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院内のタスクシフトについて考える

こんにちは、はよんです!

あと数日で2022年もを終わりますね〜

今年のクリスマスはフライドポテト1kgと唐揚げ2kgを揚げました!
(そしてほぼ完食です)

来年は何kg揚げなくてはいけないのか想像もつきません・・・

さて本日は院内のタスクシフトについて少し考えてみたいと思います。

書こうと思ったきっかけはかなり前になりますが、
twitterでとある医師(と名乗っている人)が、

twitterの投稿内容、はよん改編医師が処置した後の片付けは看護師がするべき、だって診療の補助だから

と記載していたのを発見してからです。

以前こちらの記事でも記載しましたが、
確かに診療の補助は看護師が実施する業務の1つです。

しかしこの記事内の「診療の補助としての医行為」について記載している図のBに当てはまるので、
医師が実施しても良い業務になります。

法律上は看護師がしても医師がしてもどちらでも良いと私は解釈して、
一概に「看護師がやるべき」「医師がやるべき」ではなく臨機応変に対応するべき業務ではないかと個人的には考えています。

こちらのツイートは一部医療職界隈ではバズりまして、
もうリプ欄や引用ツイートが結構なドロ沼リプでした・・・

簡単に言うと、

医師(と名乗っている人)に賛成する意見(=主に医師(と名乗っている人)
VS
反対する意見(=看護師を始めとして他の医療職)

でもうめちゃくちゃでした。

twitterは大前提としてとても攻撃的になりやすいし、
twitter=世の中の全ての意見だとは全く思っていませんが、
個人的に今回の対立は、程度や個人によりますが、
多かれ少なかれ感じている医療職が多いのではないかと思い、
院内のタスクシフトについて少し書いてみようと思いました。

ドロ沼論争の背景

まずは今回のドロ沼論争の背景について私なりの考えをまとめると、大きく分けて以下2点ではないかと考えています。

  • どの職種も大前提として業務量が多い
  • お互いの事情を分からなさすぎる

どの職種も業務量が多い

当たり前と言われれば当たり前かもしれませんが、
恐らく院内のども職種も大前提として常にかなりの業務を抱えているのではないかと考えています。

私は元看護師なので、看護師が毎日びっくりするくらいのタスクを抱え、
人力ではあり得ないマルチタスクをこなしていることを痛い程知っています。

看護師の実際と比較すると、看護師以外の職種の解析度はかなり低いのですが、
それでも同じ空間で共にチームとして働いていて感じていたこととしては、
恐らく、医師も薬剤師も作業療法士も事務さんもお掃除のスタッフもみんな結構忙しいのではないかということです。

もちろん時間帯や日によって多少忙しさの波があるのは当たり前ですが、
それでもみんな限られた時間や人員で精一杯の仕事をしていたと思っています。

その人が抱えられるタスクの限界が100だとして、みんな常に130とか150くらいのタスクを抱えているのではないかと感じています。

つまりみんな結構な頻度で限界を超えているから、
これ以上仕事を増やしたくない
という思いは潜在的にあると思います。
むしろ「仕事をなるべく減らしたい」と感じている人が多いと思います。

お互いの状況がわからなさ過ぎる

みんな自分自身の状況や自分が属している職種の状況はとてもよくわかっています。

一方で自分以外のことって案外わらからないのではないかと考えています。
例えば一部の看護師は、

  • 医師は寝当直で●万円ももらってる
  • 自分たちは仮眠も取れずナースコールも鳴り止まない中で夜通し仕事をして夜勤手当は●千円だ

と考えている一方で医師は、

  • 当直後は通常勤務だから寝れる時に寝るのは当然だ
  • 呼ばれない時は書類業務や論文執筆やそれ以外の仕事をしているので案外寝れていない

と考えているかもしれません。
(上記はあくまで例なので実際医師と看護師がこう考えているかどうかはわかりません)

医師と看護師間だけでなく、医師と事務さん、看護師と薬剤師等様々な職種間で互いの業務内容や状況がよくわからない故の、

医療職種が他職種に抱えている可能性がある思いの一例「自分は▲▲と△△をしているのに●●は立って○○してるだけじゃん」「✖️✖️はいつも暇そうだ」「★★はいつも全然電話に出ない」

