生成AI×保険業界|人とAIの「ぬくもりのある協働」を実現する挑戦
急成長を続ける株式会社ビヘイビアにおいて、AIと人間の「ぬくもりのある協働」を実現するためにどんな挑戦をしているのか。代表の河又さんに、創業のストーリーや、ビジョンや事業展望について伺いました。
ーーまず、これまでの経歴について教えてください。
もともと、学生時代からサイト作りから始まり、WEBサービスを立ち上げと運営を経験しました。最初はWEB開発の楽しさを感じていましたが、サービス運営をする中でよりよいサービスを作り社会に影響を与えたいという思いが強くなりました。
大学卒業後、たくさんのWEBサービス立ち上げを経験したいと思い、株式会社リブセンスにエンジニアとして入社しました。会社のフェーズとして、新規サービス立ち上げよりも既存サービス運用がメインとなったため、ビットバンク株式会社に転職しました。仮想通貨の社会的な盛り上がり、新たな事業へ潤沢な予算が使え、マーケティング部長を任されたことでとてもワクワクする仕事ができました。当時は月1億円の広告予算を使い、SEOや人材採用などを戦略的に進め、そこで得た経験は現在のビジネスに大いに活かされています。
ーービヘイビアを立ち上げたきっかけを教えてください。
ビットバンクでの仕事をやり切ったと思い、昔からの思いであった、「社会により良い影響を与えるためのWEBサービスを作りたい」という目標に向けて起業しました。
最初はHR-Tech領域で求人票管理サービスの開発や、自然言語処理技術をベースとしたWikiエンジンを開発をしました。しかし、新型コロナによる求人の減少や、その他技術的な壁に直面し、それらサービスは閉鎖せざるを得ませんでした。
生成AIの登場により、自分のやりたいことが技術的に可能になったと感じ、LLM技術を活用したAIカンパニーにシフトチェンジし、現在は保険業界×生成AIを軸に事業展開をしています。
生成AIによって社会が劇的に変化する中で、AIと人間の「ぬくもりのある協働」が必要という考えを抱くようになりました。人間の感性や情熱を大切にしながら、AIの力を最大限に活用することで、より良いサービスを提供できると思い、属人性の高い保険業界と生成AIを組み合わせたサービスを立ち上げました。
ーーどのようなきっかけで保険業界でのビジネスを始めたのでしょうか?
知り合いの保険募集人(生命保険や損害保険を販売する人)の手伝いをしたことがきっかけです。彼が抱えていた課題は、見込み客を集めることに苦労しているというものでした。そこで、WEB広告を活用した集客のお手伝いをしたのですが、その時に生成AIを活用することで、保険業界の課題解決ができる、とビジネスチャンスを感じました。
ーー具体的には、どのようなサービスを展開しているのでしょうか?
私たちが提供しているサービスは、保険業界における集客支援サービスです。保険探しをするコンシューマー向けには、自社メディアの「おかねとほけんのAI」「ライフライト」AIとのチャットで簡単案保険の知識を身に着け、自分に合った保険を気軽に見つけられるような仕組みを用意しました。地方では保険ショップが少なく、なかなか店舗にいけないことがあります。また、対面営業に対して抵抗感を抱く人も少なくない中で、オンラインで簡単に保険相談ができる環境を提供しています。
保険募集人には、自社メディアを通して保険探しする見込み客を送客するサービスとして「ASTRAL」を提供しております。保険募集人は多くの課題感を抱えています。近隣エリア以外の集客に苦労をしたり、相談者の事前情報が不足していたり、相手に保険の知識がほとんどなく、基礎的な説明をアポイントの大半に使い、本質的な保険のアドバイスができないなどがあります。
ASTRALで送客する相談者は、弊社のWEBメディアの「おかねとほけんのAI」「ライフライト」で保険の基礎的な知識を身に着けています。また、相談者のAIチャットや検索履歴からAIが最適な提案内容を自動生成し、募集人に提示をします。見込み客送客サービスは数多くありますが、Googleカレンダーと連携をして、自動でオンライン面談が調整できます。
ーーそれはとても便利ですね。保険業界のITやAI活用はどんな状況でしょうか?
実は、Googleカレンダーと連携してアポイント調整ができるサービスは数えるほどしかありません。保険業界はまだまだDX化が進んでいなくて、古くからの送客サービス会社は、募集人へのアポイント調整をメールや電話でやり取りしているケースがたくさんあります。
ASTRALを利用することで、募集人は事務作業の手間をかけず、全国の良質な見込み客と面談ができ、保険募集人としての本質的なアドバイス業務に集中できる環境を得ることができます。
ーー業界のDXの先駆けとなったのですね。募集人の方も喜ばれたのではないでしょうか?
サービスは2023年4月からスタートし、現在150社が利用しています。広域代理店のプレイングマネージャーがASTRALを導入し、約15ヶ月の継続利用で108件の有効面談を実施しました。その結果、年間2,800万円規模のプラン成立とともに、TOT(Top of the Table)を達成しました。この成功事例は、AIを活用した保険営業の効果を示す一例です。
※詳しくはこちらのページを参照しください。
https://www.behavior.co.jp/astral/for-insurance-agency/user-interview-1
ーー生成AIを活用したサービスの未来像を教えてください。
将来的には、チャットだけでなく、リアルタイムアバターやライフプランシミュレーションなどを活用して、保険探しをする人が「面白く、楽しく保険を学べる」仕組みを提供していきたいと考えています。さらに、募集人にとっては、自分の魅力を最大限に伝えるために、その人の人柄・思考のフレームワーク・提案スタイルなど移植したAIエージェントを作り、彼らの営業活動をサポートしたいです。
ーー生成AIと人間が協働する未来について、どのように考えていますか?
私は、AIが単純作業を担当し、人間の感性や情熱が求められる部分に焦点を当てることが大切だと考えています。人間が生きている社会において、感情的な部分や情緒は必ず残すべきものです。「この人に託してみよう」と感じさせるような信頼感を築くことが、人間ならではの力だと考えています。
ーー最後に、これからのビジネスに対するメッセージをお願いします。
私は、人の個性とAIの効率性を融合することで、かつてない価値あるサービスを実現できると考えております。弊社のサービスを広めて、保険業界の未来を一緒に作り上げる仲間を求めています。ぜひ、弊社のビジョンに共感していただけたら、一緒に、社会に影響を与えるサービスを作っていきましょう。