6月17日、パーソナルモビリティシステムを手がけるWHILL株式会社と合同で「With/Afterコロナ社会のロボティクス」に関するメディア向けオンラインセミナーを開催いたしました。
弊社の松井CEOとWHILLの辻坂 小百合氏に加え、東京大学名誉教授の佐藤 知正氏、ロボットエバンジェリストの羽田 卓生氏をゲストにお迎えし、講演とパネルディスカションを行いました。
詳しい内容については最後に各メディアの記事を掲載しますので、ぜひそちらもご覧ください。
まず、東京大学名誉教授の佐藤 知正氏からは、今回のコロナ禍によりロボット、特に遠隔操作ロボットには新たな価値が生まれ、同時に社会全体で強制的に実証実験をする必要に迫られているというご指摘がありました。それを通して本当に未来に必要とされるものが生き残っていくだろうというお話でした。
また、海外の事例を紹介しつつ、今後はハードウェアとしてのロボットを単体で売っていくのではなく、使い方教育やデータの分析手法など、ソリューションとして提供するようになっていくだろうというお話がありました。まさに”ugo”が大成、ミラと進めている警備ソリューションは同じスタイルでの提供を目指しています。
さらに、これまでロボットは「産業用」として捉えられてきたけれど、コロナ禍という環境の変化をきっかけにあらゆる世代の様々なシーンで人はロボットと関わるようになり、より身近な存在となっていくだろうということでした。それも”ugo”が目指す未来そのものです。
次のロボットエバンジェリストの羽田 卓生氏による講演では、人手不足解消のために注目されてきたロボティクスが技術的にもコスト的にも普及の段階になっていること、5Gによりさらにそれが加速されること、また当面は「人1対ロボット1 + AI」のスタイル(“ugo”もこのタイプ)が主流になる、といったロボティクス業界の現状を解説していただきました。
これらのロボティクスを取り巻く状況については弊社の過去記事でも取りあげていますので是非ご覧ください。
弊社の松井CEOは三番手として登壇。現在取り組んでいるビルメンテナンスの総合的なサービスパッケージの開発について、実証実験の様子をご紹介しながらご説明させていただきました。また、最近リリースした紫外線照射による「ついで消毒」について、海外からの問い合わせが多かったこともあり、開発に取り組んだ経緯をご紹介しました。
最後はWHILLの辻阪 小百合氏からWHILLの紹介と先日行われた羽田空港での自動運転パーソナルモビリティ導入実験のご紹介がありました。WHILLも人手不足や高齢化社会の問題を解決するためのものとして開発が進んでいたところ、今回のコロナ禍においてはソーシャルディスタンシングの観点からニーズが生まれたとのこと。移動の介助、例えば車椅子を押すといった行動においては距離を保つことは難しく、双方に感染のリスクが生じてしまいます。そこで、完全自動のパーソナルモビリティとしての実証実験が行われたそうです。
続いて行われたパネルディスカッションでも様々な意見が出ましたが、松井CEOからは今後の変化として、「人がやった方が早い」という概念が弱まり、ロボット活用のハードルが低くなり、デジタル化が促進されると新たな付加価値が生まれやすくなるのでは、というお話をさせていただきました。他のセミナーでもいつもお話ししている通り、ロボットが直接提供する価値の他に、それをチャネルとして新たなサービスが広がっていく未来を私たちは目指しています。
また、ロボットがこれから社会のインフラとして受け入れられていくまでに必要なことについて、松井CEOからは、「ロボットはあくまでもセンサーやコントローラーといった全体の一部なので、ロボットをインフラにするというよりは既存のインフラをロボット化するほうがスムーズ。その先に街全体がスマートシティになっていくのでは」とお話しさせていただきました。
パネルディスカッションの中で羽田氏から「この数ヶ月で何年分も進んだ印象」というお話しがありましたが、弊社にも世界中から多数のお問い合わせがあり、ロボティクスの新たなニーズを感じています。世界のあらゆる環境で”ugo”が活躍できるよう、WHILLさんはじめ、業界内の連携も強めて応えていければと考えています。
【メディアでの紹介記事】
PC Watch
遠隔操作や自動運転で“3密回避”。新型コロナ時代に必要とされるロボット技術とは