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こんなときだからこそ「会う」「話す」という営業の基礎を大事に。

当社の建築設備機材部で、50年続くネミーの創業メンバー!「レジェンド(伝説)」と慕われる、功刀憲治(くぬぎ・けんじ)さんにインタビューしました。

御年72歳、その仕事

ーー今日はインタビューに応じていただき、ありがとうございます!いきなりで恐縮なのですが、功刀さんは仕事でどんな役割をされているんですか?

主に設計事務所さんへ訪問して、「ネミーをご入用でしたらお願いします」という挨拶をして回っています。もし、ネミーの製品をつかっていただけることになったら、ネミー社内のしかるべき担当者へつなぐという仕事です。55(歳)のときからだから、20年くらいやっています。

ーー20年!長いですね。ところで、功刀さんはネミーに何年在籍されているんですか?

立ち上げ当初からいます。初代の社長と2人で立ち上げたんです。

ーー創業メンバー!まさにレジェンド的な存在ですね。色々な経験をされたのではないでしょうか。

そうですね。ネミーというか、製造業の体質みたいなものは結構今と違いますね。一言でいうと、人間関係が濃かったです。取引のない会社に訪問したときに、持って行ったカタログを目の前で破り捨てられたりしましたね。でも、それから粘り強く訪問を続けて、継続的に取引をしてくれるようになりました。

ーー今ではあまり考えられないですね。

それと、ネミーの主力製品「防振架台」を納品しにいったら、現場の基礎の打ち方が間違っていたことがありました。お客様の会社の所長さんが出てきて、「それでもいいから、とにかく防振架台を置いて!」と強く言われたんですが、「そんなことをしたら、防振架台もろともその上の空調機が歪む。だから納品できない!」と突っぱねたんですね。

そうしたら、「そんな風に私に向かってくるのは20年ぶりだ」と言われました。20年ぶりだろうがなんだろうが、お客様の大事な物が壊れるのをみすみす見逃すなんてできないです。

結局、必要最低限の対応を現場で行うことで済ませることができました。「雨降って地固まる」ではないですが、それからその所長さんと一緒に飲むくらい仲が良くなりました(笑)

ーードラマみたいですね!


濃い人間関係とは?

ーーところで、功刀さんの考える「濃い人間関係」とは、具体的にはどのようなものでしょうか。

「直接会う・話す」ということだと思います。今も昔も大事なことだと思います。

ーー今は、特に新型コロナウイルスの影響で、「リモートワーク」「チャット」など、現実に会ったり言葉を交わさないやりとりが注目されつつありますが......。

もちろん、それも大事だと思います。私もメールなどは使っていますし。ただ、急ぎのお客様は、カタログを見ながら直接電話をかけてきますね。そこで「ホームページ見てください」とは言えないですよね。

ーーたしかに、ワンクリックで注文できたりせず、「まずはこのフォームに入力してお送りください」といったページだと「......面倒くさい。もういい」と思ったりしますね。

それと、同じような製品で価格も同じだったら、気分のいいところで買うものじゃないですか。ただ単に、ボタンをポチポチして製品が来るだけだとちょっと寂しい。「いつも楽しく話をしているあの人がいる会社に頼もう」と思うものではないでしょうか。

ーーそういえば、ネミーでは営業事務スタッフが営業スタッフをサポートして、お客様と密にやりとりをしていますね。

そうそう!とてもお客様の評判が良いんです!何より、営業事務スタッフの人たち自身が楽しそうにお客様とお話をしているのがいいのかもしれないですね。



10年に1度の危機を何度も乗り越える秘訣とは?

ーー50年のネミーの歴史と共に歩んできた功刀さんとしては、これまでいくつか大変な局面を乗り切って来たのではないでしょうか。

だいたい10年に1回は来ますね。今だとコロナ。阪神・淡路大震災、東日本大震災、リーマンショック。もっと昔だと1970年代のオイルショックもありましたね。

ーーそのたびごとに、ネミーは困難な局面を乗り切っています。その秘訣はいったい何なんでしょうか?

