入社前から、創る側で挑む
「内定者の立場で、ここまで本気で考えるとは思っていなかった。」
合宿を終えた内定者のこの言葉には、私たちがこの取り組みに込めた意図が端的に表れています。
内定者合宿と聞くと、“交流”や“レクリエーション”を想像されるかもしれません。
しかし、私たちが設計したのは、内定者自身が目的を定義し、戦略的に企画・実行するプロセスです。
パートナーズの新卒採用テーマ「新時代をその手で創れ」。
この言葉を行動で体現するために、春合宿と夏合宿を、入社前の実践の場と位置づけています。
「最強の代」を実現する設計とは何か
春合宿で提示したのは、シンプルな問いです。
「“新時代を創る最強の代”となるために、この合宿をどんな時間に設計するべきか?」
バスレクリエーション、体育館、キャンプファイヤー、2日目の自由設計。
これら4つのパートを、3チームに分けて分担し、各チームがコンテンツをゼロベースで企画・設計・プレゼンし、夏合宿で実行する。それがこのプロジェクトの全体像です。
注力してほしかったのは、単なるイベントのアイデア出しではなく、「目的から逆算した構造づくり」。
何のためにこの時間が必要か。どの順番で、どの手段をとれば機能するのか。
そうした問いを軸に、各チームが仮説と検証を重ねながら設計に取り組みました。
人事は評価者ではなく、設計思考の伴走者として各チームを支援しました。
自分で考え、自分の意志で動くことの難しさと、面白さを体感してもらう。それがこの合宿の核です。
一見レクリエーション。しかし、そこにある意図と構造
各チームが担当した合宿コンテンツを、実施順にご紹介します。
どれも一見すると「楽しそうなレクリエーション」ですが、内定者たちはそれぞれに明確な意図を持ち、構成を練り上げていました。
バスレク(Bチーム)|関係性の質が、2日間の空気を左右する
合宿初日のバス移動中に行われたのが、Bチームが担当したレクリエーションです。
彼らが設定したゴールは、「全員の名前とプロフィールを覚える」こと。
関係性の質がその後の2日間の体験に大きく影響するという前提のもと、早い段階で相互理解を深めることを重視していました。
そのために用意されたのが、事前収集したプロフィール情報を活かしたクイズ形式のコンテンツ。
楽しさと学びを両立させながら、自然な形で会話と関係構築が進むよう設計されていたのが印象的でした。
体育館(Aチーム)|“遊び”を通じて理念や一体感に触れる
Aチームが設計したのは、理念への理解とチームで取り組む体験をつなげる90分の体育館コンテンツです。
「企業理念」「挑戦意欲」「一体感」という3つのキーワードを軸に、
・理念に関する問いにチームで回答する「11か条ゲーム」
・戦略性のあるゲーム「モルック」
・全員で息を合わせる「大縄跳び」
などを組み合わせ、頭と身体を同時に使って“代としての一体感”を育てる構成となっていました。
単なる競争や運動ではなく、学びと実感がきちんと紐づいている点に、チームの工夫が感じられました。
キャンプファイヤー(Bチーム)|本音が言える関係性をつくる
1日目の夜には、キャンプファイヤーを行い、Bチームが企画した実施しました。
目的は、遠慮のない率直な対話ができる関係性の土台をつくること。入社後に“新時代を創るチーム”として機能するためには、互いに本音で向き合える状態が欠かせないという考えが背景にありました。
プログラム構成:
- 価値観ゲーム「ito」(35分):個人の価値観や思考の違いを可視化し、対話のきっかけを生む
- おしゃべりタイム(35分):焚火を囲んでリラックスした状態で本音を共有する時間
- マイムマイム(15分):最後は体を動かしながら笑顔で1日目を締めくくる演出
火を囲みながら、お酒も交えつつ、形式に縛られない自然なコミュニケーションが促されるよう構成されており、“語り合える空気をどう設計するか”に向き合ったチームの工夫が随所に感じられるセッションとなっていました。
メインコンテンツ(Cチーム)|“なぜパートナーズなのか”を原点から見つめ直す
2日目のメインコンテンツは、Cチームによる企画。
テーマは「自分はなぜパートナーズを選んだのか」。
社会に出てからも挑戦を続けるためには、自分の原点を明確にし、共有しておくことが大切だという発想から構成していました。
内定者は4チームに分かれ、チームそれぞれが「決意」を象徴する漢字一字を選出し、それらを組み合わせてオリジナルの四字熟語を作成しました。
その熟語と手形を大きな模造紙にまとめ、“代の証”となる一枚のポスターとして仕上げました。
さらに、全員がお揃いの白いTシャツを着用し、制作過程の汚れを「挑戦の痕跡」を残すという演出も。Tシャツは記念品として持ち帰り、完成した四字熟語はカード化して配布予定です。
入社後も携帯できる「初心の証」として、折にふれて立ち返ることができるよう設計されていました。
人事から見た、設計力と目的思考の育ち
どのコンテンツにも共通していたのは、「この時間を通じて何を得たいか」という目的起点の設計姿勢でした。
楽しそうに見えるコンテンツも、単なるアイデアの寄せ集めではなく、「合宿全体の流れの中で、どう作用するか」までを踏まえた設計がなされていたことに、内定者の大きな成長を感じました。
内定者の声──考え、形にし、やり切った経験
実施後のアンケートでは、夏合宿に対して全員が満点評価をつける結果となりました。
感想では次のような声が集まりました。
「企画の段階でディテールを細かく話し合い詰めていたので、実際の運営で上手くいかないことについても臨機応変に対応できた
全てのコンテンツが期待を超える楽しさだったし、26卒皆のことをたくさん知ることが出来た」
「企画している段階で『自分の案に相手がどう答えてくるかを予測し、対策しておく』という事の重要性に気づきました。
最高の仲間に出会えましたし、全員主体性があり、驚きました!皆に置いて行かれないように頑張りたいです!」
「26卒メンバーになれて良かったと思えた合宿だった!そして仲間たちの能力の高さ、人事の方達の温かさ、面白さ、宅建合格への意欲、さまざまな刺激を得られた!」
全員が一様に語っていたのは、「自分たちで創ったものを、自分たちで責任を持って届けることの重みと充実感とその楽しさ」でした。
この経験は、将来のプロジェクト推進やチームづくりにおいて、確かな土台となるはずです。
内定者たちが2日目のメインコンテンツで作り上げた四字熟語は、「紡強憧頼(ボウキョウドウライ)」。
“強く憧れられ、強く頼られ、それを仲間とともに紡いでいく”。そんな想いが込められています。
入社前からここまで本気で考え抜き、行動したこの経験が、きっとこの先の挑戦の礎になっていくはずです。
そして彼らが紡いだ意志は、次の世代にも、確かに引き継がれていくと信じています。
最後に──自ら創る意志が、未来を動かす
この合宿で求めたのは、「与えられる側」ではなく、「創る側」に立つ姿勢です。
目的を明確にし、仲間と協働し、実行までやり切る。そのプロセスは、社会に出てからも常に求められる力であり、やらされるのではなく、自ら動き、何かを生み出すために全力で向き合うことの楽しさを知っていることは大きな財産になります。
私たちは、こうした姿勢を入社前から育てていきたいと考えています。
もし、少しでも「自分も創る側に立ってみたい」と思ったなら、ぜひ一度お話ししましょう。