こんにちは!株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー(以下、NTTデータFT)決済イノベーション事業部です。
今回は、2026年2月に開催されたNTTデータグループのセキュリティコンテスト研修(通称:NTT-CTF)で「ナイスハック賞」(※1)を受賞した、NTTデータFTの若手エンジニア4名にインタビューを実施しました。全員が初参加ながら、業務時間後なども使って事前学習に取り組み、本番ではそれぞれの得意領域を活かして得点を積み重ね受賞しました。本インタビューでは、コンテスト当日の裏側や、チームで成果を出せた理由について聞きました。
さらにナイスハック賞の受賞後には、NTTグループのセキュリティを統括するCISO(最高情報セキュリティ責任者)横浜信一氏(以下、横浜CISO)の居室を訪問しました。横浜CISOとの懇談に加え、ホワイトハッカーチームとの対談、会議に同席するシャドーイングなど、セキュリティの最前線に触れました。
NTT-CTFに挑戦した4名が、CISO室訪問を通じてどのような気づきや学びを得たのか、ぜひ最後までご覧ください!
※1 ナイスハック賞:初心者を中心としたチームの努力と成績を表彰し、コンテスト終了後も継続的な学習や研鑽を奨励することを目的とした賞です。
CISO居室訪問で触れた、フラットな対話と“答えのない攻撃”のリアル
ーーCISO居室訪問では、横浜CISOとの懇談に加えて、ホワイトハッカーチーム「Team V」の皆さんともお話しされたそうですね。実際に訪問してみて、印象に残っていることを教えてください。
根本:まず、横浜CISOがとても気さくな方だったのが印象に残っています。セキュリティのトップの方とお話しするので、もっと緊張する場を想像していましたが、実際にはとてもフラットに話せる雰囲気でした。
菅野又:以前、動画でお顔や話し方を拝見していて、優しそうな方だとは思っていましたが、実際にお会いすると想像以上にラフな方でした。表彰の際も握手しながら写真を撮って、メダルをいただいて。いい意味で、構えすぎなくてよかったです。
そのうえで特に印象に残っているのが、ホワイトハッカーチーム「Team V」の皆さんとの対談です。皆さん本当にスペシャリストで、すごく勉強になりました。
Team Vの皆さんは、NTTグループ配下の企業に対して実際に攻撃を仕掛け、脆弱性を見つけてレポートにまとめる業務をされています。攻撃をかける際は、上層部は知っているものの、開発現場には知らされない状態で実施されることもあるそうです。攻撃対象を決めて、半年ほどかけて攻撃を仕掛けるという話を聞いて、「本当にホワイトハッカーは実際の攻撃者と同じことをしているんだ」と感じました。
根本:Team Vの皆さんは、横浜CISOとはまた違う現場目線の話をしてくださったのが面白かったです。横浜CISOはセキュリティ全体を見ている立場としてお話しされていましたが、Team Vの皆さんは現場に対して実際にアクションをかける立場なので、私たちと目線が近い部分もありました。
大場:私も、ホワイトハッカーチームの攻撃の仕方が印象的でした。私たち開発者が試験をする時は、ドメイン知識や内部の製品情報、アーキテクチャを踏まえて「ここが危なそうだね」と考えます。
でも、Team Vの皆さんは本当に情報がない状態から始めるんですよね。プロダクト名や外部から調べられる情報をもとにシナリオを組んで攻撃する。世の中のハッカーたちと同じ目線で攻撃を仕掛けているところが、すごく面白いなと思いました。
ーーNTT-CTFを経験したからこそ、実感できる部分もありましたか?
