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"ひきこもり"支援のための相談業務支援システム開発の舞台裏!『精神科向け電子カルテ』メーカーが手掛けたきっかけとは?

今回は、2021年4月に新たにリリースした新製品「Waroku(ワロク)パブリックヘルス」誕生の裏側をご紹介します!

※本ストーリーは、2021年6月23日に「PR TIMES STORY」にて公開した内容を元に作成しています。

レスコは、2003年に日本初の精神科向け電子カルテ「Alpha」を開発・提供して以来、精神科医療に特化した業界トップシェアのICT企業として歩んできました。そして2021年4月、レスコは医療の枠を超えて、相談支援機関向けのクラウド型相談業務支援システム「Warokuパブリックヘルス」をリリースしました。

「Warokuパブリックヘルス」とは?

「Warokuパブリックヘルス」は、ひきこもり支援や生活困窮者自立支援など、生活にお困りごとを抱える方々を支えるNPO法人や支援団体、医療機関のためのシステムです。相談記録や報告に役立つ機能を搭載し、紙ベース運用からクラウドベース運用にシフトすることで、ペーパーワークを削減し支援者の業務負担軽減を図るとともに、支援者間の適切な情報連携に寄与すべく開発されました。

▷「Warokuパブリックヘルス」について(レスコHP)


変化を続けるメンタルヘルスの領域

現在、日本では「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築が目指され、これまでの入院医療中心の考え方から、地域の一員として自分らしい暮らしを送るための地域包括という考え方へと移り変わっています。地域保活ケアシステムにおいては、医療機関だけでなく、行政や支援機関などの多岐にわたる支援者が連携し、適切な支援を届けることが求められています。

2019年の内閣府統計(※1)によれば、全国的な社会課題の一つである「ひきこもり」の推計は、15歳~39歳までが約54万人、40歳~64歳までが約61万人におよびます。また、「長期化」の傾向も明らかとなっています。加えて昨今は、コロナ禍の影響によって人々のつながりが絶たれる生活が続き、不安やストレスによるメンタルヘルスの問題も顕在化しています。

※1)内閣府.「生活状況に関する調査」. 平成30年度. https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/kekka_gaiyo.pdf


このような社会環境の中で、なぜレスコが「Warokuパブリックヘルス」を開発したのか。社長の藤川は、次のように語ります。

求められるのは「ワンストップな支援」を叶えること

「ひきこもりを始めとしたメンタルヘルスに関わる社会課題に加えて、昨今ではコロナ禍による自殺者数やうつ病罹患者などの増加が目立っており、私は精神科医療に携わってきたメーカーとして自分に何かできることはないかと、精神保健に関して情報収集を始めました。

そして、地域社会の人々が抱えるメンタルや家庭の問題には、ひとつの課題だけではなく、生活困窮や障害、DV、孤独・孤立などの課題が複雑に重なっているケースが多く見られることが明らかとなりました。同時に、さまざまな課題に対する支援制度が行政から設けられている一方で、近年の複雑化・多重化している問題に対しての適切に支援を届けることが、制度の都合上難しくなっていることがわかったのです。

【画像:課題となる社会問題】


心の問題は、いきなり現れるものというよりは、生まれてから生活していく人生の中で経験するあらゆる事象が影響し合って、メンタルの部分に発生するものだと私は考えています。実際に精神科医療においても、家庭環境や生活環境といった「成育環境情報」は、患者の価値観を培っているものとして、治療の上で重要視されています。したがって、学校・就職・結婚・出産といったライフステージごとに用意されている支援制度がシームレスに連携し合い、地域住民をワンストップで支援する仕組みを作ることには大きな意義があるのではないかと考えました。

【画像:支援体制の現状イメージ図】


そのような考えを抱いている時に、佐賀県でこども・若者の心の健康に向けて、包括的な支援活動を行っているNPO法人スチューデント・サポート・フェイス(以下S.S.F.)代表理事 谷口仁史氏と出会いました。国の精神医療に関する地域包括ケアシステムがまだ発展段階である一方で、S.S.F.の連携と協働を軸とした取り組みは「佐賀モデル」と呼ばれ注目されるほどに先進的であり、私は強く感銘を受けました。S.S.F.の取り組みのようなワンストップな支援を全国に広げるために、支援の仕組みの中で活用できるツールを提供したいという想いに至りました。そして、谷口氏と何度も想いの共有を重ねた末、レスコの培ってきた精神科に特化した電子カルテのシステムと、S.S.F.のノウハウを組み合わせた共同開発という形で、「Warokuパブリックヘルス」として実ることとなりました。」

【画像:2021年3月31日「Warokuパブリックヘルス」新製品発表会の様子】

今後の展望

レスコの今後の展開としては、精神科医療や精神保健、学校、行政、その他地域社会のさまざまな支援リソースが連携しながら、中心にいる地域住民の心の健康を維持・向上させるための情報ネットワーク構築を構想しています。

予防や早期発見においては精神保健の領域が、治療においては精神科医療の領域が、そして治療を終えた後、地域社会で健康に心豊かに生活する環境づくりには地域のさまざまな支援制度が必要とされます。今、それらが連携して支援のネットワークを形作ることが求められています。

レスコは精神科における電子カルテに長く関わってきたメーカーとして、支援ネットワークをつなぐソリューションの提供を目指して取り組んでいきます。

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