化粧品を主軸に、医薬部外品・化成品のOEM・ODM事業を行う株式会社コスモビューティー。
コスモビューティーでは、研究技術や営業提案力の向上をめざし、社内で「アイデアコンテスト」という取り組みが行われています。
研究員にとって、毎年新しい製品や処方を開発し、発表するという大変さはある反面、学びも多く、お客様にも喜ばれているこの取り組み。
今回は研究員として活躍し、毎年アイデアコンテストに魅力的なアイデアを発表しているお二人に座談会形式でインタビュー。
アイデアコンテストの魅力ややりがい、苦労などを詳しくお伺いしました。
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[執筆・取材・校正]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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ーコスモビューティーで研究職として活躍されているお二人。まずは簡単な事業紹介をお願いします。
寳澤 雅也(たからさわ まさや)さん(以下、寳澤)「新卒入社して5年目、福岡・博多の研究部所属の寳澤です。スキンケア製品やクレンジング製品の開発を担当しています。」
朴 清香(ぼく さやか)さん(以下、朴)「新卒入社して4年目、東京の研究部所属の朴です。スキンケア製品の開発を担当しています。」
ーまずは「アイデアコンテスト」の内容や目的を教えてください。
朴「部署長以外の研究員全員が参加し、1人1つ新しい製品や処方を開発して、全部署長と営業社員に向けて発表する社内コンテストです。
コンテストは年に3回、5月・8月・11月に開催され、約100人いる研究員はそれぞれ1回、いずれかの月のコンテストに参加する運営となっています。」
寶澤「アイデアコンテストは、開発技術の向上や、お客様にご提案する製品の幅を広げることを目的に行われています。
また、各研究員が『自分はこういった製品や処方を作ることができる』というアピールの場にもなり、新しく入社した営業社員にとっては、どの研究員がどのような開発技術を持っているのか知る機会にもなっています。」
ーアイデアコンテストに向けた開発は、どれくらい前から取り組むことが多いのでしょうか。
寶澤「周りの研究員は、コンテストの1、2か月前から準備している人が多いですね。
私は、その年のアイデアコンテストが終わったその瞬間から、次の年のアイデアコンテストが始まっていると思っているので、頭の片隅に常にアイデアコンテストの存在があるという感覚です。」
朴「東京の研究部でいうと、コンテストの3ヶ月前くらいから着々と準備を始める人が多いと思います。
でも私はギリギリに準備を始めるタイプで、1ヶ月前くらいに取り組み始めることが多いです(笑)。」
ーアイデアコンテストに向けた準備のタイミングは、人それぞれということですね。アイデアコンテストで発表するアイデアは、どのように創出しているのでしょうか。
寶澤「通常業務では、営業社員が取引先のお客様から要望を受けた商品の実現化に向けて開発を行いますが、アイデアコンテストでは自分オリジナルのアイデアで開発します。
アイデアの出し方は、研究員によって人それぞれです。
通常業務の中で作った製品から着想を得て新たな商品を作る人、自分が欲しいものを開発する人、世の中に全く類似商品がないものをイチから作る人など、様々なアイデアの出し方の研究員がいます。
私は年によってアイデアの出し方が変わりますね。」
朴「私は日常生活を送る中でふとアイデアが思い浮かぶことが多いです。
過去には、ラメ入りでまつげがキラキラ輝くマスカラを見て、『他にもキラキラさせるとかわいい体のパーツがないかな?』と考え、ラメ入りのヘアミストを開発して、アイデアコンテストで発表したことがあります。
最近だと、マスクを着用した際の摩擦が気になったので、マスクと相性のよい化粧品があったらよいなと考えています。
このように、日常生活でアンテナを高く張り、開発のネタ探しをしています。」
ー様々な着眼点でアイデアが創出されることがわかりました。アイデアコンテスト当日は、どのような流れでコンテストが進行されるのでしょうか。
寶澤「コンテストの前日までに、コンテストで発表される製品や処方のサンプルが全国全ての拠点の部署長と営業社員に配られます。
当日は全国の拠点をリモートで繋ぎ、手元のサンプルを実際に使用しながら開発者のプレゼンを聞きます。」
朴「プレゼンを聞いた後、部署長と営業社員はアイデアの採点を行います。研究部署長は技術の高さなどを評価し、営業社員はお客様への提案のしやすさ、製造の実現性、エンドユーザーに売れそうかどうかなどを考慮して採点を行います。
そして後日、採点の結果からトップ10が発表されます。よい順位にランクインできると、とても嬉しいですね!