根本:ありました。NTT-CTFでは「このWebサイトがあるので、内部サーバを乗っ取ってください」というような問題が出ます。ただ、それは練習用に用意された環境ですし、脆弱性があることも前提として示されています。
でも、Team Vの皆さんは本物のプロダクトに攻撃を仕掛ける。答えがあるかどうかも分からない中で攻撃し続けるわけです。そこがまったく違うなと思いました。
大場:私たちは「いつか答えが出るだろう」と考えますが、攻撃する側は答えがないものを無限にやらなければいけない。それを見つけるまで攻撃し続けるのは、本当にすごいことだと思いました。
前田:私は、攻撃する時に現場には知らせないという話が印象に残っています。上層部だけに伝えて、現場がどう対応するかを見るとおっしゃっていて。自分がそれをされたら、たまったものではないなと思いました(笑)。
菅野又:技術的な攻撃だけではなく、誰がどうエスカレーションするか、どこで止まるかといった人や組織の動きも見るそうです。そこまで含めてセキュリティなんだなと感じました。
「防ぐ」だけでは終わらない。横浜CISOとの対話で変わったセキュリティへの向き合い方
ーーセキュリティ対策を牽引するトップと直接話してみて、セキュリティへの見方に変化はありましたか?
根本:私は、AI時代の脆弱性にどう対応していくべきかを質問しました。ちょうどサプライチェーン攻撃が話題になっていた時期でもありましたし、私たち自身もNTT-CTFでAIを活用していたので、AIによって新しい脆弱性が出てくる中で、どう向き合うべきなのかを聞いてみたいと思っていました。
そこで印象に残ったのが、「脆弱性を完全に予防するのは難しい。だからこそ、脆弱性が出た時にどうリカバリーするかを、人も含めて見なければいけない」という話でした。
菅野又:横浜CISOが、それを当然のように話されていたのも印象的でした。私たちのように開発に携わる立場だと、どうしてもリリース前にどれだけ品質を高めるか、テストをどれだけ回すかに意識が向きがちです。
でも、セキュリティの観点では、もちろん防ぐことは大事ですが、それだけでは終わらない。起きた後にどう検知し、どう対応し、どう戻すかまで含めて考える必要があるのだと感じました。
大場:特に私たちが関わっているのは決済系のシステムなので、止まることが許されない世界です。だからこそ、出す前に品質を作り込むことは当然大事です。
一方で、万が一何かが起きてしまった時に、どうリカバリーするのか。誰が気づき、誰にエスカレーションし、どこで判断するのか。そうした運用面まで含めて備えておくことの重要性を、今回かなり実感しました。
この4人で「ナイスハック賞」を勝ち取れた理由
CISO室訪問では、セキュリティの最前線に触れました。一方で、そのきっかけとなった「ナイスハック賞」は、全員が初参加で挑んだNTT-CTFで獲得したものでした。ここからは、4名がどのようにチームを組み、事前学習から本番までどのように取り組んだのか、NTT-CTFの裏側についてお話を聞きました。
ーー今回のコンテストには、どのような経緯で参加することになったのでしょうか?
菅野又:きっかけは、社内で開催されたNTT-CTFの体験会でした。社内の有識者の方がNTT-CTFを広める目的で体験会を開いていて、そこに参加したことが始まりでした。
根本:私が参加をしてきて、その話を聞いた周囲のメンバーが「面白そうだから行ってみよう」と集まりました。明確に誰かが誰かを誘ったというより、興味を持った人が自然に集まった感覚に近いです。
大場:結果的に、若手中心の4人チームになりましたね。
前田:全員、NTT-CTFは初挑戦でした。ただ、大会前には事前学習が用意されていたので、まずは事前学習をちゃんとやり切ろうとなりました。
ーー事前学習では、どのような取り組みをしていましたか?
前田:業務後に集まって一緒に事前学習を進めたり、分からないところを相談したりしながら、少しずつ進めていました。
菅野又:その中でも私は、体験会をきっかけにセキュリティの面白さにどっぷりハマってしまって(笑)。1〜2か月くらい、個人的にもかなり自主練をしていました。普段は毎日ゲームをしているのですが、その時間の半分以上がCTFの練習に変わっていましたね。毎日2〜3時間くらい、一般公開されている練習サイトで問題を解いていました。
さらに、自分が学んだことをアウトプットする意味で、部署内向けにCTF大会も開催しました。年末の社内イベントとして、20問くらい問題を用意して、部署のメンバーに解いてもらいました。
根本:私も一部、作問に協力しました。出場前にCTFを開催するという、少し不思議な流れでしたね(笑)。
ーー大会公式の事前問題にも取り組まれていたと思います。そこはどうでしたか?
