はじめに
これまでの2本のストーリーで、KCという社名が"Keep Close"に由来していること、そしてその思想を体現するビジネスモデルとして「一業種一社制」を選んでいることをお話ししてきました。
今回は、その一業種一社制を、コンサルタント個人のキャリアの中でどう成立させていきたいか――KCが目指している「デリバリー中心主義」という考え方についてお話しします。
一般的なファームのキャリアパス
コンサルティングファームでは、マネージャー、シニアマネージャーとポジションが上がるにつれて、個人に課される売上KPIも大きくなっていくのが一般的です。
このKPIを達成しようとすると、選択肢は基本的に二つしかありません。複数の案件を同時に掛け持ちするか、大規模な案件を獲得するか。どちらの道を選んでも、クライアントの現場と向き合う時間はどんどん減っていきます。気づけば、提案書と契約書の間を行き来する仕事になっていく。実力がついてくる時期ほど、現場から遠ざかっていく。多くのコンサルタントが、多かれ少なかれ経験している構造だと思います。
KCが目指す「デリバリー中心主義」
KCで大切にしたいのは、まず自分自身の稼働で、自分の単価分の価値をしっかり稼ぐこと。ここは当たり前の前提として持っています。
その上で、大手ファームのように、役職が上がるほど大型受注や案件の掛け持ちが必須になっていく、という成長のさせ方はしたくないと思っています。マネージャーやシニアマネージャーになっても、自分の実力でデリバリーの現場に居続けられる。後輩やジュニアメンバーの分まで価値を出せるようになったら、それはプラスの評価として積み上がっていく。そんなイメージを持っています。
正直に言うと、これはまだ制度として完成しているものではありません。評価や報酬の具体的な仕組みは、これから入ってくれるメンバーと一緒につくっていくフェーズです。今回のストーリーでは、その根っこにある考え方までにとどめておきます。具体的な設計については、面談で直接お話しできればと思います。
クライアントにとっての価値
この考え方がクライアントにもたらしたい価値は、シンプルです。
プロジェクトが長く続くにつれて、体制が若手中心に置き換わっていく、ということが起きない状態を目指しています。最も実力のあるメンバーが、役職が上がっても現場を離れず、ずっとそばにいてくれる。経験や理解の蓄積が、そのままクライアントへの価値として積み上がっていく。それが、デリバリー中心主義で実現したいことです。
コンサルタントにとっての意味
デリバリー中心主義は、いわゆる「出世」の形を大きく変えるものになると思っています。マネジメントや営業のスキルを伸ばして組織を率いていく、という一般的なキャリアの階段とは、別の道を用意したい。
実力がつけばつくほど、好きなはずだった現場の仕事から遠ざかっていく、という矛盾に悩まずに済むキャリアを、専門性を磨き続けたい人のために用意したい。手を動かし続けたい人、クライアントと直接向き合い続けたい人にとって、自然な形でキャリアを積める会社にしていきたいと思っています。
最後に
Keep Closeという思想、一業種一社制というビジネスモデル、そしてデリバリー中心主義というキャリアの方向性。この3つは、それぞれ独立したものではなく、一つの考え方を、会社の名前・事業モデル・組織のあり方という3つの面から実現しようとしているものです。
まだ何もかもが手探りで、制度としてはこれからつくっていく段階です。だからこそ、これから入ってくれるメンバーと一緒に形にしていける面白さがあります。このスタイルに共感していただけたら、まずはカジュアルにお話しさせてください。