みたいな思いって大なり小なりあると思っています。

表面上ではそう見えても背景や裏側を知ると見え方が全然違うことって世の中たくさんあると思うのですが、
なかなか自分以外の職種の裏側を知る機会って病院ではないのではないかと感じています。
(少なくとも私が勤務している時はそうでした)

この小さな思いって時には職種間の亀裂や誤解にも発展すると考えています。

2つの背景故のドロ沼論争

今回私が冒頭で記載したtwitterのドロ沼論争はこの2つの背景が入り混じった結果ではないかと個人的には考えています。

この投稿をした医師が、処置後の片づけに関しては法律上医師がしても看護師がしてもどちらでも良いということを認識していたのか、
それともこれは看護師の仕事だから医師はしては行けないorしなくても良いと認識していたのかはわかりませんが、
どのような認識だったとしても、後片付けをする看護師の状況や立場を理解していなかった故の発言だった可能性は高いです。

またこの医師の投稿に賛同していた人々も同じです。

反論していた看護師もこの医師の状況を理解していないのに反論するのは良くないと思いました。

単純にこの投稿だけで「医師がすべき」「看護師がすべき」というのを誰も決めつけるべきではないし、決めつけられないと私は思いました。

業務が立て込んでない方がすれば良いだけの話なんですが、
それがここまでドロ沼論争になっている時点で何かもう少し職種間の闇を感じてしまいました・・・

院内のタスクシフトについて

ここでやっとタスクシフトの話になります!
タスクシフトって色んな業界で最近よく聞く言葉の1つで、医療業界でも働き方改革の1つのキーワードになっています。

実際、厚生労働省や看護協会ももタスクシフトを推進するような声明を出していたりします。

医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会www.mhlw.go.jp

https://www.nurse.or.jp/nursing/shift_n_share/guideline/pdf/tns_guideline.pdf

大前提としてタスクシフトが出来るのであれば実施するに越したことがないと考えています。

先ほど述べたように、病院で働くほとんどの人が常にキャパオーバーで仕事をしているので、常日頃「自分の業務を減らしたい」、つまりタスクシフト出来るのであればしたいと考えていると思います。

しかし私は院内において、
もはやタスクシフトする人がいないのではないかと最近考えています。

厚生省が大々的に言っている「医師の働き方改革のためのタスクシフト」は、
医師の業務量が多いので医師でなくてもよい業務は他の職種にタスクシフトしようという考えです。

もちろん医師の業務を減らすのは大前提として大事ですが、
一方で医師の業務をタスクシフトされた職種はどうなるのか。

医師以外の職種もキャパオーバーなのに、
医師がしていた業務の一部をタスクシフトされるとさらにキャパオーバーになるのはいうまでもありません。

これは医師からのタスクシフトだけに限らずどの職種間でも起こると考えています。

チーム医療故のタスクシフトによる弊害

さらにそこに先ほど私が述べた「お互いの状況がわからない」という大前提を付け加えると、

タスクシフトによる弊害の一例「自分達だけどんどん忙しくなる」「○○だけずるい」(この○○は医師だけに限らず様々な職種が標的になる可能性があります)

みたいな考えになってしまうことは容易に想像できます。

この職種間の誤解や亀裂は、チーム医療を実施している院内において本当に
大きなストレスになります。

もはやストレスだけでなく業務妨害にすらなると私は考えています。

チーム医療への弊害の一例「何で言ったのにやってくれない」「○○は返事が遅い」

このような日々の些細なことの積み重ねは、
医療職の働く環境に大きな悪栄養を及ぼすだけでなく、
最終的には患者さんやそのご家族にも悪影響を及ぼす可能性すらあると私は最近思っています。

院内のタスクシフトの限界

どの職種も毎日みんな必死で自分の業務をこなしている日本の病院において、
私はタスクシフトには限界があると考えています。
院内の業務量としては減ってなくて、
結局は業務を横流しにしているだけです。
誰かに仕事をなすりつけているようなものです。

