってます。
答えはないんですけどね。
記事にする為に当時渡米した時の写真をくださいとお願いしましたが、これしか撮っていなかったそうな。笑 写真を撮る心の余裕がない事が良く伝わる。