技術だけじゃ、社会は動かない。
届け方を変えるマーケターの挑戦記。
転職やキャリアのステップアップを考えるとき、「自分のスキルが本当に活かせる場所ってどこだろう?」「社会にインパクトを与えられる環境ってあるのかな?」と迷うこと、ありませんか?
理学ボディでは、現場力だけでなく“仕組み”や“言葉”の力で社会に価値を届ける組織づくりを進めています。理学療法士や施術家だけでなく、マーケター・デザイナー・エンジニアなど、異なる視点を持つ“異分子”たちが、互いの強みをリスペクトしながら、未来を形にするチームを創っています。
今回の対談では、理学ボディ代表・木城さんと、マーケターとしてジョインし組織に大きな変化をもたらした下川さんに、
・理学ボディの“もったいなさ”が爆発した出会いの瞬間
・たった1本のLPが6倍の成果を出す
・社内に起きた“空気の転写反応”
・今後目指す、サイエンスベースの未来構想
などなど…熱く語っていただきました!
“異分子”の参画で生まれた、静かだけど確かな変革。この記事を通じて、理学ボディのカルチャーと未来への可能性を感じていただけたら嬉しいです。ぜひ最後までご覧ください。
対談者プロフィール
■ 代表取締役社長「木城 拓也」
高校時代に野球部で活躍するも、怪我で最後の大会に出場できず。「スポーツで悔しい思いをした人を救いたい」という想いから理学療法士を志す。
国家資格取得後、都内のスポーツ整形外科でプロスポーツ選手や箱根駅伝選手を多数担当。イタリアの国際メソッド「Fascial Manipulation(筋膜マニピュレーション)」を修了。
現在は“最短で痛みをなくす整体”をコンセプトに、筋膜施術に特化した「青山筋膜整体 理学ボディ」を創業・経営している。
■ 戦略マーケター・デザイナー「下川修」
化粧品業界でブランド構築からLP制作まで一気通貫で手掛け、業界平均を大きく上回るCV成果を連発。
「価値があるのに届いていない」領域に挑むのが信条で、理学ボディには“技術の塊なのに構造がない”という課題にワクワクして参画。
マーケターでありながらデザイナーでもあり、コンセプト設計・数値解析・UI/UX・ビジュアル制作まで自ら実行するハイブリッド型プレイヤー。
出会い、理学ボディの"転機"は突然に
——お二人の出会い当初のお話を聞かせてください
株式会社理学ボディ代表取締役 木城拓也
整体、ピラティススタジオを計170店舗を経営し、シンガポール、インドネシア、マレーシア、オーストラリアなど海外にも展開中
木城:
僕らの会社、理学ボディは理学療法士を中心に構成されていて、いわば“臨床家集団”でした。現場の技術には自信があるけれど、それをどう届けていくか、という部分ではいつも課題感を感じていたんです。
下川:
最初の面談のとき、それをすごく強く感じましたね。現場のレベルは間違いなく高い。でも、その価値が外に向かって発信されていない。知っている人にとっては“宝”なのに、知らない人には“存在していない”も同然で。そこに、もったいなさを感じました。
木城:
まさにそう。僕らは「いいものは黙っていても伝わる」とどこかで思っていたのかもしれない。でも現実はそうじゃない。そんなタイミングで出会ったのが下川さんでした。面談の段階で「あ、この人は今までうちにいなかったタイプだ」と直感したんです。
下川:
(笑)ありがとうございます。
木城:
いや、本当にそう思いましたよ。何が違ったかというと、“構造”を描ける人だったんですよね。僕らは、臨床の現場の1対1の関係性や技術には長けていても、それを俯瞰してビジネスとしてどう設計していくか、という視点は組織としては弱かった。下川さんは、「どういう順番で、誰に、どんな価値を、どう伝えるか」を言語化し、図にして、戦略に落とし込める。その力が、うちには必要だったんです。
木城:
それともう一つ、「この人、違うな」と感じたエピソードがあって。実は最初の出会いは“社員としての入社希望”という名目の面接だったんですが……明らかに入社する気がなかったんですよ(笑)。
面接の場に、はなから業務委託前提で来た人って、下川さんだけだったんじゃないかな。
下川:
確かに(笑)。懐かしいですね。おっしゃる通り、僕はまったく入社する気がなかったので……課題分析の入社試験も、実はChatGPTに書かせて、5分でパッと仕上げたものをそのまま発表しましたね。
木城:
そうそう! しかも「これChatGPTに書かせました」って、自分で言ってきて(笑)。普通だったら隠すようなところを、逆に堂々と話すあたりも、いい意味で常識を壊してくれる感じがして。僕個人としては、そんな大胆さにもワクワクしました。
化粧品業界で培ったブランディングと言語化力を武器に、
理学ボディの構造改革を牽引する戦略マーケター兼デザイナーの下川修さん
最初に手をつけたのは「対話」だった
——JOINされて最初にやられたことはなんですか?