根本:ナイスハック賞は、本番の点数や事前問題の達成度も評価対象でした。私たちは全員初心者だったので、経験者がいるチームと比べると不利です。だからこそ、事前問題は満点を取ろうと決めていました。
前田:大会の数週間前から、業務後に集まって問題を解いていました。対面で集まる日もあれば、オンラインで進める日もありました。
大場:夜遅くまでやることもありましたね。休日も使って、時間が溶けるように過ぎていきました。でも久しぶりにがっつり勉強して楽しかったです。
菅野又:大変ではありましたけど、苦ではなかったです。みんなで考えながら少しずつ解けていくのが面白かったですし、事前問題をやり切れたことは本番に向けた自信にもなりました。
得意領域を持ち寄り、AIも味方に。若手チームが本番で発揮した突破力
ーー本番では、どのように役割分担をしていたのでしょうか?
菅野又:問題ジャンルがいくつか用意されていました。基本的には各々の得意ジャンルを選び、苦戦したら一旦飛ばして、手が空いた人が取り組むという進め方でした。
根本:年次や役職で役割を決めるというより、得意そうな人がまず触って、詰まったらみんなで考えるという感じでした。フラットに議論できていたと思います。
ーー本番中、「これは嬉しかった」という瞬間はありますか?
菅野又:前田さんがWindowsログの問題を解いてくれた時ですね。私は開発端末がMacなので、Windows関連の問題が本当に分からなくて、後回しにしていました。そこを前田さんが「やります」と言って解いてくれたんです。
前田:私がというより、AIの力も大きかったです(笑)。
菅野又:いや、私はAIを使っても解けなかったので(笑)。あれは本当にファインプレーでした。
根本:前田さんは前日まで事前問題に苦戦していた印象もあったので、本番で一番厄介そうな問題を解いてくれたのは大きかったです。チームとしても盛り上がりました。
大場:根本さんはWeb問題をほぼ一人で解いていましたね。
根本:そうですね、Web問題に集中していました。解き終わって周りを見たら、前田さんがWindowsログを解いた話で盛り上がっていて、完全に取り残されていました(笑)。それくらいWeb問題に没頭していましたね。
ーーAIの活用もポイントだったのでしょうか?
菅野又:かなり大きかったと思います。普段の業務でAIを使うことに慣れていたので、NTT-CTFでも自然に使うことができました。ただ答えを聞くのではなく、手順を整理したり、調査の方向性を広げたりする形で使っていました。
前田:私は本番前に、AIに聞くための手順書のようなものを用意していました。セキュリティに詳しくない部分でも、AIを使いながら自分の知識と組み合わせて進められたのは大きかったです。
NTT-CTFの経験を、これからの業務へ
4名は現在、決済領域のシステム開発やSRE、性能・運用に関わる業務など、それぞれの立場でプロダクトを支えています。ここからは、NTT-CTFやCISO室訪問で得た学びを、今後の業務にどう活かしていきたいかを聞きました。
ーー今回の経験を、今後どう業務に還元していきたいですか?
