セカンドセレクションの野崎です。
DXとしてのデータ活用テクノロジー、特に機械学習を中心に取り組んでいる2年目の社員です。 前回は弊社で取り組みを開始したDX事業領域の中で「データ活用の取り組み方」をご紹介致しました。
今回は、「記録クレンジングから価値クレンジング」についてもう少し詳しく補足したいと思います。 少し難しいプロセスですが、弊社が現在取り組んでいるユニークな内容ですので、是非最後までお付き合い下さい。
目次
「記録」から「Value」の流れ
まず、企業様の各部門には大量の様々な「記録」が蓄積されてきていると思います。
しかし、それらはまだ課題解決や商品開発の為に使える「データ」にはなっていません。 何故なら、記録する目的が様々であり、記録方法、つまりフォーマットがばらばらで、分析したり、探索したりするには不要な内容も多いからです。 これらの「記録」をまずデータ化することがスタートになります。 データ化の後は、情報化、Valueと順次進んでいきます。
※下図は「記録」「データ化」「情報化」「Value」に至る流れを示しています。
社内記録について
社内のいろいろな部門にある「記録」です。
記録の目的はそれぞれ違いますが、記録である以上そこには重要な内容が隠されているはずです。
「記録」は画像やテキスト、数値などに分類されますし、手書き文字も含まれていると思います。
また、「記録」の中にはいろいろなゴミ(一般的な内容、時代が変わって意味がなくなった内容、特定の内容で今は使わない等)があり、データとして扱うには好ましくないものが含まれます。こういったデータとして成り立たないものは取り除いた方が好ましいといえます。
これらの「記録」は企業様と共同で実態を明らかにし、記録として重要な部分を抽出してクレンジングしていく必要があるのです。
例えば、エクセル等に大量に整理された数値が、何を意味しているかが曖昧だったり、古くなっていたり、あるいは抜けていたり・・・、よくあることですが、こういった数値は取り除いた方が好ましいといえます。弊社が「記録」という視点に着目しているのは、データが無い、と悩んでおられる企業様のご心配を取り除く為です。
社内にある「記録」をもとにデータ化してまいります。
つまり、記録からデータを作り上げていく。これが弊社の特徴の一つです。
記録のデータ化について
次にゴミを排除した「記録」を「データ」にしていきます。
下記に記録からデータに変える為に活用する一般的な手法を整理しました。 実際には目視で読み込んだり、画像をチェック・分類したり、手作業がかなり多いですが、 データ化する為に便利な手法や統計的な手法も使っていきます。
実は、データアナリストが時間を投入して行う泥臭いプロセスでもあります。
このようなクレンジングを実施しないでゴミ混じりの記録をそのままデータ化していくことは好ましくありません。 所謂「Garbage in Garbage out」と言われているように、ゴミを入れたらゴミしかでてこないと言う結果になります。
弊社は、この「データ化」というプロセスも重要視しています。
この段階も企業様と一緒になって活動を進めます。その目的は3つです。
1,企業様の課題は何か、何にお困りなのか、課題認識の背景は何かを共有する。
2,課題解決の目的は何か。具体的なゴールをどこに置いているのかを共有する。
3,課題解決を進める上での制約や条件はどのようなものかを共有する。
このような目的意識を共有し、企業様の実態をしっかり理解した上で、記録のデータ化を進めます。
つまり、目的に適合したデータを作ることで、間違った結果を出す、あるいは意味のない改善につながることを避けるということになるからです。
このプロセスを弊社は企業様と一緒に進めるという意味で【寄り添い】と呼んでいます。
データの情報化について
「データ化」の次は「情報化」です。
情報化とは 、データから法則や課題解決の為の因子を発見したり、データが持つ意味を理解しやすくする為にグラフや表、統計的な相関図などに整理し、見える化すること。と定義しています。
フォーマットが異なる写真やテキスト、数値などはバラバラではなかなか理解できません。それらの記録を人間が見て理解しやすくするのが情報化です。
情報化が難しいのは、クレンジングされたデータを多面的に解析し、試行錯誤を繰り返すことで、真の原因や、課題解決のヒントを探り当てる取り組みが、定石通りにいかないことです。
機械学習や統計的な解析など専門性も必要ですし、試行錯誤をする上での直感なども必要で、ここがもっとも難しいプロセスになります。
情報からValueへ
情報化までくれば、課題解決やアイデア創出の重要因子が見えていますので、企業様と一緒に最終ゴールへ向けて具体的なアクションの設計に入ることができます。
例えば、課題の原因や解決のヒントが見える化出来た場合、その原因やヒントから具体的な行動や活動に落として行く必要があります。
これは企業様が主導で行う活動ですが、われわれはその検討に寄り添い、都度分析や解析をご支援することで、早く行動に移れるようにしてまいります。
弊社が取り組んでいる「記録クレンジング」から「価値クレンジング」までのプロセスを理解していただけたでしょうか?
弊社のデータ活用においてもう一つ重要視しているのがアジャイルです。 記録からValueを生み出すのは、簡単ではありませんし、それなりの時間もかかるのが普通です。
その為、長い時間をかけ、苦労してValueを探したのに、うまく行かなかった。投入した工数が無駄になった、という結果が多いことも事実です。 そのために弊社はアジャイル方式を導入しています。 このアジャイルについては次回のブログでご紹介したいと思います。
応援、感想などお待ちしています。