「着け心地が良くて完全に無縫製の肌着」に特化した新ブランドを立ち上げる―。立体的なニット製品を自動で編み上げる超高機能マシン。その使い道を15年間も試行錯誤してきたニットメーカーの新ブランド誕生物語です。
すごい機械を持っているのに、その性能に人間の企画力が追い付かない――。2005年に島精機製作所の「ホールガーメント横編み機」を導入してから、石川メリヤスはずっと暗中模索をしてきました。 ホールガーメントは、デジタル制御で編み機の針を動かし、完全無縫製で立体的な製品を縫い上げることができる機械です。画期的な技術であり、これからの繊維産業に必要な設備であることはわかっていました。 でも、この機械を使って意味のある定番商品を開発することはなかなかできませんでした。「縫わずに好きな形の商品を作れる」と言っても、そのためには精緻な設計データを作成しなければなりません。こんな複雑なデータを作るぐら...