ただし、1位を取ったとしても商品化されない場合もありますし、逆にトップ10入りしなくても何度も商品化される場合もあります。」
寶澤「アイデアが面白くても商品化しづらかったり、お客様の予算や希望販売価格に見合わなかったりする場合もありますからね。」
ー研究員が毎年力を入れて取り組んでいるアイデアコンテストですが、参加することで日々の業務に役立っていることはありますか。
朴「アイデアコンテストが終わった後、発表した製品について、営業社員の方々から問合せをたくさんいただくことがあります。問合せには『この製品にこんな成分を入れることはできますか?』『医薬部外品として商品化できますか?』などといった内容があります。
営業社員は日頃からお客様とコミュニケーションを取っているため、お客様が求める製品の特徴を熟知しています。その視点からの質問は開発のヒントとなり、大きな学びになっています。」
寶澤「アイデアコンテストで開発した製品を、営業社員と一緒にお客様に提案する訪問同行もすごく勉強になりますね。
お客様から生の声を聞き、お客様にどういった製品や処方のニーズがあるのかを学んだり、自分のどのような技術が今後の開発の武器になりうるのかを確認できたりします。
OEMで化粧品を開発・製造している会社で、研究員が営業社員の訪問に同行する会社は滅多にないので、この点は当社の強みであり、開発技術の向上におおいに役立っています。」
ーアイデアコンテストの取り組みは、お客様からも大変好評だと聞きました。どのような点でお客様の役に立つ取り組みとなっているのでしょうか。
寶澤「博多営業所では、既存の製品のほか、アイデアコンテストで発表された製品のサンプルも社内に展示しており、来社してくださったお客様が見ることができるようになっています。
私たちがお客様の元を訪問する場合、持っていくことのできるサンプルの数は限られていますが、お客様が来社してくださった場合、一気にたくさんのサンプルについてご説明することができるんです。
お客様によって商品化したいと感じる製品は全く異なるため、一度にたくさんのサンプルをご紹介できることで、商品化に繋がる確率が格段に上がります。
また年3回、アイデアコンテストが開かれており、定期的に新しい製品や処方が発表されることから、お客様も新しい商品の着想を得やすいという点で、お客様のお役に立っている面もあると思います。
実際、アイデアコンテストを楽しみにされているお客様も多くいらっしゃいますね!」
朴「競合他社ですと、営業社員からお客様に製品を提案する機会はあっても、研究員からお客様に提案する機会はなかなかないのではないでしょうか。その点で、他社との差別化が図れていると思います。
エンドユーザーのニーズについては、私たちよりお客様や当社の営業社員の方が詳しいですが、開発技術については研究員の方が詳しいです。アイデアコンテストは、お客様や営業社員に研究員が『こんな新しい技術があるんだよ!』と伝えることができる機会でもあるんです。
『世の中になかった商品を取り扱うことができる』『全く予想もしなかったアイデアの商品を実現化できる』ということを、アイデアコンテストを通じてお客様に知っていただけるため、お客様にとってもメリットのある取り組みだと思います。」
ーアイデアコンテストは、社内だけでなく、お客様にもお役に立てる、画期的な取り組みなんですね!最後に、コスモビューティーの研究職に興味を持ってくださった方に、アイデアコンテストの魅力のアピールをお願いします。
朴「OEMの化粧品を製造・開発する会社の多くは、お客様の要望のあったものをひたすら開発するということも多いと聞いています。しかし、当社では、アイデアコンテストを通じて、自分が作りたいものや提案したいものを実現化する機会があります。
アイデアコンテストに向けた開発は、苦しい時もありますが、それ以上に楽しい魅力があります!」
寶澤「アイデアコンテストは、自分の技術をアピールする良い機会になります。
そして、アイデアコンテストには約100人の研究員が参加するため、緊張感のある競争にはなりますが、他の研究員から刺激をもらい、切磋琢磨しあえる、やりがいのある取り組みです!」
全研究員が、自分の持つ技術力を発揮し、新たなアイデアを発表するアイデアコンテスト。
この取り組みは、研究員の開発技術や営業社員の提案力の向上につながるだけでなく、世の中に全く新しい商品をコンスタントに届けることができる、コスモビューティーの大きな強みとなっていることがわかりました。
「自分のアイデアを実現化して、世の中の役に立ちたい!」「研究員仲間と切磋琢磨して、自分の開発技術を磨きたい!」という熱い気持ちをお持ちの方、ぜひ当社で活躍しませんか?