こんにちは。インターンのカオリです。
この夏休みは、かなり長い期間お休みをもらいました。
というのも、実は2023年8月にカンボジアへ行ってきたんです!
今回はカンボジアに行った経緯や内容について書かせていただきました。
センキョとは関係のない個人的な話ではあるのですが、政治をテーマにカンボジアに調査へ行ったこともあり、今回こちらに掲載していただくことになりました!
先に言ってしまうと、その中でカンボジアの政情や素晴らしさに気づき、「解像度」を上げて旅行することの重要性を知ったというお話です。
自分の価値観が揺さぶられるような旅でもあったため、ぜひ最後まで読んでみてください!
きっかけ
現在お茶の水女子大学3年の私は、センキョでインターン生として記事執筆を行いながら、大学でジェンダーについて学びを深めています。
詳しい自己紹介はこちら:
【インターン】ジェンダーを学ぶ私が政治の会社「センキョ」に来たワケ | 入社エントリ
大学生活にも慣れてきた2年前期、私は3月にイギリスに行った経験が忘れられず、海外に興味を持つようになっていました。
大学では海外に行く授業も提供されており、それで再び海外に行けないものかと考えていた頃です。
大学の掲示板に、カンボジア渡航者を募集する旨が書かれていました。
初めてカンボジアに行った時の思い出
カンボジアは、個人的に思い出深い国でした。
中学生のとき、母が突然「家族でカンボジアに行きたい」と伝えてきたことがあります。
アンコールワットなど遺跡が多く残るカンボジアで、観光を楽しみたいとのことでした。
正直、中学生の私にその気持ちは全くわかりませんでした。
パスポートも持ったことがありません。
初めての海外旅行がカンボジアになるなんて、当時は信じられませんでした。
ツアーに申し込み、家族のカンボジア旅行計画は着々と進んでいきました。
よくわからない感情のまま、ついに私はパスポートを握りしめて飛び立ちます。
しかし、カンボジアでは毎日遺跡を巡るばかりで、正直退屈すぎる旅程でした。
本当に楽しくなくて、帰ってくる頃には、カンボジアは二度と行きたくない国になっていました。
2度目のカンボジアへ
高校生になった私は、授業でカンボジアの歴史や地理について学ぶ機会がありました。
その中で、カンボジアには暗い過去があり、私が何気なく見ていた遺跡や場所には学ぶべきことが散りばめられていたことに気づきます。
「もう一度カンボジアに行きたい」
「知識を有した状態でもう一度捉え直したい」
そう思うようになりました。
そんな思いを抱えたまま大学生になった私は、大学の掲示板をきっかけにカンボジアでフィールドワークを行う授業があることを知ります。
このチャンスを逃すわけにはいかない!!
そう思った私は、すぐに授業の履修を決め、残りのメンバー5人と担当の先生方2人とともに、カンボジアでのフィールドワークに向けて準備を行っていきました。
事前準備
カンボジアへ行く前に、私たちは個人で調査テーマを設定することになりました。
私は大学でジェンダー学を学んでおり、当時は特に政治におけるジェンダー問題に興味を持っています。
また、センキョでインターンを行うようになったこともあり、政治への関心は高まっていました!
調べてみると、カンボジアの政治における女性の活躍度も決して高いものではありませんでした。そこで私は、カンボジアの政治と関連したテーマを設定します。
そしてこのテーマについて、先行文献を調べて知識をつけた上で、カンボジアへと飛び立ちました。
カンボジアの政治
カンボジアを訪れてみて、自分自身の前提が大きく崩れたことには驚きを隠せませんでした。
カンボジアの政情について事前に調べていたつもりではありました。
しかし、肌で感じる空気は想像をはるかに超えるものです。
カンボジアの政情について説明すると、1998年以降フン・セン元首相が長く実権を握り続けて、2023年8月以降は息子であるフン・マネット首相がその座を継いでいるそうです(外務省 2024)。
選挙などは行われていますが、フン・セン元首相は野党を排除するなど、ほぼ独裁の政権を築いてきました。
参考: 初鹿野直美(2018)「2017年のカンボジア 最大野党のカンボジア救国党解党」『アジア動向年報』vol.2018, pp.245-264.
