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僕たちがZeLoを創った理由

ZeLoの小笠原です。前職の同期である角田と法律事務所であるZeLoとリーガルテックカンパニーである株式会社LegalForceを創業しています。

僕らがZeLoを創業した理由

今の四大法律事務所が革命的なローファーム2.0であるとするのであれば、僕たちは、ローファーム3.0を創る。

「ZeLo」は、弁護士でありかつペイパルの創業者であるピーター・ティールの「Zero to One」を参考に、情熱をもって(イタリア後でZeLoは情熱という意味)未だない0からLegalの領域で新しい未来を創っていくという意志が込められています。

創業者の名前を法律事務所名にしなかったのは、僕たちよりも優秀な子たちが事務所にたくさん入ってくると確信していたから。永続するトップファームを創ろうとしているのにおじさんたちの名前が事務所名についていたらイケていないと思われてしまいそうだった。

大風呂敷を広げてしまいましたが、ローファーム3.0とはなんなのか、どうしてこれを創ることを決意したのか。

大手ローファームに入所して

僕は、もともと祖父が精密機器を作る技術系の経営者で、祖父の苦労をよく祖母や母から聞かされていました。そういう経営者のサポートができるプロフェッショナルになりたいという思いから弁護士になりました。

そして、藤原総一郎弁護士に惹かれて森・濱田松本法律事務所という企業法務を専門に扱う大手法律事務所に入りました。

同事務所の前身である森綜合の話がとにかく面白かった。動物園のようにユニークで個性があって頭のきれる弁護士が集まり、合議を重んじ、先輩後輩関係なくいいアイデアを出したヤツが偉い、といった独特の文化をもつ。名もないところから勢い良く企業法務の黎明期を切り開き、一気に四大法律事務所の一角として成長していったという話にワクワクしました。そして、大規模化してなお開拓精神を失わないカルチャーと、藤原先生の異常なまでのカリスマ性に惹かれました。

森・濱田松本法律事務所は、現状においては、国内最大規模を誇り、紛れもなく国内随一の比類なき大手法律事務所だと思います。

何人かの密に接するパートナーとアソシエイトに鍛えられた仕事の最低水準は今でも僕の基準となっています。

弁護士四年目になって最高の事務所で最高の仕事をしているという高揚感を得ていた一方で、その頃から未来のリーガルサービスはどういったものになるかを考えるようになります。

森・濱田松本法律事務所の同期で共同創業者の角田とは、TOKIAの「串あげもの 旬s 丸の内店」(LINEで串揚げ行こうは結構合言葉になっていました)で現状のリーガルサービスの課題や改善点を夜ご飯時に二人で毎日のようにディスカッションしました。

既存のリーガルサービスの課題

現在の大手法律事務所は、大規模化・組織化することによって大規模な案件をこなせる組織能力を得たという点で革命的。しかし、大量の高価なアソシエイトを抱える中資金に余裕のある大企業に対しては高品質なサービスを提供できるが、それ以外の企業についてはリソースを割くことは困難。また、タイムチャージという報酬設計モデルがもたらす弁護士の労働集約的な働き方にもいずれ限界が来るのではないか。

それに弁護士は他業種に比べて提案力が弱い。仕事をサービス化していくことが苦手であるな、とも思いました。特にこれは、クライアントの心を掴む会計士やコンサルタントと大きな差がある。クライアントは、もっともっと提案を求めているのではないか、サービスを求めているのではないかというのが当時の僕たちの考察でした。

同世代起業家たちの背中とアメリカからの黒船襲来

そのようなことに思いを馳せている中、この頃にたくさんの起業家に出会い、また、多くの情報に接するようになりました。

・老舗の大手法律事務所から飛び出し、既存のチャットシステムやストレージサービスを駆使して一人で100社弱の顧問先を持ちつつも、海外を縦横無尽に旅行しながら過ごす型にはまらない弁護士(森・濱田松本法律事務所の弁護士しか知らなかった僕にはショックが大きすぎました)

・ブティックファームから飛び出し、ベンチャー企業をサポートする法律事務所を創業し、またたく間にベンチャー支援を組織的に実現した弁護士(そもそもベンチャーの生態系を知らなかった自分にとっては未知の領域を開拓していく姿が斬新に映りました)

・薬剤師を煩雑な薬歴記入業務から解放し薬局を医療と患者が繋がる“架け橋”に変えるスタートアップであるカケハシのCEOの中尾さん、COOの中川さん(自分たちの力を信じて旧態依然として薬局を変えていく同世代起業家たちのエネルギーに圧倒されました)

・空室という“死んだ”空間を資産に変える、スペースマーケットのCEOの重松さん(とにかくビジネスモデルが面白かった。思いつきそうだけど誰もやらなかったそのセンスに圧倒されました)