もちろんとても余裕のある部署や暇な部署があれば横流しした方が良いのですが、
院内でそのような部署はなかなかないのではないかと考えています。

となるとタスクシフトによる働き方改革ってかなり限界があるというか、
一部の部署だけの限定的な効果しかないのではないかと考えています。

医師の業務をタスクシフトした結果、
医師の働き方改革は施行できたとしても、
他の職種の働く環境が劣悪になる可能性は高く、
故に離職したりサービスの質が低下する可能性があります。

大前提として、
院内のどの職種がいなくなっても病院は成り立たないのです。

多くの医療職以外の方は、
医師がいないと病院は成り立たないと考えているかもしれません。

もちろん医師がいないと病院は成り立ちません。

しかし看護師がいなくても成り立たないし、
薬剤師に理学療法士、事務、清掃員、
誰一人としていなくなっても病院は成り立ちません。

また、今のお互いの事情がよくわからない状況で、
職種間において案にタスクシフトをすることは、
医療職へのストレスという働く環境を劣悪にする要因の1つを増強するだけでなく、
チーム医療への弊害する生じる可能性があります。

と考えると、業務を横流しにするだけのタスクシフトは、病院全体を見た時本当に効果があるのかを今一度考えるべきだと私は思います。

タスクシフト以外の方法

医療現場で働くスタッフの働き方改革は、日本の質の高い安全な医療を守るために解決しなくてはいけない課題の1つです。
タスクシフトによる働き方改革に限界があるとすればどうすべきなのか。

人を増やす

一番良いのは人員を増やすことだと考えます。

人が増えることは業務の横流しではなく、
業務を分配できる人が増えることになるので、
かなり大きな効果が期待できます。

これが出来るに越したことはないし、
出来る病院はもう実施していると思います。

しかし前提として病院が利益を出しにくい構造になっている日本の病院で、
人件費をこれ以上増やすことは非常に厳しいのではないかと考えています。

さらに大きな視点で時代背景も付け加えると、
ご存知の通り日本の労働人口はどんどん減少していきます。
(まだ当分続きます)

また、職種や地域によっては離職率が高くなかなか職員が定着しない、
募集しても集まらないという問題もあります。

これも結局は給料を多く提示すれば人が集まる可能性は上がるのですが、
ほとんどの病院がそれを実施できないのが現状です。

業務量の減少

となると、次にできることはそもそもの業務量の減少です。

今病院全体の業務量が1000だとしたら、
これを900とか800にしなくてはいけません。

そしてその900を今いる人達に割り振ると、
自ずと1人あたりの業務量は減少します。

業務量減少には既存のワークフローや導線の見直しが必要です。

これはコンサルなどにお願いすることもできますが、
院内の人でも実施することが可能です。
(もちろん今の医療現場に普段の業務にプラスαでこれを実施できる病院は少ないと思いますが・・・)

それと同時に、
ITで代替できる部分は代替することも非常に効果があると思います。

職種や業務内容によりますが、機械に代替できる部分はお願いして、
人でないといけない部分だけ人が実施する、
このように業務の棲み分けをすることで、
1人あたりにかかる業務量は減少する可能性が高いです。

ITの導入や維持にはある程度のコストが発生しますが、人件費や採用費と比較すると安価になることが多いと考えています。

最後に

メディカルギークはまさに、
日本全国の看護師が毎日びっくりするくらい抱えている膨大な業務の一部をITに代替することで、
看護師の本来の業務である患者さんのベッドサイドへ行く時間を増やす環境作りの一助を担うことを目指している会社です。

看護師の業務は単純に量が多いだけでなく、
生活の支援及び診療の補助という言葉の元、
かなり多岐にわたり、まさに臨機応変だらけの業務です。

故に院内においても、
ITで代替することが非常に難しい職種の1つだと私は認識しています。

超えなければいけない壁しかありませんが、
共に走ってくれているチームと毎日悩み、
現場と一緒に模索しながら、
前を向いて歩き続けています。

是非会社や事業内容に興味のある方はお気軽にご連絡ください
(twitterのDM解放してます〜)

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