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【社員インタビュー】「造船の営業ってどんなことをするの?」顧客と長い関係を築く造船の営業とは

営業職として活躍する先輩社員にインタビュー。

中途入社3年目の梅津智行さん(38歳)に話を聞きました。

小さい船のほうが面白いじゃないか

――前職はどのようなことをされていたのでしょうか。

艤装品のメーカーで3年ほど営業職をしていました。造船所に出入りしているうちに、船そのものをつくっている会社に入りたいと思ったのです。それ以前は特殊鋼の卸問屋に勤務していて、そこでも造船所と関わりはありました。父親は外航船の船長をしていましたし、船に関わる仕事には、ずっと馴染みがあったんですね。

――本瓦造船を選ばれた理由は?

年間の建造隻数が多いこと。そして国内向けに船を手がけていること。自宅から通える地元企業ということも大きかったですね。ネットであらためて情報収集して、規模は小さいけれど、この会社が良いなと思いました。

――造船業界を知っていたわけですが、小型特殊船をつくっている会社ということについては、どのように感じましたか。

大きい船も、小さい船も、つくるうえでは同じ。搭載するものも一緒。同じ数の装備をどうやって載せるか。むしろ小さい船のほうが難しくて工夫が必要です。そこが面白いじゃないかと。

――受注して終わり、の営業ではないですね。

受注してからのほうが、やることがたくさんあります。船は安い買い物ではありません。新しい船に乗り換える目安はおよそ20年〜30年ですが、古い船を修理して延命したり、中古船を選んだりすることもできます。そういう選択肢もあるなかで、新しい船をつくろうと決めたお客様からご注文をいただきます。何を積むための船なのか。どういう仕様にしなければいけないのか。お話をうかがうことが最初の仕事になります。そして受注したあと、完成するまでの2~3年の間に、仕様の変更がないことはあり得ません。当初の見積もりのまま完成することはなく、むしろ受注したあとに、お客様の要望がたくさん出てくることが当たり前です。

――その要望を反映させながら、船づくりをしていく。そういう仕事だと。

お客様のご要望をまとめて、設計部門に渡します。そして社内の設計担当者と「ここに、こういう修正が入りました」と、たびたび打ち合わせします。

――主にどういう船を手がけることが多いのでしょうか。

私はケミカルタンカー、塩酸などを運ぶ特タン船(=特殊タンク船)を中心に手がけています。



大手の造船所からお客様を紹介される

――お客様と設計技術者の間に入って、窓口の役割を果たすわけですね。専門知識も必要になるでしょうし、慣れるのが大変な仕事だと感じますが。

こういうものを積んで運ぶ船には、こういう装備が必要。乗組員は何人までか。船舶法などを勉強することが必要です。お客様とやりとりしながら覚えていくことが多くあり、仕様書をつくりながら、学んで理解し、修正点を反映させていきます。工場に常駐している現場監督にも会いに行きます。同時進行で常に3隻ほど担当していますし、大変といえば大変。難しいことばかりですが、そこが面白いところです。

――設計部門や製造の現場とスムーズに連携するために、工夫していることはありますか?

現場への要望を、どうやって端的に伝えて、社内に展開していくか。仕様書を見てもらうだけでは通じないことがたくさんありますので。社内向けの連絡用紙はフルに活用。どうやったら誤解なく、シンプルに理解してもらえるか。いつも頭を悩ませながら書いています。キックオフミーティングをはじめ、ミーティングの場を設定して、そこでも、できるだけスムーズに、正確に伝わる話し方を意識して、工夫しています。お客様とのやりとりなどを、だらだらと説明しても、聞いているほうは理解できません。文章力やプレゼンスキルが必要です。いろいろ考えながらやっています。

――梅津さんが考える、本瓦造船の営業職として活躍できるタイプは?

勉強熱心であること。意欲的に覚えて、知らないことをわかろうとする積極性がある人ですね。企画力や提案力があるにこしたことはないでしょうが、それ以上に、仕事と並行して、見積もりをとりながら、その過程で学んでいくような姿勢があれば良いと思います。職種を限定せず、会社全体を見渡すと、先輩には機械好き、乗り物好きの人が多いです。

――造船業界の経験があれば、即戦力になれるでしょうか?

大手の造船所からの引き合いで、造船所の船舶を建造することもあります。それは仕様や構造が複雑な特殊小型船を社内一貫生産で手がけていて、大手にはない技術力を持っている会社だからこそ。経験があれば、仕事に慣れるのはスムーズでしょうが、携わるのはそれ以上のレベルの業務。知識や経験が活かせるだけでなく、さらにスキルアップすることができると思います。



図面からは読み取れないことも

――入社してから今までの約3年で、一番印象に残っていることは何でしょうか。

船がほぼ完成するというところで、操舵室前のデッキをすべて取り払う、大幅な仕様変更をしたことですね。建造監督からの指摘で船に乗って見渡してみると、取り付けたベランダが視界を遮り、航行の妨げになってしまっていたのです。図面からは読み取れず、指摘がなければ造る側の視点では気がつかない事象として印象に残っています。

――達成感が得られるのは、進水式を迎えたときなのでしょうか。

いろいろ手直しが入ることもありますので、もうひと息。進水式は「ここからが勝負だ」という感じですね。感慨深いのは、お客様に引き渡して、みんなで桟橋から見送る瞬間。そのときに「無事に終わった」と。達成感と安堵の気持ちが入り混じり、じんわりきます。

――働く環境としては、本瓦造船という会社をどう感じますか。

アットホームな雰囲気というのとは違うと思いますし、厳しさもありますが、働きやすいです。社員一人ひとりの自主性、主体性が認められ、尊重してもらえます。仕事の段取りを自分で組み立てられるので「この仕事はいつまでに終わらせよう」と予定を立てて実行することができます。おかげで残業はほとんどしていません。また福山市が、人口約46.5万人で学校や商業施設などが充実していながら、人口密度が低いのか、交通渋滞も少なく、職住隣接しやすい街だと感じます。住みやすいですよ。

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