外務省(2024)「カンボジア王国 基礎データ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/cambodia/data.html(2024/04/19最終アクセス).
現地では、至るところに与党の看板が置かれていました。
同様のものは他の国にも存在するでしょう。
しかし、印象的なのは、「他の党の看板は一切見られなかったこと」と、「都市部や農村部に関わらず本当に多くの場所に看板が設置されていること」です。
調査の中でも、インタビューの相手が政治についての発言を躊躇している様子が見られました。
それは、本音を言うことで自分の身に何が起きるのかを気にしているからでしょう。
私から見たカンボジアは、表現の自由が制限された独裁国家に近いものがありました。
帰国した今も、私はそのことを忘れられそうにありません。
自分が生活している国の政治は、自分の生死に直結すること。
自らの政治への関わり方が、国の将来を決めること。
政治がいかに重要なものであるか、ひしひしと肌で感じました。
一方で、女性活躍の面では日本より高い水準にあることもわかりました。
WORLD ECONOMIC FORUM(2023)の世界におけるジェンダーギャップ指数ランキングによると、146ケ国中カンボジアは92位、日本は125位となっており、日本よりジェンダー平等に近いとされています。
政治分野に絞ってもカンボジアは115位で、日本の138位よりも高くなっています。
参考: WORLD ECONOMIC FORUM (2023)“Global Gender Gap Report2023”
https://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2023.pdf (2024/04/19最終アクセス).
決して順位は高くないですが、カンボジアでは日本より女性が活躍しやすい環境が整えられていることは、現地の調査からも感じられました。
変化した見方
政治以外にも、印象に残るものは多くありました。
例えば、カンボジアに残る数々の遺産です。
世界遺産であるアンコールワットには中学生の時も訪れており、今回は2回目でした。
「前回見たけど、まあ綺麗って感じだったな。人生で2回も見る必要あるのかな・・・?」
そう思いながら向かった私は、自分の態度を心から悔やむことになります。
目の前に広がる景色は、息を呑むものでした。
また、遺跡が見せてくれるカンボジアの歴史にも圧倒させられます。
教科書で見た景色、教科書で学んだ歴史を改めて体感するその時間は、想像以上にワクワクが止まりませんでした!
他にも、忘れられないものがあります。
それは、ポルポトによる虐殺や内戦の跡です。
以前訪れた際、中学生だったこともありその歴史について何も知らなかった私は、ガイドの方が涙目になり語ってくださった話を、何1つ理解することができませんでした。
今回、改めてお聞きしたカンボジアの暗い過去、
想像を絶する現実に、しばらく動けないほど動揺してしまいました。
「カンボジアの過去やその延長線上にある今と、私はどうやって向き合えるだろうか。」
あの日自分の心に問うたことを、今もずっと考えています。
解像度を上げる
今回はカンボジアへの2回目の旅となりましたが、1回目とは全く違う感想を持つことになりました。
「また行きたい、また行かなければならない」
感想が大きく変化した背景には、自分がカンボジアについて勉強し、知識を有したことがあるでしょう。
現地に行く際に、「どれほどその国のことを知っているか」、「目に見えるものの背景をどれくらい考えることができるか」によって、自分が吸収できるものも変わることを実感しました。
中学生の時、カンボジアへの旅行が「楽しくなかった」原因は、間違いなく自分にありました。
旅行が退屈だったことを国のせいにしていた私は、ひどく間違えていました。
一度目の旅行が楽しくなかったのは、自分の解像度や背景を考察する力が足りていなかったからだと、今になってはっきりと自覚しています。
どこかへ足を運ぶ時には、自分でその国への解像度を上げていかなければならないようです。
その国に行く前やそこで生活をする中で、感じるものの奥に一体何があるのか、見極める力を持つこと。
それが、旅を充実させる最大の秘訣なのかもしれません。
今回は、普段と少し毛色の違うことを書かせていただきましたが、いかがでしょうか。
この旅で学んだことは、本当に多くありました。
これからもセンキョでインターンを続けていく中で、自分の解像度を上げながら、感じたことをストーリーにしていきたいと思っています。
これからも私の記事を読んでくださると嬉しいです!