デジタルアートの会社と聞くと、映像をつくる職種ばかりを思い浮かべるかもしれません。けれど、展示が街に立ち上がるまでには、まったく別の種類の仕事があります。
「この街で、この規模で、成立するのか」を決める仕事
一旗のプランナー/マーケター/マネージャー職は、事業予算の策定、協賛の獲得、PR戦略、IP展開といった、ビジネス側から成長を牽引する役割です。
巡回型のイマーシブアートミュージアムは、どの都市で、どの会期で、どの規模の会場を押さえるかで、事業の成否がほぼ決まります。会場費、制作費、人件費、広告費。想定来場者数と単価。協賛や物販でどこまで積めるか。その全部を並べて「やる/やらない」を判断するところから、プロジェクトは始まります。
会場が決まっても、そこからが長いです。搬入経路は確保できるか、電源容量は足りるか、消防法の制約で何が置けないのか。物件のスペックひとつで、演出も原価も変わります。企画と数字を同時に見られる人でないと、この段階は前に進みません。
協賛は、お金を集める仕事ではない
協賛社に声をかけるとき、最初に話すのは金額ではありません。
その企業が何を伝えたくて、どんな人に届けたいのか。展示のどのシーンなら、それが自然に成立するのか。そこが描けないと、どんなに規模が大きくても一回で終わります。
名前をロゴで出すだけの座組みは、来場者にも協賛社にも残りません。体験のなかに意味を持って入っている状態をつくれるかどうかが、次回も一緒にやれるかどうかを決めます。
自社IPを持っているということ
一旗は「動き出す浮世絵展」「動き出す妖怪展」といった自社コンテンツ(IP)を持っています。受託制作だけの会社であれば、納品したらそこで関係は終わります。自社IPの場合は、つくった後にどう育てるかが本番です。
国内の複数都市を巡回し、パリや高雄など海外へ展開し、2027年春には銀座に常設館が開業予定です。一つのコンテンツが、都市を移りながら数年単位で育っていく。その設計図を描くのがこの職種です。
権利まわりの設計を自分たちでやる、ということでもあります。原画の所蔵先、監修者、音楽、グッズ、写真の二次利用。誰と何をどこまで取り決めるかで、数年後にできることが変わってきます。
数字と、美意識の両方を持つ
とはいえ、一旗の判断基準の最上位にあるのは「美意識」です。数字だけで押し切れば、体験の質は必ず落ちます。逆に、こだわりだけで進めれば、事業は続きません。
「ここは削れる/ここは絶対に削れない」を見極めるには、制作現場の言葉と、経営の言葉の両方がわかる必要があります。その翻訳ができる人は、この会社でとても価値があります。
実際、予算の話と演出の話は、同じ会議のなかで行き来します。この部屋のプロジェクターを二台減らせば何が失われるのか、その二台分を別のどこに回せば体験全体が良くなるのか。そういう議論ができるのは、両方の言葉を持っている人だけです。
こんな方と働きたい
・事業計画から実行まで、一気通貫で担いたい方
・文化・アート領域を、ビジネスとして成立させることに関心がある方
・数字にも、体験の質にも、どちらにも妥協したくない方
展示は、会期が終われば消えてしまいます。それでも、その街に何が残ったのかを語れる事業にしたい。そう思える方と一緒に働きたいと思っています。