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アトツギの可能性に気付くまで Jill (代表 山野千枝) 前編


目次

  • まずは、簡単な自己紹介をお願いします⤴️

  • 後継ぎに関心を持ったきっかけ🤔

  • 「一般社団法人ベンチャー型事業承継」の立上げ

まずは、簡単な自己紹介をお願いします⤴️

ベンチャー型事業承継を運営しているジル(山野)です。当社団ではバリューの一つである「フラット&フェア」を体現するために、メンバー全員がイングリッシュネームをつけています。
(一社)ベンチャー型事業承継は、中小企業の承継予定者とか後継者を対象にした新規事業とか業務改善の支援をする、その環境を整備することを目的に作った団体です。

前職が大阪市経済戦略局の中小企業スタートアップ支援拠点で20年以上在籍して、現場で中小企業の経営者とか、スタートアップの経営者とかを支援してきました。

後継ぎに関心を持ったきっかけ🤔

元々、スタートアップの支援というか、自分が将来スタートアップ起業したいなと思って、スタートアップの勉強をしようと思って、スタートアップ支援拠点に就職したっていうのが30歳ぐらいの時。それで、どっちかっていうと、後継ぎとかあんまり興味がなくて、自分がゼロから立ち上げるっていう人たちから学ぼうと思って、スタートアップ支援拠点へ就職したんです。でもそこで、自分のミッションが広報で、ビジネス情報誌の編集長っていう仕事があって。で、仕事柄、スタートアップだけじゃなくて、中小企業の経営者とかも取材をたくさんしました。おそらく数千社は取材してると思います。

その中で、いけてないと思っていた後継ぎの人たちの方が、結構覚悟が深くて存続にすごいコミットしていて。大阪は戦後焼け野原になったので、終戦あたりに創業してる会社がすごい多いんです。じいちゃんがリアカー引いて、スクラップを拾いながらビジネスを起こして、それが今は精密加工をやってますみたいな会社が創業70年80年で、大体3代目ぐらいなんですけど。その人たちが、「じいちゃんが裸一貫で作った会社を自分の代で潰すわけにはいかない」と言いながら、すごい技術革新とかに取り組んでる姿とか、面白いサービスを立ち上げてるのを見て、すごくかっこいいなと思ったんです。



なんか、あまり脚光を浴びていないんだけど、スタートアップはゼロから立ち上げるだけですごい脚光を浴びて、何の実績もないのにメディアも取り上げたりする中で、後継ぎの人たちが、人知れず、地道に、新しい価値を生み出している姿勢にすごく感銘を受けるようになって。でもなんでゼロから立ち上げる人ばかりみんな注目してるんだろう、っていうのが普通に疑問でした。それで、ベンチャーってなんだっけ。ゼロからだからベンチャーなんだっけ、みたいなところから、この後継ぎの世界にどんどん興味を持ち始めた感じです。

---「なぜゼロからのスタートアップばかり注目されているのか」という違和感が、モヤモヤの始まりでしょうか。

私、岡山県出身なので、東京とか大阪の都会だけが日本ではないと思っていました。日本の大多数は地方なのに、東京のスタートアップの論理を地方都市で語っていることに違和感がありました。例えば大阪でスタートアップ支援に税金をかけていましたが、みんなゼロから始める人たちは身軽なので、VC(ベンチャーキャピタル)からお金が入ると東京に本社を移転してしまう。結局、スタートアップの7~8割が東京に集まる現状で、地方は人材だけを排出し、税金を使った支援が地域のためになっていないと感じました。

--- 確かにスタートアップにとっては東京の方がビジネスチャンスが多いですよね。

そうなんです。東京には意思決定者が多く、ステークホルダーも集中しているので、スタートアップにとって東京に拠点を移すのは合理的です。ただ、地方の中小企業や後継者たちは地域に根付いており、拠点を簡単に移すことができません。だからこそ、地方で頑張る後継者たちを応援する方が地域のためになると感じました。

--- その違和感やモヤモヤが、社団法人を立ち上げる動機になったということでしょうか?

はい。具体的には2009年頃、リーマンショックの影響で中小企業の経営者たちが、「もう自分の代で終わっていい」「子供に継がせたくない」と口を揃えて言うようになったんです。それまで技術革新やサービス開発に意欲的だった経営者たちが、存続の意欲すら失っていく姿を見て、日本の中小企業の未来に危機感を抱きました。

そんな中、関西学院大学で後継者向けの授業を依頼されたんです。その授業では、倒産しかけた会社を立て直した後継者や、夜逃げした家業を再建した話などを学生に紹介しました。すると、最初は「親の会社を継ぐのはかっこ悪い」と思っていた学生たちが、「継ぐのも一つの人生の選択肢だ」と考えるようになったんです。

--- それが後継者支援に注力するきっかけになったんですね。

そうです。その後、近畿経済産業局のベンチャー政策提言チームに所属し、「日本のベンチャーはスタートアップだけではなく、後継者もベンチャーの一部だ」という考えを政策に盛り込みました。

「一般社団法人ベンチャー型事業承継」の立上げ

一般社団法人ベンチャー型事業承継」の立上げのきっかけはなんでしょうか?

「日本のベンチャーはスタートアップだけではなく、後継者もベンチャーの一部だ」という提言が、大きな反響を呼び、2018年に一般社団法人を立ち上げる直接のきっかけになりました。

--- 政策提言が実現するまでには、どのような課題や困難がありましたか?

実は、経済産業省の内部でもスタートアップと中小企業を担当する部署が分かれていて、経済産業省は後継者をスタートアップ支援に含めることに抵抗がありました。その際、「地方で前例を作り、前例ができれば国も動きやすい」と彼らからアドバイスを受け、近畿地方での取り組みを始めました。

--- 地方からのアプローチが鍵だったわけですね。その提言にはどのような反響がありましたか?

メディアを通じて大きく取り上げられ、地方自治体や後継者自身から多くの問い合わせを受けました。特に地方の行政は、スタートアップ支援の限界に気づいており、後継者支援の必要性を感じているところが多かったです。

--- 後継者を支援する中で、彼らがベンチャー的だと感じた瞬間はどのような場面ですか?

後継ぎの中には、負債だらけの会社を継ぎ、変革を迫られる人が多いです。そういった状況で、ただ継ぐだけではなく、新しい価値を生み出そうとするアトツギの姿勢は、まさにベンチャーそのものだと思います。


------- 続きは次回のストーリーへ。



(※参考)アトツギの定義について

※1 後継:「承継の意思はあるが、アップデートすることなく、先代からの事業をそのまま継続する個人」と定義

※2 アトツギ:「先代から受け継いだ企業価値を、時代に合わせてアップデートすることで、その次の世代に託す時まで、企業の存続にコミットする個人」と定義

※3 アトツギベンチャー:アトツギが承継し、下記の5類型のいずれかのイノベーションを起こした企業



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