下川:
代表の木城さんを含む取締役や現場のキーマンの方との対話でした。そこで、浮き彫りになったことが「点では課題や大事な点は抑えられているが線になっていないこと」でした。
その課題をクリアするために、すぐに言語化を進めました。組織の課題や木城さんが感じる経営課題、現場の課題をヒアリングした上で、コンセプトの整理や、カスタマージャーニー、数値の分析などを進めました。
コンセプトを整理するための言語化のメモ
当時作成されたカスタマージャーニーマップ
——そのほかに実行された事例を教えてください
下川:
ほかには、ピラティススタジオ「luluto」のリブランディングを担当しました。まず最初に取り組んだのが、ブランドの“核”となるコンセプトの再構築です。そこが定まることで、ロゴ、看板、撮影ビジュアルなど、すべてのクリエイティブの統一感が生まれました。
一方で、ブランディングと並行して、マーケティング施策も進めました。たとえば、インフルエンサーマーケティングの導入や、新規獲得広告の改善など、売上やCVに直結する施策も同時に走らせていました。ブランドを育てながら、数字も取りにいく設計です。
リブランディング資料
木城:
まずスピード感がいいですよね。
様々並行して進めていただいている過程で印象的だったのが、夜な夜なのミーティングや、月一の“缶詰合宿”。単なる業務整理ではなく、対話を通して自分の中にあったビジョンが徐々に言語化されていく感覚がありました。話すたびに未来の輪郭が明確になっていって、毎回ワクワクしていましたね。
下川:
僕は「ギブ・ギブ・テイク」型の人間でして。
夜でも休日でも、面白い案件であれば全然やります。業務委託だと比較的起きがちな、“リソースが…”とか“時間が…”っていう前に、まず自分が動いて、結果で示す。そこにコミットしないと、チームも周囲も動かないと思っていて。だからこそ、最初に動くこと、やって見せることを大事にしています。
木城:
その精神は経営者からするとありがたいですね。
そんな下川さんのマインドが社内にいい形で伝播することを密かに楽しみにしています。
たった1本のLPが6倍の成果を出す
——過去実施された中でもインパクトのある施策を教えてください。
下川:
個人的には、ピラティススタジオ"luluto"のLP(ランディングページ)の改善ですね。
結果、CPA(顧客獲得単価)もCVR(成約率)も大きく改善して、最終的に一部の店舗では効果が6倍に。
社内のリアクション、今でもはっきり覚えています(笑)。
甲府店でCPAが1/6の結果に
木城:
いや、あれは本当に驚きました。「何が起きた!?」って、チーム中がザワついてましたよ(笑)。
それまで僕らの整体マーケティングでは、クリエイティブバナーの改善の方が効果が出るという感覚が強くて、LPでここまで結果が変わるとは思いませんでした。
下川:
正直、出会い当初から僕に任せてもらえれば結果出すから大丈夫、と豪語し続けていましたが、結果が出た時は内心めちゃくちゃホッとしました(笑)
——驚きの結果を生み出した秘訣はなんですか?
下川:
秘訣ですか(笑)
まず、制作で意識したのは、“理学療法士の信頼感の伝達”と"女性ターゲットに刺さるビジュアル表現"でした。ただ「技術が高いです」と語るだけでは、人は見てくれないですし。LPの特性を活かしたコンテンツ配置と目に飛び込みやすいビジュアルとコピーで設計することに注力しました。
木城:
確かに、あのLPは「なんとなく良さそう」じゃなくて、ピラティスに通う女性のインサイトをついた、感情に響く伝わり方と、論理的な説得力の両方がありました。
下川:
ありがとうございます。実はあれ、僕が化粧品業界で培ってきた経験を、ピラティスに応用したケースなんです。
化粧品って、効果が見えづらい中で「どう期待させ、どう納得させるか」がめちゃくちゃ重要で、だから、言葉とビジュアルの設計力がとても重要なんです。
ピラティスもまた、実際に通ってみないと良さがわかりづらい。でも、その「わかりづらさ」をどう越えるかが、マーケティングの肝だと思っています。
マーケターであり、戦略家であり、デザイナーでもある
——今の時代に求められるビジネスマンってどんな人?
木城:
初めて一緒に仕事をしたときに、社内で一番ざわついたのが、「下川さんってマーケティングの人なんですよね?」っていう話で。でも実は職業は“デザイナー”なんですよね。
下川:
そうなんです。でも、僕の中では“デザイン=問題解決”なんですよね。課題があって、目指すゴールがあって、その間のギャップをどう埋めるか。それを考えてカタチにするのが、デザイン。
たまたまそれがLPになることもあるし、コピーになることもあるし、時には事業全体の設計そのものになることもある。それだけの話です。
木城:
いや、その「だけの話」ができる人がほとんどいないんですよ(笑)。
戦略レイヤーで事業の全体像を構想しながら、具体的に手を動かしてクリエイティブまで仕上げていく。この思考と実行の両輪を持ってる人って、本当に希少です。
実際に社内でも、「この人、一体何者なんですか…?」って、かなり話題になってましたよ。
下川:
(笑)ありがたいですね。
木城:
たとえば普通なら、「マーケはここまで、デザインはここから」って分業になるところを、下川さんは一気通貫で全部やっちゃう。しかも、どこかの工程を“埋める”んじゃなくて、全部のフェーズに価値があるから、見ていてこっちも刺激を受けます。
下川:
おぉ、嬉しいです。僕にとっては、肩書きや職種よりも、「本質的に何が必要か」を考えることのほうがずっと大事で。だから肩書きがマーケターでもデザイナーでも、呼ばれ方はなんでもよくて、ゴールまでの最適ルートを一緒に考えられたら嬉しいですね。
社内が動き始めた。空気が変わった。
——下川さんが参画されてから社内はどう変わった?