いずれの方も、自分のやり方で新しいサービスを生み出し、社会が抱えるペインを解決するために尽力していました。しかも、驚くことに、彼らは僕らの同世代。彼らに背中を押されたことは大きかった。

そして、アメリカではリーガル×テクノロジー(リーガルテック)が日本に先駆けて浸透しており、衝撃的なニュースが舞い込んできます。

“AI弁護士現る”―人工知能「Ross」が弁護士事務所に就職。カナダの法律事務所がIBMワトソンを用いた法令調査用人工知能を導入。これが弁護士4年目、2016年5月でした。

ドットが繋がりリーガルイノベーションを決意

この時、色々なドットが繋がりました。同世代の人たちが社会を変えようとしている。リーガル領域の課題についてもしっかりと向き合わければならないのではないか。

僕たちは、リーガルイノベーションを起こすことを人生の目標にしました。

具体的には、①リーガルテックを日本・世界に浸透させ、②あらゆるテックを用いながら次世代のリーガルサービスを生み出す。都市部の大企業だけではなく、スタートアップから地方の数人規模の企業まで、全ての企業が高度なリーガルサービスに公平にアクセスできる世界を創る。

①はLegalForceで実現し、②はZeLoで実現する。これらを実現するにあたって必要な全ての組織能力を獲得して、次の時代のリーガルテックリーディングカンパニーとトップファームを創ることを決めています。

既存の大手ローファームを2.0として、次の時代の組織モデルをローファーム3.0と呼ぶのであれば、その組織モデルにおいては、

・ナレッジはテクノロジーによって極めて効率的に共有され、

・コモディティワークはテックと弁護士以外のリソースによって最適化され、

・タイムチャージは一定の領域で廃止されるとともに、もっとパッケージングされた極めて高度で高品質なプロフェッショナルリーガルサービスが生まれる。

・所内にはエンジニアリングリソースを抱えてクライアントサービスに必要なテックサービスを調整するとともに必要であれば自ら開発を行っていく。

・意思決定プロセスはもっとシンプルであるにもかかわらず、組織は案件ベースでティール的に組成され自由闊達な心理的安全性の高い仕事環境は維持される。

僕たちは、こうした志をもってZeLoを創業しました。

創業して2年が経って

僕たちがZeLoとLegalForceを創業して2年が経ちました。

LegalForceの開発は苦難の連続で、開発は何度もピポットしました。今のAIによる契約書レビューシステムは、多くの人たちの情熱が奇跡のように融合して完成しています。ZeLoではテックを用いた次世代のリーガルサービスを創るためにLegalForceのヘビーユーザーとなり、業務に不可欠な存在となっています。

ZeLoは、当初クライアントが片手で数える程度。しかし、想像を超える程優秀でビジョナリーな創業期にジョインしてくれたメンバーたちの異常なほどの情熱と、これに携わってくれた優秀なインターン生たち、そしてそれを支えてくれた情熱的なスタッフによって、急成長しています。次年度の売上は創業初年度の売上の6倍にまで急拡張し、多くのクライアントが僕たちについてきてくれました。

SlackやChatWorkを用いたシームレスな法律相談、CLOとしてのクライアント内部へのコミット、ルールメイクをクライアントともに行うパブリックアフェアーズ、もともと最先端技術への感度が異常に高い人たちが集まる中で、その感度を活かしたAI・ブロックチェーン、X-Tech、宇宙という法領域の開拓、一つ一つ地に足をつけて歩いていく。

創業当初は片手で数えるくらいしかいなかったクライアントも、今では100を優に超え、僕たちについてきてくれていることは、僕らの取り組みが、時代に受け入れられるものであることを確信に変えるものでした。

ローファーム3.0として

既存のプロフェッショナルなリーガルサービスを深化させるとともに、新しいサービスを探索するという両軸でこれからもZeLoは発展していきます。

これから弁護士になる方は、きっとどこの事務所に就職したらいいのか多くの悩みがあると思います。洗練されたオフィスや大組織がピカピカに見えると思います。僕たちが提供できるのは時代の変わり目で混沌としたマーケット環境の中で、組織的な大きなビジョンに向かって走り続ける一体感と、一人一人がファームの経営者・当事者として大きな裁量をもって切り拓く挑戦の場だと思っています。多くの学生と同じような思考ではなく、コモディティとならず、自分で考え、自分で立つ気概がある人にとっては、とんでもなくエキサイティングなフィールドだと確信しています。

急成長する創業期のローファームとして、次の時代を創るという気持ちをもって携わっていただける仲間のジョインを心待ちにしています。

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