簡単なことです。とにかく「会う」「話す」。これだけです。今(2020年7月)は、新型コロナウイルスの影響がひと段落していますが、おそらく来年・再来年と景気は悪くなります。そのときに、いかに「会う」「話す」を粘り強くやり続けられるかが不景気に勝つか負けるかの分かれ目だと思います。ネミーには「防振ゴム」という、ゴム1枚だけの製品がありますが、「防振ゴム1枚のお客様も大切に」とは、草創期から肝に銘じています。


ーー現社長の根上も、「こんなときだからこそコミュニケーションを取ろう」と社員全員に伝えています。

景気のいいときは、メールだけポーン!でいいのかもしれません。不景気になると、お客様も私たちもお互い不安になります。多少二度手間だとしても、メールを送ったら少なくとも電話くらいはしてちょっと話す。メールなどのネット上のやりとりだけでは分からない細かい表情が伝わるんです。

ーーただ、「会う」「話す」ときに、何をすればいいのか分からないという人もいますね。

そんなときは、相手の趣味に注目するんです。趣味の話は、相手はたいてい得意になって「聞いて聞いて!」と話してきます。営業は、相手のニーズをつかむためにとにかく相手に話をしてもらうことが大切だと思っています。

今や大口のお客様になったある会社さんの話ですが、最初はまったく取り合ってくれなかったんです。それが、お客様の部長がイタリアのカンツォーネ(歌曲)が趣味だと聞いて、それから2ヶ月みっちり勉強して、「●●さん、カンツォーネがお好きなんですよね?」と話しかける。それがきっかけで、その部長さんからちょくちょく銀巴里(ギンパリ)というシャンソン喫茶に誘ってくれるようになって、たくさん発注をいただけるようになりました。

ーー(その会社名を聞き)ああ!今でもたくさん取引いただいている、あの会社ですね!そのときの2か月間の勉強が、今の取引につながっているんですね。

それから、余談ですがまだ立ち上げ当初、当時の社長と私がなかなか事務所にいられなくなって、電話番をお願いした女性がいたんです。それが、どういう伝手(つて)をたどってか知りませんが、銀座のクラブのホステスで(笑)

ーー接客業のプロ、電話番としてうってつけですね(笑)

それが、合間にちょくちょく「今晩おひまだったら来てくださらない?」と自分のお客様に営業電話をかけていまして(笑) その間はネミーにかけても通話中でつながらなかったなんてこともありました。

ーーある意味営業熱心な方だったのですね。


ニーズを引き出す「営業の基礎」は今も昔も変わらない

ーー営業の基礎は「会う」「話す」。そのためには、「聞く」ことが一番大事。50年営業畑で活躍された重みを感じます。

こちらからたくさんしゃべっても相手は聞いてくれないんですよね。だから、私はまずカタログを持って、とにかく置いてくるんです。そして、すこし日を置いて「先日お伺いしたネミーですけれども、いかがですか?」と電話をする。たいていの場合はまだ取引にはつながりません。

ただ、仕事以外の、それこそ趣味の話などもしながら関係をつなげ続けていると、ある日「ちょっと聞きたいのですが」「ちょっと相談があるから来て欲しい」という連絡が来るんです。

ーーニーズが生まれる瞬間ですね。

ネットショップでの買い物のような1回限りの関係ではなく、継続的にお付き合いいただくためには、こうした地道なことを続けていくのが大事だと思います。今、ネミーはたくさんのお客様とつながることができていますが、おそらくこれからも、新しいお客様と「会って」「話して」つながっていくことが、会社の活動の土台になっていくんじゃないでしょうか。

ーーありがとうございました!私も、できるだけ血の通った濃いコミュニケーションを心がけていきたいと思います!

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