「AIの進化によって、これからプログラミングを学ぶ意味はなくなるのではないか」
「せっかく未経験から挑戦しても、将来仕事がなくなってしまうのではないか」
ChatGPTをはじめとする生成AIの爆発的な普及により、IT業界にはかつてないスピードで変化の波が押し寄せています。これからエンジニアという職業を目指そうとする方にとって、こうした漠然とした不安を抱くのは至極当然のことかもしれません。
しかし、ユニコーンテクノロジーの廣瀬代表は、その不安を一刀両断します。自らシリコンバレーに赴き、OpenAIやGoogle、Metaなどの最先端テック企業を視察してきた廣瀬代表は、「AIがあるからこそ、エンジニアという職種は最高に面白くなる」と語ります。
本記事では、廣瀬代表が肌で感じてきたシリコンバレーの「一次情報」と、AI時代において市場価値を高め続けるための本質的なキャリア形成のあり方に迫ります。
廣瀬大慈 / 代表取締役CEO
山形県出身。新卒で入った金融会社が3ヶ月で倒産するというキャリアの始まりから、様々な経験を経て、31歳で営業職でIT業界へ。入社わずか8ヶ月で社長職への打診を受けるという異色の経歴を持つ。2022年、日本のITが持つ可能性を信じ「すべての人の望みを叶える社会へ」をミッションに掲げて同社を設立。大のゲーム好きでもあり、現場のエンジニアと同じ目線で語り合える「ゲーマー経営者」として、社員一人ひとりの成長を支援している。
2023年秋、シリコンバレーで目撃した「AIと人間」のリアルな熱量
──2023年9月に一般社団法人ITキャリア推進協会(JAIC)の視察研修でサンフランシスコやシリコンバレーを訪問されています。なぜあのタイミングで現地に向かわれたのでしょうか。
当時、ChatGPTなどの生成AIが登場して日本国内でも大きな話題になり始めた頃でした。IT業界の発展とエンジニアの待遇改善を目指す協会の活動として、経済産業省がシリコンバレーに構える新拠点の視察と並行し、OpenAIやGoogle、Meta、Apple、NVIDIAといった世界最高峰のテック企業を肌で感じる機会に恵まれたのです。
私自身、この新しい技術がIT業界にどのような構造変化をもたらすのか、経営者として、そして一人の人間として強烈な興味がありました。ネット上の二次情報で満足するのではなく、最先端技術が生まれる現地で何が起きているのか、その『一次情報』を自分の目で確かめたいと思ったのが、参加を決断した背景です。
──現地の開発者たちとの交流(ミートアップ)の中で、どのような熱量や考え方に触れましたか。
まさに「猫も杓子もAI」という状態で、少し前まで流行していたWeb3やブロックチェーンの話題が完全に上書きされるほどの凄まじい熱量でした。スタートアップのピッチでは、AIをいかにビジネスやものづくりに組み込むかというアイデアが絶え間なく飛び交っていました。
ただ、ここで最も大きな気づきだったのは、現地のエンジニアたちが決して「AIに怯えていなかった」ということです。彼らの間では、AIに仕事を奪われるという議論はすでに過去のものであり、いかにAIと『共存共栄』していくかという視点が当たり前になっていました。「AIを味方につけ、より高度でインパクトのあるものづくりをしよう」という前向きなマインドに溢れており、非常に大きな刺激を受けました。
奪われる「作業」と、残る「思考」
──「AIによってプログラミング作業が不要になり、エンジニアの仕事がなくなる」という極端な言説もありますが、これについて廣瀬代表はどうお考えですか。
半分は事実であり、半分は間違いです。確かに、誰が書いても同じような定型的なコードを書くだけの仕事や、簡単な修正作業といった領域は、AIによって完全に自動化されるか、極めて少ない人数で済むようになります。単なる『コードの作業者』としてのエンジニアの価値が淘汰されるという意味では、厳しい現実が待っています。
一方で、もう半分の真実は「ものづくりのプロセス全体は依然として人間が主導する」ということです。AIによってプログラミングという実作業のハードルが下がる結果、世の中全体で開発のスピードが飛躍的に上がります。すると、『これまでは予算や時間の都合で諦めていたシステムをどんどん作ろう』という、ものづくりの総量そのものの爆発的な増加が起きるのです。
私たちが目指すべきなのは、作業者としてAIに代わられることではありません。AIという超優秀な相棒を使いこなし、システム全体の設計や顧客の課題解決をリードする『上流工程を担えるエンジニア』です。
【AI時代に起きる構造変化】
■ 従来の開発:
要件定義 ──> 設計 ──> プログラミング(10人で作業)──> テスト
■ AI時代の開発:
要件定義 ──> 設計 ──> AIによるコード生成 ──> 人間による検証・テスト
