共創型モノづくり「この指とまれ」で蓋物のお椀をつくろうと陶芸家の方に相談しています。粘土で形づくった際にはピッタリ合っている蓋が、焼くと収縮率の違いで合わなくなることがあるそうです。そう聞けば「そりゃそうだろう」と思えます。腕の問題かと言えばそうとも言い切れず、一定の割合で生じ、合わないものは破棄するそうです。歩留まりが悪くなる分は正規品のコストに反映されることになります。面白いことに、以前に老舗料亭で江戸時代の器だというカタカタと音がする蓋物を「最初は合っていたかも知れないが、たくさんあるからいちいち合わせていられない」と説明されましたことがありますが、他の客人も私も妙に納得して料理を頂いたことがあります。
その背景にあるものを知って理解し、あるいは経験して納得すれば許容できることは沢山あります。いっそのこと、これを文化的成熟と考え、その不完全さを愛でることができたら豊かな気持ちになれそうです(文・正木)
株式会社錢屋本舗
▶錢屋本舗本館とは? コロナ禍を経て見つめ直した多様な価値観の発信をします。 そして、その価値観を共有、共感して繋がれる方々のコミュニティーをめざします。 価値観そのものは抽象的な言葉であって捉えどころのないものかもしれませんが、それらをヒト(交流)モノ(商品)コト(体験)を通じて取り入れ、日々の暮らしをより豊かなものにしていただきたいと思います。その豊かさは経済的な豊かさとは違い、失うことも減ることもありません。 減らないならば分かち合うことを提案します。 減らないどころか、その豊かさは共感の輪となって広がり増えていくはずです。 心の距離の近い人に囲まれて、その輪の中にいる自分はきっと幸せでしょう。 ローソクの灯を分てば、周りがどんどん明るくなっていきます。 何かの拍子に自分の灯が消えたとしても、周りが明るければ困らないし、また分けてもらえます。 錢屋本舗本館は、そんな幸せの灯のようなコミュニティーでありたいと思います。