「キャリアアドバイザーに相談したけど、なんだかピンとこない…」 「とりあえず求人を紹介してもらったけど、本当にこれでいいのかな？」
そんなモヤモヤを抱えながら、転職活動の渦中にいる20代の方もいるかもしれません。
今回お話を伺ったのは、Aさん（仮名）。大学を中退後、7年間のアルバイト生活を経て人材派遣業界に飛び込んだものの、理想と現実のギャップに直面し、再びキャリアの岐路に立たされている方です。

「なんとなく」で選んだ道。7年間のアルバイトと、初めての就職活動

丸尾： Aさんの最初のキャリアについて、教えていただけますか？
Aさん： 大学を途中で辞めて、そこからずっとカラオケ店でアルバイトをしていました。7年くらいですね。
丸尾： 7年間は長いですね。なぜそのお仕事を続けられたんですか？
Aさん： 特に理由はなくて。生活のために働いていただけですね。お店の雰囲気もよかったし、外販の仕事なんかは意外と楽しかったんです。気づけば7年経ってました。
丸尾： その後、就職活動を始められたんですね。
Aさん： はい。接客経験を活かしたいと思って営業職を希望してました。人と関わる仕事がしたくて。
丸尾： 転職活動はスムーズに進みましたか？
Aさん： いえ…キャリアアドバイザーに相談しても、免許が必要な求人を紹介されたり、デリバリー系の求人ばかりで。「もういいや」って気持ちになってしまいました。

「とりあえず」で入った人材派遣会社。理想と現実のギャップ

丸尾： 最終的にA社（仮称）に入社されたのですね。
Aさん： はい。派遣事業部の立ち上げというタイミングでもありましたし、もう就活にも疲れて「ここでいいか」と決めてしまいました。働き方も業務委託で、そのあたりもよく分からずに入社してしまって…。
丸尾： 入社後はどんな業務でしたか？
Aさん： 主にテレアポで、法人向けの通信サービスなどの提案をしていました。成果が出た時は嬉しかったですが、だんだんと「これって人のためになってるのかな？」と疑問を感じるようになって。

予期せぬ出来事と、再びの決断。そして今の心境

Aさん： ちょうどその頃、祖父が重い病気になって介護が必要になったんです。週に数回、介護を手伝ううちに、退職を考えるようになりました。
丸尾： 大きな決断だったと思います。再び転職活動を始めたとのことですが…。
Aさん： はい。ただ、最初はまたよく分からなくなって…。神奈川県内で気軽に働けそうなところを探していたけど、内定が出ても「ここでいいのか？」と迷ってしまって。
丸尾： 現在の希望条件は？
Aさん： ワークライフバランスを大事にしたいです。副業OK、年収320万円以上、休日125日以上、自宅から遠くない場所。営業以外にも事務や受電業務に興味があります。
丸尾： 避けたい職場はありますか？
Aさん： アルバイト中心で回っている飲食店などは避けたいです。カラオケ時代の経験から、責任感のない環境はしんどくて。
丸尾： 今回の活動で、特に得た気づきは？
Aさん： 職務経歴書の大切さに気づきました。自分の経歴をどう言語化するか、かなり甘かったなと反省しています。

今、キャリアに悩むあなたへ。Aさんからの「問いかけ」

丸尾： 最後に、今キャリアに悩んでいる20代へ何か伝えるとしたら？
Aさん： 「本当にそれでいいの？」って、一度立ち止まって自分に問いかけてほしいです。誰かに言われたままじゃなくて、自分の意思で選んでほしい。職務経歴書も、ちゃんと自分の言葉で書いてみてください。僕はそれに気づくまで遠回りしてしまったので。

編集後記

Aさんの話は、まさに“ふわっと始まった転職”のリアルな記録でした。焦りや疲れ、誰かに委ねてしまった判断。その一つひとつが今のAさんを作っていて、そこから「大切にしたいこと」を少しずつ見つけようとしている姿に、きっと多くの読者が自分を重ねるのではないでしょうか。
「とりあえず」で進めたキャリアも、その過程で得た経験や気づきがあれば、次は「納得感のある一歩」に変えられるはず。
Aさんの言葉が、今キャリアに迷うあなたにとって、小さな問いかけになることを願っています。