1. 「就職しない」という選択肢に、吹き荒れた“無理解”の風
聞き手:野村さん、本日はありがとうございます。まずは大学時代から、既にフリーランスとしてキャリアをスタートされていたとお聞きしました。
野村:こちらこそ、ありがとうございます。そうですね、大学3年生の11月には、IT系商材を扱う営業代理店で主に営業・CSとして動いていました。学生のうちから社会に出るという点では先を行ってたように見えるかもしれませんが、実際はかなり風当たりが強かったです。
聞き手:風当たり、ですか?
野村:正直、「まともな社会人になれない」とか「危なっかしい生き方だ」とか、偏見まじりのことをたくさん言われました。学生同士でも、距離を取られるような空気があって。でも、僕はブレなかった。というより、ブレる理由がなかったんです。誰かに言われてやってるわけじゃなく、自分で選んだ道だったから。
2. 「変えたかったら、まず自分が変える」——商材、販路、戦略すべてを見直した20代前半
聞き手:当時は代理店として活動されていたとのことですが、課題も多かったのでは?
野村:めちゃくちゃありました。正直、商材もサービスも完璧とは言えなかった。販路や営業のやり方も、時代に合っていなかった部分が多かったと思います。でも、それを「この会社が悪い」とか「上がなんとかすべきだ」とは思わなかった。
聞き手:それはなぜ?
野村:ビジネスって、結局“自分でより良くしていくもの”だと思ってるからです。環境を変えてもらうことを期待するのではなく、自分が構造を変える。だから、僕は戦略ごと一度全部見直しました。商材の選定、提案のロジック、契約後のフォロー体制、すべて自分で再設計しました。
3. 「働き方改革」? 僕の20代前半は“戦場”でした
聞き手:当時の働き方って、かなりハードだったんじゃないですか?
野村:笑えるくらいハードでしたよ。朝8時から深夜1時まで、アポもCSも事務も全部1人でやってました。1日も休まず、休憩もほぼなし。今でいう“ワークライフバランス”とは真逆の生き方ですね。でも、それが必要だったんです。覚悟を問われる時期だった。
聞き手:その覚悟が、チーム拡大にも繋がった?
野村:はい。覚悟って、伝播するんですよ。数字よりも、熱量。だから、気づけば一緒に動く仲間が増えて、最終的に500人規模の組織になりました。
4. 孤独、誤解、そして信頼。誰にも見えない“戦い”を続けていた
聞き手:多くの人に囲まれるようになっても、孤独はありましたか?
野村:むしろ、孤独の本番はそこからでしたね。責任が乗っかってくる分、相談できないことも増える。上手くいけば感謝されるけど、失敗すれば全部自分の責任。でも、そこを逃げずに受け止めてこれたのは、あの“誰にも期待されてなかった時期”に、自分と向き合えたからだと思ってます。
聞き手:その経験が、今のマネジメントにも繋がっている?
野村:間違いなく繋がってます。今ついてきてくれている仲間には、僕が経験したような“痛み”は味わわせたくない。だからこそ、同じように“気合い”だけで戦わせるようなチームづくりはしてません。仕組みで守る。これが今のテーマです。
5. 「ビジネスは信頼」——インフルエンサー業からHRへ
聞き手:2024年にはA-mindを創業し、現在は役員として複数事業を回されていますね。
野村:そうですね。広告代理、SNS運用代行、インフルエンサーマネジメントなど、多角的に展開しています。その中で、フリーランスの人やインフルエンサーが「次のキャリアに迷っている」という相談を多く受けるようになってきて。
聞き手:それがHR領域への関心に繋がっていった?
野村:はい。結局、働き方が多様化しても、“人が迷う本質”は変わらないなって思ったんです。だからこそ、個人が自分の人生を主体的に選ぶための“伴走”をしたいと思った。利益じゃなく、信頼が第一。そういう人材紹介を作りたい。
6. 「やりたい時に、やりたい人と」——自由と責任を背負って生きる
聞き手:野村さんが目指している生き方を、あらためて言語化すると?
野村:シンプルに言えば、「やりたいことを、やりたい時に、やりたい人と、やりたい場所でやる」っていう生き方です。これを実現するには、自由だけじゃダメで、責任もセットで背負う覚悟がいる。
聞き手:最後に、これからキャリアを築く若い人たちへ、一言お願いします。
野村:誰にも期待されない時間こそ、自分の“芯”を育てる時期だと思う。人の価値観に飲み込まれるな。自分の“OS”を信じて動けば、道は絶対に開ける。僕がそれを証明していくので、もし迷ったら、僕らを頼ってください。
7. 「どんな人でも、1000万を目指せる会社にしたい」——A-mindという“マインド”の器
聞き手:今、野村さんが携わっているA-mindという会社についてもお聞きしたいです。どういった想いで組織づくりをされているのでしょうか?
野村:僕は明治大学というそれなりの大学を出て、これまである程度の実績も積んできました。でも、正直言うと——そんな肩書き、今の収入には一切関係ありません。学歴がなくても、スキルがゼロでも、全然問題ない。どんな人でも年収1000万円を目指せる環境を作る。僕がA-mindという会社に込めているのは、そういう想いです。
聞き手:すごく率直なメッセージですね。
野村:はい。僕が一番大切にしているのは“マインド”なんです。だから社名にも「マインド」を入れてるんですよ。A-mindの“エー”は、常にトップであろうとする精神の象徴。能力よりも姿勢、学歴よりも本気。それが会社の根幹になってます。
聞き手:実際に、どんな人に応募してきてほしいと思いますか?
野村:例えば、「今の職場で力を持て余してる」とか、「自分の可能性を信じたいけど、何をすればいいかわからない」とか、あるいは「人生がなんとなく退屈に感じてる」。そういう人って、実は本質的には“動きたい人”なんですよ。だったら、そのエネルギーをA-mindにぶつけてほしい。若いうちに、熱を持って、経験を重ねることの価値は想像以上です。
聞き手:その覚悟に対して、A-mindはどう向き合ってくれるのでしょう?
野村:僕自身、採用にも深く関わっています。なので「適当にフィルターを通す」なんてことは絶対にしない。本気で向き合いたいと思ってます。その人の強みを見つけて、どう活かせるかを一緒に考える。それが僕らの採用のスタンスです。
【編集後記】
野村亮太という男のキャリアは、「逆境」と「無理解」から始まった。だが、どんな偏見にもブレることなく、構造から自分の道を作り出してきた彼は、今や数百人を動かす組織の舵を握りながらも、1人ひとりの“働く意味”に向き合っている。自由を得るとは、責任を愛すること。その背中には、令和を生きる若者たちの“新しい選択”のヒントが刻まれていた。