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エンタメ業界にリデザインを仕掛けるセンクシャの、メンバーの素顔に迫るインタビュー連載「センクシャの本音と野望」。
今回はテクニカルマネジメントの前坂勇気。
三重県出身。高校卒業後、職業訓練校を経て自衛隊の航空科へ入隊した肉体派だ。その後、施工管理やグランピング事業に従事し、2024年2月にセンクシャへジョイン。持ち前の体力と前職までに培った知識を活かしつつ、できることの幅を日々広げている真っ最中。
業界の新しい型を実現し、誰でも自分の色を消さずに活き活きと働ける環境をつくりたいと話す前坂。根幹にある思いや、目指している将来の姿とは……その本心に迫る。
▼目次
・東日本大震災をキッカケに、自衛隊から始まった社会人キャリア。
・「楽をしたい」という気持ちが、業務の効率化にもつながっていく。
・些細なことでも”楽しい”と思うために大事なのは、好奇心と探究心を忘れないこと。
東日本大震災をキッカケに、自衛隊から始まった社会人キャリア。
ーー:今までのキャリアを教えてください。
高校を卒業して自衛隊に入隊し、航空科でヘリコプターの整備をしていました。ユーティリティヘリと言って、救助の練習のための実演をしたりする教育支援をする機体です。
元々ものづくりが好きで工業高校に通っていて、最初は普通に就職しようと思っていました。
入隊のキッカケは、在学中に起こった東日本大震災です。
当時三重県に住んでいたので、自衛隊や消防士の活躍をテレビで見て、自分にもなにかできることをしたくなった。そこで高校の先生に直談判して募金活動をしたりして、地元や誰かのために働きたいと思ったんです。自衛隊に入ると適性検査があって、適性の高い部隊に配属されるんです。一応希望も聞かれるんですが、検査の結果が優先される。僕は上官に「どこでも適性があるから、好きなところを選んでいい」と言ってもらえました。
ーー:適性もやる気もあったのに、なぜ他の仕事に就こうと思ったんですか。
昔からの風習、堅苦しいルールが嫌だったからです。昔からこうしていたからとか、俺らはこう教えられてきたからとか。旧き善き習慣ならいいんですけど、旧き悪しき習慣を変えようとしないんです。僕はおかしいことはおかしいとハッキリ言うタイプなので、風当たりが強くなっても「こうした方がいいんじゃないですか」と、言い続けました。
でも、まったく変わりそうもない。
職務内容はめっちゃ好きだったし、適性もあったと思いますけど、この環境で何十年も働くのは無理だなと感じて、転職することにしました。
そのあと、工場の機械や設備をメンテナンスする施工管理の仕事を経て、グランピングの会社に転職するために上京しました。転職のキッカケはコロナ。あの時期、新しい生活を見直す人が多かったと思うんですけど、ちょうどコロナでアウトドア業界が右肩上がりになっていたタイミングだったので、僕も流行っているものとか、自分のしたいことをしてみようって。アウトドア業界の中には老舗で安定している会社もありますけど、勢いがあって、新しく何かをする楽しみを感じられたのがグランピングでした。 自分たちで施設を作って、お客さんが来てくれる。新しく作っていく楽しみがあるかなと。
「楽をしたい」という気持ちが、業務の効率化にもつながっていく。
ーー:センクシャへ入社を決めたキッカケはなんですか。
エンタメ業界に興味があったのはもちろんですけど、まずは名前。「センクシャ」って聞くと、先取りする、これから作り上げていく会社なんだろうなと、第一印象で思いました。
ホームページを開いてみたら「なんかめっちゃ動くやん」みたいな(笑) そこで興味を持ちましたね。
センクシャの業界をリデザインする、常識を覆すという想いが、面白そうだと感じたのが入社を決めた一番大きな理由です。
ここは新しくできそうとか、こうしたら定着率が上がるんじゃないかとか、業界のことが分からないからこそ、新しい視点で今までの経験が活かせるかもしれない。古くてやりづらい習慣や体制を壊して新しい環境を作るのには、すごくやりがいを感じるんです。
こう言うと意欲があるように見えるかもしれないですけど、根本はサボりたい人。できれば人生苦労したくないし、楽して楽しく生きられたらいいなって思ってて。だからこそ、「こうしたら楽だな」というのを常に考えているんです。
今、倉庫でいろんな部材に品名のテープを貼って、誰でもわかるように整理しています。名前が書いてあれば、初めて来たアルバイトさんに都度場所を指示しなくても「同じ名前が貼ってあるところに戻してください」って言えばOKじゃないですか。要は僕が楽したいだけなんです。
ーー:自分が楽になるだけでなく、周りのみんなや会社の効率化にもつながりますね。
誰でもできるかどうかっていうのは、ずっと考えていますね。あと、今行われている作業を、自分の中でどう噛み砕いたら説明できるか、常に考えながら見るようにはしてます。説明できないと協力会社さんにもお願いできないし、新しい人が入ってきても教えられない。
