pickiは、まだ社員10人程度の小さな会社です。
会社のビジョンは「違いが魅力になる世界を作る」。
そんな小さな会社が、「違いが魅力になる世界を作る」を成し遂げるためには、思いに強く共感してくれる人が必要です。たとえスキルが足りなくても、あとから力を付ければいい。でも、強い共感や思いは、内側から湧き出るものであり、あとで付け足すものではないと思います。
僕たちに共感してくれる人や、強い思いを持った人に出会いたい。だから、代表取締役である僕、鈴木昭広が、pickiの志や思いを紹介します。
会社も、社員も、急成長以外ありえない
ベンチャー企業として、入社が決まった人に必ず言うことがあります。それは「融資と投資の違い、わかる?」という質問。pickiは銀行から「融資」を受けているのではなく、投資家やベンチャーキャピタルから「投資」を受けています。
融資とは、銀行などの金融機関がお金を貸して、利子で儲ける仕組み。一方で投資とは、投資家やベンチャーキャピタルが企業にお金を出し、上場やEXIT(売却)によって利益を得ます。つまり、上場や売却を狙うのがベンチャーの宿命なのです。
上場や売却を「成功」と定義すると、成功するのは10社のうち1社あればいいほうでしょう。その1社のリターンが10倍以上にならなないと利益は出ません。基本的に、成功するまでの期間は決められているため、ベンチャーである僕たちに、「急成長」以外の選択肢はない。融資を受けるとはそういうことです。
そのため、大変なことはたくさんあります。既存の会社がすでにやっていることを真似しても、急成長は望めないでしょう。これまで誰もやっていなかったことをやらなくてはいけない。でも裏を返すと、それがベンチャーのいいところです。
会社が急成長するから、社員も急成長せざるを得なくなります。だからこそ、人が大きく成長できる場所と言えます。
「違いが魅力になる世界を作る」というビジョン
pickiが掲げているビジョンは、「違いが魅力になる世界を作る」。それは、僕が幼少時から「周囲の人と違っていた」ことに起因しています。
僕の母は韓国人。そのため、弁当ひとつにしても周囲と違っていて、キムチの匂いにからかわれたりしました。日本の同調圧力を強く感じながらも、父が「違ってもいい」と肯定してくれたことが救いになり、違いが魅力になると思えるようになったのです。
そこまで思うには、いいことも悪いこともたくさんありましたが、「違いが魅力になることは素晴らしい」「そんな世界を作っていきたい」と考えるようになった。さらに、個人の違いを表現して、それが力になり、ビジネスになったらいいなと考え始めました。それが、個人の力をエンパワーメントして、オリジナルブランドを立ち上げるpickiの事業となっています。
ビジョンを達成するための5つのバリュー
ビジョンに加えて、僕たちのバリュー(行動指針)を紹介します。「違いが魅力になる世界を作る」ために、pickiの社員は次のように行動すべきだと考えています。
「love crazy」 違っていると、狂っているように見えるかもしれない。でもそれくらいでなくては、誰もやったことのないことを成し遂げられない。違いを愛し、狂うことを愛そう!
「think why」 違いを愛して狂うとはいえ、何でもいいわけではない。「なぜ?」を考え続けなくてはならない。定石を知り、そのうえで違うことをしよう!
「all leader」 目的、ゴールに対して進めるようにするのがリーダーシップ。社員全員がリーダーシップを発揮しよう!
「be a respecter」 多様なメンバーが集まってくるほど、バックグラウンドや文化、個性はバラバラになる。理解できないことも増えてくる。納得させる必要はないが、相手へのリスペクトは必要。違っていても、リスペクトしよう!
「entertain you」 pickiが売っているのは、生きるのに必要な服ではなく、楽しむための服。だから、僕たちはエンターテインメントを売っている。自分を楽しませられない人が、他の人を楽しませることはできない。まずは自分を楽しませよう!
ファッション業界におけるクリエイターエコノミーのかたち
最近話題になっているキーワードとして「クリエイターエコノミー」があります。今までのようにプラットフォームが稼ぐのではなく、それぞれのクリエイターが稼ぐ時代。主役が、プラットフォームからクリエイター側に移り始めているのです。
pickiが目指しているのは、まさにクリエイターエコノミーです。僕たちがディレクターと呼んでいる人のパッションを原点としてオリジナル商品を作り、作っていくプロセスを発信していきます。ファンと直接つながり、信頼関係を築き、「共犯者」として巻き込みながら事業を進めています。
僕たちが選んだのは、アパレルという市場。個人をベースにオリジナルのブランド・商品を作り、個人のファンに対して販売しています。このような事業はメーカー直販とも捉えられ、D2C(Direct to Consumer)と呼ばれることが多いものの、「人」を掛け合わせて、P2C(Person to Consumer)と呼ぶこともあります。僕たちが取り組んでいることは、クリエイターエコノミーと非常に相性がいいP2Cビジネスと言えるのです。
ディレクターとともに、一流の仕事に携われる
ブランドの「顔」となる個人は、クリエイター、インフルエンサーなどさまざまな呼び名がありますが、僕たちは「ディレクター」と呼んでいます。pickiで一緒に働いているディレクターは、情熱を持っている人ばかりです。週一でミーティングを重ね、商品やブランドの方向性、売り方などを真剣に議論しています。数十万人といったフォロワーのいるディレクターは、それだけ世界観を持っており、見せ方やPRの仕方も一流です。pickiで働いていると、そんな人が真剣に、プロフェッショナルな仕事をする現場に携われるのです。
従来のアパレルは分業制がほとんどでした。でもpickiでは、ディレクターのもと、ブランディング、企画生産、マーチャンダイジング、Webマーケ、PR、Web制作など、すべてを自社で賄います。
また、店舗がなく、インターネット上のショッピングモールにも参加しません。SNSを通して販売している従来にないかたち。お客様は、条件にマッチしたコスパのいい服を買うのではなく、SNSで出会ったり、発見したりしてワクワクした気持ちで購入する。そんなエンターテインメントを提供しているのです。
良くも悪くも、社長の気質が色濃く出る
ベンチャー企業で働きたいと考える人は、代表取締役である僕の人柄も気になるのではないでしょうか。小さい会社の場合は、良くも悪くも社長の気質が色濃く出てしまうからです。
僕は、子どものころからいわゆる「多動」でした。とにかく人が好きで、たくさんの人に会い、いろいろな国に住んだり、旅行で訪れたりしました。事業を成長させるときには、多動だからこそ次々とアイデアがわき、突破していく行動力があると自負しています。
ただ、その代わり、「みんなができることができない」といった一面もあります。もしかしたら、やるべきことが100ある中で、10しかできていないかもしれない。ただ、その10に対して深く取り組むのが僕の役目。ほかの90は、ありがたいことに会社のスタッフが自発的に取り組んでくれているのです。
スタッフに聞くと、僕は「勉強家だ」と言われます。確かに、夢中になるととことん調べて勉強してしまうからかもしれません。また、コミュニケーションをするうえで、相手のことをしっかり情報収集する習慣もあります。興味を持ったら、とことんまで調べる。さらに、相手の表情や言動を最大限くみ取るよう心がけています。行動指針である「be a respecter」にもつながりますが、相手をリスペクトしているからこその姿勢です。
少々長くなりましたが、pickiの特徴を挙げると、「ベンチャー」「ファッションD2C」、そして恐縮ながら、僕という人間ではないかと思います。これらの部分に共感して、一緒に働きたいと思ってくれる人。僕たちpickiは、そんな人を求めています。