木城:
下川さんが入ってきて、一番大きく変わったのは社内の“視点”だと思います。
それまでの僕たちは、とにかく「目の前の患者さん」に全力で向き合うことがすべてでした。もちろんそれ自体は間違っていない。でも、そもそもその患者さんに出会うためにはどうすればいいのか?という問いを、正面から持てていなかったんです。
下川さんが加わってから、「施術の前に、まず出会いがある」という当たり前のようで見落としがちな視点が、チーム全体に共有されるようになりました。
下川:
「戦略って、遠くを見ることなんでしょ?」って言われるんですが、そうじゃないと思っていて。
個人的には戦略は「目の前の選択肢を変えること」。ほんの少し、考え方や判断の基準が変わるだけで、組織全体の動き方がガラッと変わる。遠くの理想よりも、今、どんな言葉を使うか、どんな順番で動くか、そういう“目の前の選択”の積み重ねが未来を作るんですよね。
木城:
まさにその感覚です。最近は僕自身も、何かアイデアが浮かんだり、方向に迷いが出たら、下川さんと対話する機会が増えました。
そして実際に相談してみると、ものごとの構造をパッと図にしてくれる。しかも、それがちゃんと現場にもつながってるから、動きやすい。
その結果、社内の思考スピードも格段に上がりました。
今までバラバラだった視点が、一つの“問い”に収束していくような感覚。空気が変わった、とみんな口をそろえて言いますね。
異分子が組織を変える。その先に、未来がある。
——今後どんなことにチャレンジしようと考えていますか?
木城:
理学ボディとしては、これから「社会にとっての意義」をもっとクリアに示していきたいと思っています。
今までは“技術の集合体”として価値を提供してきましたが、これからは「理学療法士の在り方そのものをアップデートする」くらいのスケールで動きたい。
たとえば、痛みが出てから治すのではなく、動作や生活習慣の“兆し”の段階で介入する、そういう仕組みやサービスを本気でつくっていきたいと思っています。
下川:
そのためにも、“医療と生活の間”にあるグレーゾーンを埋める存在になるべきだと思っています。
具体的には、データを活用したパーソナライズ支援や、未病ケアに特化したプロダクト開発、あとは医療・ヘルスケア領域におけるブランド設計の再定義。
それを、理学ボディの現場と一緒にゼロから組み立てていくフェーズに、今ちょうど入っている感覚です。
木城:
「健康に介入するプロ」という存在が、もっと日常に溶け込んでいいんですよね。整体でも医療でもフィットネスでもない、“新しい職能”が生まれる可能性がある。そこに対して、うちがパイオニアになれたらいいなと。
下川:
あとは組織づくりの面でも、職種の枠を越えた“混成チーム”をもっと増やしていきたいですね。
マーケター、デザイナー、エンジニア、セラピスト、全員が「どうすればこの価値が届くか」を考えられる組織にしたい。そういう意味では、今の理学ボディは、ものすごく“伸びしろしかない”チームだと思っています。
木城:
本当にそうですね。ここからは、「異分子がさらに異分子を呼ぶ」フェーズに入っていけたら面白い。
そしてその先に、“動作と人生の質を、科学する”という新しい文化を、社会に根づかせていけたらと思っています。
これからの理学ボディと、メッセージ
——この記事を読んでくださっている方へのメッセージをお願いします。
木城:
僕らのような臨床家って、技術や知識を日々磨きながら、「もっと多くの人に届けたい」と思っている反面、届け方がわからずに立ち止まってしまうことが多いんです。
でも、そこにマーケターやデザイナーの視点が加わるだけで、景色はガラッと変わる。この記事が、「自分のスキルが誰かの情熱と掛け算になるかもしれない」と感じてもらえるきっかけになったら嬉しいです。
下川:
マーケティングって、“数字を伸ばす仕事”だと思われがちですけど、僕は「価値を、正しく届くかたちに整える仕事」だと思っています。
この対談でお伝えしたかったのは、職種の枠を超えて、一緒に汗をかいて、思考して、手を動かすことで、組織って本当に変わるということ。
もしこの記事に少しでも共鳴してもらえたら、ぜひどこかでご一緒できたら嬉しいですし、あなたのスキルも誰かの“突破口”になると信じています。
木城:
理学ボディも、まだまだ進化の途中です。一緒に「こういう未来をつくりたい」と語り合える仲間が増えていくことを、楽しみにしています
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