まだ全部の仕事を覚えていない今でも、考えることはできるので、常に教えてもらいながら考えるようにしています。
ーー:入社から4ヶ月、屋内現場も屋外現場も経験しましたよね。
屋内のコンサート現場は、時間内に収めないといけないプレッシャーがすごかったです。僕が行ったのは東京ドームで関わる人の数もすごいし、動きもキビキビしていますし、今までに感じたことがない独特な雰囲気、業界特有の特徴だと感じました。
屋外では、先日現場チーフデビューをしました。まだ施工したことのない場所、施工したことのないものに関しては当然不安はありますけど、やり方の手順さえ分かってしまえば大丈夫そう。デビューの現場では分からないことがあってバタバタしたところもありましたけど、覚えてくれば余裕が出てくると思います。
屋内も屋外も、どっちもできるようになりたいですね。だって、どっちもできた方が絶対楽しいじゃないですか。
せっかくこの業界、この会社に入ったのに、どっちかしかできないのはもったいない。どっちもプロって相当厳しいと思うんですけど、両方とも7割くらいはできて、残りの3割は周りの力を借りて、助けてもらえるくらいにはなりたい。僕はオールマイティが好き。両方できるようになる方が、自分でも満足できると思います。
「◯◯知ってる?」と聞かれたときに「知らない」と答えるのは、ちょっと負けた気分になる。人生の最終目標…というと大げさかもしれないですけど、知らないことをなるべく少なくして、いろんなことを広く深く知りたいんです。
些細なことでも”楽しい”と思うために大事なのは、好奇心と探究心を忘れないこと。
ーー: 野望を教えてください。
所ジョージさんが憧れなんですよね。
趣味に生きて、人生楽しいことをして生活している。もうすぐ70歳なのに、新しいことを「いいね」「面白いね」って肯定して、どんどん取り入れる。物腰も柔らかくて、人格者で。家に友達を呼んでワイワイBBQして、本当に好きなものに囲まれて暮らすのが、めちゃくちゃかっこいいなって。もう、全て憧れなんです。
自分もそういう生き方をするには、好奇心と探求心を忘れないことしかないと思います。些細なことでも楽しいと思えるように。だから、仕事も楽しくやりたいんです。こうした方が良くなる、こうした方が楽しい、と、ポジティブに改善点を探し続ける。所さんも、一見面白くなさそうなもの同士を組み合わせたりして、面白さを探すんです。 その先に何かいいものが生まれたらいいなって。
僕はすごく多趣味なんです。キャンプに始まり、冬はスノーボード、夏はウェイクボード、アクティビティに旅行をくっつけてバイクで色んなところに行って、カメラで綺麗な景色を収める。漫画、アニメ、映画もめちゃくちゃ好きですし、音楽ならボーカロイドとかも聴きます。
新しく何かを始めたり、知らないことを知るのが好き。そういえば小学校の頃、成績表に6年間ずっと「好奇心旺盛」って書かれていたくらい(笑)それが大人になってもずっと続いています。
だから、趣味も増える一方で…。増えれば増えるほど1個1個の密度が減っていくんで、バランスを取るのが難しいのが悩みです。
ーー:どういう人がセンクシャに合っていると思いますか。
ひとつのコンサートやイベントを作り上げるために関わる人がとても多いので、人と接するのが好きな人。
あとはやっぱり好奇心と向上心のある人。
センクシャは、新しく働きやすい環境や風習を作っていくために、試行錯誤している会社。なにかひとつでも、自分がこうありたいという芯を持っている人がいいと思います。
現場を楽しいと思えることは、結構大事だと思います。この人と一緒に現場やると楽しいな、とかでもいい。感動することがないと、やりがいもないですし。
仕事を覚えるまでは当然大変ですけど、みんなでひとつのものを作り上げて、そこで誰かが楽しんでいる様子を見ると、すごく達成感がある。その達成感を味わうと、今までの大変さも感じ方が変わると思います。
シンプルに、楽しいことが好きとか、笑っていたいとか、楽しくいたいと思っている人は向いているかもしれないですね。
ーー:今後の目標を教えてください。
今メインでやっている屋外現場で、これから夏の忙しい時期を超えた時点で「ある程度あいつに任せられるな」というところには行きたいです。本当に0から10までを完璧にやるのはまだ厳しいでしょうけど、立ち上がりの段取りや、やり方はサポートをしてもらって、「細かいとこだけ修正すればOK」くらいのレベルまで、成長できれば。
誰かに仕事が集中してしまうのは、人手が足りないというのもありますけど、”その人しかできないから”っていう状況が理由。だから、そこには僕の責任もあるんです。
僕がもっと仕事ができるようになれば、分担できる。全員がレベルを高めていけば、休みも取りやすくなるし、ひとりひとりの負担も減らせるんじゃないかな。
1年後は、屋内現場も任せてもらえるようになっていたい。”アリーナ規模の現場チーフ”を目標にしたら、たぶんそこまでで止まっちゃうんで、現実の着地はアリーナでも、目標は”ドーム規模の現場チーフ”を目指していきたいですね。