こんにちは。株式会社トレスアルコン 丸川です。
前回「ホワイトハッカーを目指している」という話をしました。
あれから約半年。現在私が取り組んでいることは「セキュリティラボにマルウェア解析AIを組み込む」というものです。
ホワイトハッカーというゴールは変わっていません。
「目指している」から「実際に手を動かしている」に進んでいます。
なぜ講習会をいくつも回ることにしたか
7月から外部セミナーに参加するようになりました。
理由は単純です。セキュリティの世界は情報の更新スピードがとても速い。
しかも専門的な内容になればなるほど情報源が英語になっていく。
読めないわけではありませんが、やっぱりとっつきにくいです。
ひとつの記事や一冊の本だけではなく、色々な情報を横断的に集めて自分の中で答え合わせをしたい。そう思ってあちこちのセミナーに足を運ぶようになりました。
マルウェアの「挙動」が面白い
セキュリティといっても分野はたくさんあります。その中で「マルウェア解析」を選んだのは単純にマルウェアの挙動そのものが面白いと思ったからです。
コードを書いた人が何を意図していたのか読み取っていく。
前回の記事で「ログの中から不審な動きを追いかけるのがパズルみたいで面白い」と話しましたが、感覚としては地続きです。
相手が仕掛けた仕組みを一行ずつ解きほぐしていく。そこに面白さを感じます。
なぜ「ローカル」でAIを動かすのか
セキュリティラボに組み込みたいと考えているのはクラウドのAIサービスではなく、外部に出さずに手元で完結できるAI環境です。
理由はセキュリティリスクの低減です。
解析対象はマルウェア、つまり悪意のあるコードそのものです。
それを外部のサービスに投げるという行為自体にリスクが伴う。
だから自分たちの管理下で動かせる環境である必要がありました。
個人検証ではMinisforum型PCを使用しています。勉強ついでに自作PCを...と思いましたが各パーツの値上がりもあり、いったん見送りました。
AIモデルの候補は「Dolphin」でパラメータ数は 8B か 12B あたりを想定しています。
色々調整しながら選定中ですが、これをゆくゆくはセキュリティラボの中核に育てていきたいと考えています。
マルウェア解析×AIで何が変わるのか
一番の狙いは「時間の短縮」、つまりタイパです。
マルウェアは様々なプログラム言語で書かれています。
プログラム言語が変わるたびに読み方を切り替えると認知負荷・時間がかかる。
これではタイパが悪い。
読み解く部分をAIに肩代わりしてもらえれば、認知負荷・時間を減らせる。
本来やりたい「挙動を解析する思考時間」そのものを増やせます。
読むための時間を減らし、考えるための時間を増やすというイメージです。
つまずいた場所とすんなりいけた場所
参加したセミナーで出てきた内容で言うとAWS系はほぼ触ったことがなかったので苦労しました。少しでも触ったことがあれば違ったかな?と今は思います。
一方でログ分析・イベント分析・IDS・IPSといった領域は実務でずっと触れてきた部分なので苦労はありませんでした。WAFも元々業務で使っていたのですんなり理解できました。
普段の業務で身についている感覚、例えば「アラートが出た時どこの何を見ればいいかを素早く判断する」といったものはこの学習でもそのまま活きています。
未経験から学ぶ人であればその都度調べなければいけない部分を近道できている実感があります。本業と今回の学習は思っていた以上につながっていました。
会社の支援とこれから
資格取得の支援制度は今回も活用しています。
CompTIA CySA+を受けたいと話したら「いいじゃん頑張ってよ!」と言われています。
ここは以前から変わっていません。
セキュリティラボが形になったら「AIとセキュリティが絡む仕事」にもっと踏み込んでいきたいと思っています。自社サービスへの展開もそうですし、各ベンダーが手を回しきれていない領域に入っていけたら理想的です。
「ホワイトハッカーになる」というゴールにどれくらい近づいたかと聞かれたら以前より20%くらい進んだ感覚です。ただ同時に対象範囲の広さにも驚かされました。
今はChatGPT・Claude(Enterprise)を補助脳として使いながら自分が担当する範囲・作業の負荷を減らして前に進んでいます。
「目指している」と言い続けるだけでなく少しずつ手を動かしている——今回報告できるのはそういう話です。
「攻め込まれる前提で守る」考え方には実はもう少し詳しい呼び方があります。
次回はこの発想をもう一段掘り下げてみようと思います。