(AIを使いこなす5人が、より多くの開発をハイスピードで実行する)
──これからの時代、市場価値が上がるエンジニアの共通点とは何でしょうか。
一言で言えば、「IQ(技術的知能)だけでなく、EQ(心の知能指数・共感力)を兼ね備えた人材」です。AIにどれほど優れた指示文(プロンプト)を入力できるかというスキルはもちろん前提として重要ですが、それ以上に求められるのは、プロジェクト全体を俯瞰し、関わる人々と合意形成を図る能力です。
どんなに技術が進歩しても、システムやゲームを作る目的は「それを使う人間を楽しませる、あるいは便利にすること」にあります。クライアントが真に求めている問題の本質は何かを汲み取る力、そして仲間と円滑に連携しながらプロジェクトを推進する力。こうした人間ならではの共感力やコミュニケーション力を持つエンジニアの価値は、AI時代においてむしろ何倍にも跳ね上がります。
なぜ今、未経験者にこそ最大のチャンスがあるのか
──「AIでエンジニアのハードルが上がるなら、未経験からの挑戦はリスクではないか」と迷う人も多いと思います。
私たちの考えは、むしろその逆です。今こそ、これまでの開発の「当たり前」に縛られていない未経験の方にこそ、最大のチャンスがあると考えています。
IT業界の最大の特徴は、常に新しい技術が発明され、既存のルールが塗り替えられ続ける点にあります。AIを駆使した開発手法は、20年以上の経験を持つベテランエンジニアにとっても「全く新しい技術」です。古い開発の癖やプライドが邪魔をして、新しいAIツールの活用に踏み切れないベテランがいる一方で、変な癖がついていない未経験者は、AIを最初から当たり前の道具として柔軟に吸収し、使いこなすことができます。
ですから、当社では採用時にいつも「入り口は未経験でいいけれど、未経験のままでいられては困る。這い上がる覚悟を持ってきてほしい」と伝えています。学ぶ意欲さえあれば、AIという強力な武器を味方につけることで、従来の何倍ものスピードでプロフェッショナルへと駆け上がることが可能です。
──異業種での社会人経験は、エンジニアとしての武器になりますか。
これ以上ないほど強力な武器になります。
たとえば、接客業や営業、事務職、介護現場などで培ってきた「相手の困りごとを察する力」や「業務の無駄を見つける視点」は、すべてシステム開発の『要件定義』のフェーズでそのまま活かすことができます。
居酒屋のメニュー開発であれ、住宅の建築であれ、ものづくりの本質は「何を、誰のために、どう作るか」を話し合って設計することから始まります。ITエンジニアも全く同じです。これまでの人生で培ったすべての社会人経験が、AIを動かすための質の高い指示となり、顧客に寄り添う提案力に変わるのです。自分のバックボーンに自信を持って、この世界に飛び込んできてください。
ユニコーンテクノロジーが提供する、AI時代の「生存戦略」
──ユニコーンテクノロジーでは、実際にAI時代のエンジニアをどのように育成しているのでしょうか。
私たちは、AIを「ズルをするための道具」ではなく、「価値を最大化するためのツール」として新入社員研修から徹底的に活用してもらっています。
具体的には、全社員にAIツールのアカウントや利用環境を提供し、研修の課題をAIにコードを書かせて解いても良いというルールを設けています。しかし、それだけでは終わりません。AIが出力したコードがなぜ動くのか、そこに含まれるエラーやセキュリティ上の脆弱性を自分の目で検証させます。
単にAIに頼るのではなく、AIを徹底的に使い倒し、その特性と限界を理解した上で『使いこなす側』に回るためのカリキュラムを組んでいます。
【ユニコーンテクノロジーの育成サポート】
1. 生成AIやプロンプトエンジニアリングの基礎教育
2. AIを活用した課題解決型(PBL)の実践研修
3. Udemyなどの有料オンライン学習プラットフォームの費用補助
4. 先輩エンジニアによる自責マインドと実践ノウハウの継承
──最後に、AIの進化を前にして一歩を踏み出せずにいる読者へ、メッセージをお願いします。
「AIが怖いからエンジニアを諦める」というのは、あまりにももったいない選択です。自動車が発明された時に、移動を諦めるのではなく運転技術を学んだ人が未来を切り拓いたように、AIという強力なエンジンが登場した今だからこそ、それを操るエンジニアという仕事は最高に刺激的で面白いのです。
最初から完璧にできる必要はありません。まずは好奇心を持って、一歩を踏み出してみてください。ユニコーンテクノロジーには、本気で成長したいと願うあなたの挑戦を、全力で後押しする環境と、実際にその道を歩んで這い上がってきた先輩たちがいます。
未来の技術に怯えるのではなく、私たちと一緒にAIという波を乗りこなし、自分だけの確かな市場価値を築いていきましょう。