菅野又:今後は、開発の中でも「攻撃者から見たらどう見えるのか」という視点をもっと持っていきたいです。NTT-CTFに出る前と後では、AIについて調べる量も、攻撃の仕方を調べる時の思考も変わりました。AIも使いながら、リスクに気づく力や検証の精度を高めていきたいです。
根本:「出す前だけではなく、出した後の対応も大事」という考え方は、業務にもつながっています。もちろんリリース前に品質を高めることは大前提ですが、それだけで終わらせるのではなく、リリース後に問題をどう検知し、どう切り戻せる状態にしておくかまで考える必要があるとより感じました。今後は、機能を作るだけでなく、運用まで見据えた開発をしていきたいです。
大場:決済系のシステムなので、もちろんミスが許されない世界です。ただ、それでも「もし起きてしまった時にどうリカバリーするか」を考えておくことは重要だと思います。私は性能試験や運用に関わる領域を担当しているので、障害や問題が起きた時にどこで気づき、どう判断し、どう復旧するのかという観点も、普段の業務の中でより意識していきたいです。
前田:私は、自分の知らない領域でも、AIを使いながら調べて進める力が少しついたと思います。NTT-CTFでは、セキュリティの知識がまだ足りない中で、どう調べるか、どうAIに聞くかを考え続けました。普段の業務でもAIを活用しながら自分なりに仮説を立てて調べ、実装やテストに活かしていきたいです。
これから目指したいエンジニア像と、未来の仲間へのメッセージ
ーー今回の経験を経て、今後目指していきたいエンジニア像を教えてください。
菅野又:何でもできるフルスタックエンジニアを目指しています。今回NTT-CTFに参加して、セキュリティもその一部だと感じました。どんな領域でも任された仕事に対応できる人になりたいです。
根本:技術を好きでい続けることで、周りにも良い影響を与えられるエンジニアになりたいです。「この人がこういうことをやっているなら、自分もやってみようかな」と思ってもらえる存在になれたらいいなと思います。
大場:バックエンドを武器にしながらも、セキュリティやインフラ、運用など広い知見を持って、いろいろな角度から物事を見られる人材になりたいです。
前田:まず自分の強みを一つ作って、そこで力を発揮できる人材になりたいです。あとは、狭い視野と広い視野の両方を持ち、物事をいろいろな角度から考えられるようになりたいと思っています。
ーー最後に、この記事を読んでくださっている就活生や若手エンジニアの方に向けてメッセージをお願いします。
根本:最初から技術ができなくてもいいと思います。ただ、技術を好きになる努力はしてほしいなと。エンジニアは専門職なので、技術を好きな人はやはり強いと思います。
大場:人と一緒に何かを作ることが好きな人には、向いている環境だと思います。NTTデータFTの仕事は、一人で黙々とタスクをこなすだけではありません。お客様やチームメンバーと話しながら、より良い形を探っていく仕事です。
前田:これからエンジニアになる方には、成長意識を持って入ってきてほしいです。周りには学べる先輩がたくさんいます。そういった環境を積極的に活かして、自分の力にしていこうと思える人には、とても良い環境だと思います。
菅野又:NTTデータFTには本当にいろいろな人がいて、どの方向を目指しても活躍の場があります。やる気があって、自分なりのこだわりを持っている人なら、きっと楽しく働ける環境です。
おわりに
今回のインタビューで印象的だったのは、4名が「ナイスハック賞」の受賞をゴールとして捉えるのではなく、その経験をそれぞれの業務や今後の成長につなげようとしていたことです。
初参加ながら事前学習に主体的に取り組み、本番では得意領域を持ち寄って課題に向き合う。さらに受賞後のCISO室訪問では、ホワイトハッカーチームとの対談や横浜CISOの言葉を通じて、「防ぐ」だけではないセキュリティの奥深さに触れていました。
セキュリティ、AI活用、運用、リカバリー、チームでの課題解決。今回の経験から得た気づきは一人ひとり異なりますが、共通していたのは、学んだことを自分の仕事に引き寄せ、次の成長につなげようとする姿勢でした。
NTTデータFTには、若手であっても挑戦の機会を得て、周囲と学び合いながら成長していける環境があります。この記事を通じて、技術を楽しみながら成長していく4名の姿が、少しでも伝わっていれば嬉しいです。
当社に興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアル面談でお話ししてみませんか。みなさんとお会いできることを楽しみにしています!
▼NTT-CTF当日の様子はこちら
今回のインタビューのきっかけとなった、NTT-CTF当日の参加レポートも公開しています。コンテスト当日の雰囲気や、若手チーム「G!NG4-D4N」の受賞時の様子も紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
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企画・編集:株式会社スリーシェイク