地方にUターンした僕は、半年後には都会に行くつもりでした。でも、気づいたらここに残っていました。なぜか?
会社が倒産してから地元那賀町にUターン。
当初は半年ぐらいしてから大阪や福岡などに戻るつもりでした。
しかし起業した直後にコロナが直撃。
東京・大阪の取引先も動けず、売上は上がらない。起業どころではなくなり、半年どころか1年、身動きが取れませんでした。
「やっぱり都会で事業をした方がいいんじゃないか」と思って、実際にコロナ後に東京に1か月住んでみたこともあります。
やっぱり都会で仕事するのは刺激もあり、生活も便利で楽しかった。
可能性を探る意味もあったけれど──結果的に、ここで過ごしています。
きっかけは、同友会という経営者団体でかけられた問い。 「あなたの人生の使命は何ですか?」
その問いが、僕の中の何かを揺さぶりました。 過去を思い返すと、地元の学校の統廃合や廃校、小学校の剣道部で最後のキャプテン…町の節目節目に、自分がなぜか居合わせていた。
「もしかして、今ここに戻ってきたことにも意味があるんじゃないか?」 そんな思いが芽生えた瞬間でした。
それからは、自分の存在価値や使命について、真剣に考えるようになりました。 田舎に戻ってきた当初は「都会に戻るための一時避難所」くらいにしか思っていなかった場所が、だんだんと自分にとっての“ホーム”になっていったんです。
地域の人とのやりとりを重ねる中で、「谷澤くん、来てくれてよかった」と言われたことが何度もありました。そのたびに、「自分でも何か役に立てるんだ」と思えました。
少しずつ、この土地の空気、時間の流れ、人の温かさが、自分の価値観や人生観を変えていった。
都会では目の前の数字やスピードばかりを追っていたけれど、ここでは「誰と、何のために、どんな風に働くか」を大切にできるようになった気がします。
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Vol.3では、「地方の価値」に気づいた僕が、広告で届けたいと思うようになった理由をお伝えします。