※この記事は20223年9月に公開した以下noteの引用です。
こんにちは、LOCKER ROOMでWEBTOONプロデューサーをしております、堆朱です。
LOCKER ROOMはWEBTOONの制作・出版をおこなっておりますが、作品は基本的に全てオリジナル作品で、社内で企画開発から行っています。
たまに、WEBTOONの企画ってどうやって出してるの?と聞かれることがありますので、今日はLOCKER ROOMの企画会議についてお伝えしようと思います。
LOCKER ROOMの企画会議はここ1年でやり方を変えておりますので、それぞれお話ししていこうと思います。
立ち上げ期 「1枚企画書 毎週会議」
若干1年前になりますが、LOCKER ROOMには企画会議というものは存在せず、制作が走るタイミングで都度企画を考えていました。
が、企画を考える会社として、もっと企画を考える力をつけておいた方がいい、都度考えるとなると期間によって業務量が変化してしまう、そのタイミングで良い企画が出ない可能性がある、などの理由から、定期で企画会議を実施しようということになりました。
「思い付いたらすぐ書こう」をキャッチコピーに、スライド1枚の企画書を持ってきてもらい、毎週1時間の企画会議の中で発表してもらいました。
WEBTOON制作に関わるメンバーは2企画以上、そのほかのメンバーは1企画以上で、社内全員を巻き込んで全員に無理矢理にでも企画を考えてもらっていました(笑)もちろん代表も副代表も、です。(副代表なんて主にバックオフィスメインだったのに…)
今数えてみたら、半年強続けて200企画近く集まっていました。だいたい週に10企画程度は出していたみたいです… 本当に後半しんどかった…
この時の企画会議は、うちの代表が企画判定者となり、いいねと言われるとスライドにハートマーク💖が付き、仮採用となります。ハートがつかない週は落ち込むので、数打ち当たれと4-5企画くらい持ってく時もありました。
実際にこの1枚企画書から制作が開始した作品もいくつかあります!
が、1枚企画書始まりだと、実際にストーリーを作る際に「うーん、なんか面白くならんな。」と、企画を広げる段階で筆が止まる場合も多くて、第二期企画会議へと進化を遂げます。
第二期 「ガチ企画書 隔週会議」
(ガチ企画書という名前は今適当に決めました)
ここ2-3ヶ月は、参加者をWEBTOONプロデューサーのみにし、頻度は隔週にしました。理由は2つあります。
①週1の頻度だと、とにかく出さなきゃが先行して熟考した企画出づらい
②既存企画のフィードバックの時間をとりたかったが、もう1時間会議を増やしたくない
ちょうど6月に会社の四半期振り返りをしていたのですが、その際に「最近の企画採用率が低い」「そもそも最近出る企画がいまいち」など、全員が同じ課題感を感じていました。課題を解決するために、以下2点を変更します。
①頻度
毎週毎週企画会議をやっていたのですが、いずれネタは尽きます。特に、1枚企画書のような企画立案のやり方だと、『発想』が重視される企画になりがちです。つまり、思いつくかどうかになり、いずれ思いつきづらくなってしまうんです。(思いつきが止まらない人もいると思いますが…)
数ヶ月企画会議をして、思いつき企画のデメリットなどもあらわになりました。前述した、「なんかいいと思ったんだけど、微妙かも。」ということが多かったのです。1枚企画書で良さが伝わるものはインパクト重視の企画も多く、ストーリーが詰められない〜と泣きながら没にすることもしばしば…
わかりやすくいうと、量より質にシフトしました。企画を出す時にちゃんと考えて、ある程度理論立てて企画プレゼンをできるくらいまで固めてきてから持ってこよう、となり、参加者も実際に制作を仕切るプロデューサーのみにしました。
②既存企画のFB
企画会議を始めた時に比べ、制作が走り始めているタイトルが増えました。WEBTOON制作はチームではあるものの、基本的に1タイトルにつき1プロデューサーがつき、社内で同じタイトルを張り付きで見ている人はいないことがほとんどです。
ですが、LOCKER ROOMとしては、社内全体で企画力・制作力を高めていくことを大事にしたかったので、それぞれの企画についてお互いに意見を言う・聞く機会が定期で欲しいねと、こちらも四半期振り返りで意見が出ました。
ただ、定期的なMTGをこれ以上増やすのもな…(会議増やしすぎあるある)と思ったため、企画会議と企画フィードバック会を隔週で行おうということになりました。
ということで、現在は隔週でプロデューサー渾身の企画を1企画以上持ってくる、という形式で企画会議を実施しています。
企画書フォーマットなどは決まっていないのですが、だいたいどのプロデューサーも
・市場説明
・企画背景
・企画概要
・ベンチマーク作品
・あらすじ
・作品の魅力
あたりを持ってきてもらい、良いね!となったら次の会議までにフィードバックを反映させ、主人公設定やあらすじを膨らませて、合計2回でだいたいスライド15-20ページくらいの企画書に仕上げます。(ここまで行くと制作するしないの判断ができる初期段階に来ます。)
また、ジャンルも全く指定がなかったところから、指定するようになりました。「恋愛」「BL」といった幅広めのお題を出す時もありますし「深夜ドラマの原作になりそうなコメディもの」くらい狭めたお題で出すこともあります。
これにより、お題に当てはまるよう既存作品を分析し、どのような作品が人気なのか、外せない重要要素は何か、などを把握した上で自分のエッセンスを乗せる、という企画考案の方法に変わり、前みたいに「何もないところから思いつくのを待つ」ということも無くなりました。
とはいえ、企画を出すことは相変わらずしんどいので、これは永遠について回るのだと実感しています。ほんと、毎週企画会議の前日はプロデューサーがデスクでヒーヒー嘆いています。
原作企画開発会社として
作品を企画し制作する会社としてLOCKER ROOMでは、企画会議を含めたいろいろな取り組みを実施しています。
上記の「企画会議」や「企画FB会」に加え、脚本の基礎力を高める「シナリオレッスン」や、人気作品を分析する「WEBTOON分析会」、アートディレクター主催の「作画分析会」などなど、どれも最低月1のペースで実施しています。
シナリオレッスンについては、noteでの発信もしていますので、ぜひ覗いてみてください!
もうお分かりかもしれないのですが、通常業務に加えてインプットやアウトプットをするタイミングが、山ほどありますね。笑
隔週で企画を考え、月1で映画を見て分析し、並行して数百話ある有名WEBTOON作品を読んで分析し… 脳を働かせながらエンタメを消化する毎日です。
WEBTOONのプロデューサー、編集者としてインプットとアウトプットを重ねながら原作開発をしてみたいという方は、ぜひご応募ください。
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