2025年、QIXは創業から15年という節目を迎えました。
医療、福祉、教育、そして暮らし。
この15年、私たちは動物医療という現場の只中から、それらとつながる「問い」を見つめ続けてきました。
始まりは、現場の“違和感”でした。
獣医師として動物病院に立つなかで、私はこんな想いを何度も抱えてきました。
「なぜ、これが“無い”んだろう?」
必要とされる製品が無い。
現場で使いやすい処方が無い。
あっても、使いにくい。伝えにくい。続かない。
市場が小さいから? 誰も作らないから?
でも、そこに“困っている誰か”がいることだけは、確かだった。
だからこそ私は、「無いなら創ろう」と決めました。
モノづくりとは、声を聴き続けること
QIXがやってきたのは、製品を“売る”ことではありません。
むしろ、現場や飼い主の声に耳を澄まし、「なぜそれが必要なのか」を言語化し、問い直し、形にすることの連続でした。
科学と現場感。安全性と使いやすさ。
そのあいだで何度も揺れながら、“本当に届けたい価値”とは何かを探り続けてきたのです。
振り返れば、それは製品開発でありながら、「問い直しの営み」そのものでした。
QALから、QXLへ。問いのスケールが変わってきた。
創業以来の理念「QAL=Quality of Animal Life」。
それは、「人間にとって当たり前を、動物にも」という願いでした。
しかし、いま私たちは、この“当たり前”を、さらに広く問い直そうとしています。
高齢者、障害のある方、ケアを要するすべての存在へ。
家庭と病院、医療と教育、専門と生活のあいだにある「見えにくいギャップ」へ。
それを包含する言葉が「QXL=Quality of X-Life」です。
“X”とは、あらゆる命と関係性のこと。
私たちは今、QXLという次の問いを抱えて、また一歩を踏み出そうとしています。
15年というのは、単なる“区切り”ではない。
それは「過去の集大成」ではなく、「問いの深まり」なのだと思います。
なぜ私たちは“創る”のか?
何が“足りない”と感じているのか?
誰と“共に考える”べきなのか?
この15年で、私たちはいくつかの問いに答えてきました。
でも、まだ終わっていない問いも、たくさんあります。
そしてきっと、次の15年は、その未完の問いとともに歩む時間になるのだと思います。
最後に:あなたの“違和感”は、何ですか?
組織の中にある小さな歪み。
飼い主との間にある伝えにくさ。
制度のすき間に置き去りにされている誰かのこと。
それらを“違和感”として受け止める力こそ、次の創造の種になる。
私たちはそう信じています。
だから、ぜひあなたにも問いかけたいのです。
「あなたの“無い”は、何ですか?」