「どんな子にも、無理なく施術してあげたい。」
そう語るのは、QIXが運営する動物病院連携型トリミングサロン『QTREE.(キュートゥリー)』の店長・冨丘さん。
QTREE.は、通常のサロンでは受け入れが難しい高齢犬や持病のある犬たちを積極的に受け入れ、動物病院と連携することで、安全で安心な施術を提供しているサロンです。
今回は、QTREE.で働くおふたりのトリマーに、働く魅力やサロンのこだわり、そしてこれからのビジョンについてお話を伺いました。
登場人物紹介
冨丘 竜也(店長)
トリマー歴11年。動物病院併設のサロンで経験を積んだ後、QIX代表に声をかけられ、QTREE.の立ち上げメンバーとして参画。現在は店長として現場を支えている。
デールジリアン 愛花(トリマー)
カナダのサロンで2年間トリマーとして勤務。日本のカット技術に惹かれて来日し、QTREE.に入社。現在はシャンプーやプレカットを担当しながら、日々スキルを磨いている。
■ 「犬にとってのやさしさ」を最優先に
──QTREE.は、どんなトリミングサロンですか?
冨丘:
高齢や持病のある子を受け入れられる環境が整っているのが最大の特徴です。飼い主さんにも安心して預けてもらえるよう、動物病院との連携を大切にしています。
愛花:
どの作業も丁寧で、技術のクオリティが高いなと感じます。カナダでは2時間で1頭仕上げるスタイルで、とにかく早く仕上げるのが優先だったので、QTREE.では犬にしっかり向き合えることが本当に嬉しいですね。
■ 一日の仕事の流れと、QTREE.のこだわり
──1日の業務はどんなスケジュールですか?
愛花:
朝は掃除や受付周りの整備、シンクや犬舎の準備などから始まります。飼い主さんの来店は午前中が中心で、14時が最終受付です。
冨丘:
お預かり後は、体重を量って、爪切り、肛門腺、耳の処理などをしてからシャンプーに入ります。シャンプーと乾かしは愛花さん、カットは僕が担当。分業制にすることで効率も上がり、午前中のうちに全頭のシャンプーを終わらせるようスケジュールを組んでいます。
愛花:
途中でおやつ休憩やトイレ休憩を挟んだり、犬たちのペースに合わせて施術するのもQTREE.らしいところです。施術が終わったらすぐに片付けに入って、閉店作業の負担を減らす工夫もしています。
■ 医療とつながる、安心のトリミング
──高齢犬や疾患犬への対応で特に気をつけていることは?
冨丘:
施術前に健康チェックをして、異常があればその時点で飼い主さんに確認します。常に犬の状態を気にかけながら作業しています。
体調に不安があれば施術を中止する判断もしますし、それも含めて事前に丁寧に説明しています。
愛花:
毛玉が多い子に対しても、無理にブラッシングせず、バリカンを提案するなど、犬にとってストレスの少ない方法を選んでいます。施術中も「大丈夫だよ~」と話しかけて、安心してもらえるように心がけています。
■ QTREE.ならではのやりがい
──印象に残っているエピソードはありますか?
冨丘:
年末に1日で15頭仕上げたときは大変でしたが、すごく達成感がありましたね。
あとは、亡くなった子の飼い主さんから「最後まで見てもらえて本当に良かった」とお礼の連絡をいただいたことがあって…。そのときは心からこの仕事をしていてよかったと思いました。
愛花:
飼い主さんと犬、そして自分が“家族みたい”な気持ちになれる瞬間があります。そういうときに絆を感じますし、やりがいを感じます。差し入れをいただいたときも、信頼関係が築けているんだなと思えて嬉しかったです。
■ 物販や飼い主対応も大切な役割
──トリミング以外の業務もありますか?
冨丘:
お迎えの際に、製品の紹介や販売もしています。飼い主さんの視線が商品に向いたら自然に説明する感じで。おすすめはオーラルケア用品ですね。
愛花:
「今日、おやつ持ってこなかった」という方には、おすすめのおやつを紹介したりもしています。無理に売るのではなく、飼い主さんの生活に寄り添う形でご提案するのがQTREE.のスタイルです。
■ 小さなチームだからこそ、支え合える
──職場の雰囲気はどんな感じですか?
冨丘:
僕はもともと一人でやっていたので黙々と作業していたんですが、愛花さんが来てくれてから場が明るくなりました。
愛花:
毎日楽しいです!わからないことがあればすぐに店長に聞けますし、サポート体制もあるので安心して働けています。
──困ったときは誰に相談しますか?
冨丘:
監修の髙木美樹先生にはLINEや電話で相談できますし、運営をサポートしてくれている本社の立石さんにもすごく助けてもらっています。
■ 入社してからの成長とサポート
──スキルアップを感じたのはどんなときですか?
冨丘:
シャンプーの仕方が一番変わりました。しっかり洗えると乾きも早くなるし、犬の負担も減って、結果的に仕上がりも良くなるんです。
愛花:
カナダではやっていなかった肛門腺絞りに苦戦しましたが、2か月くらいかけてようやくできるようになりました(笑)。日本では当たり前の“泡で洗う”というシャンプー方法も、カナダではやっていなかったので新鮮でした。
日本語のビジネス用語や予約対応なども、立石さんが優しく教えてくれています。
■ QTREE.で働く魅力、そして未来へ
──QTREE.で働く魅力とは?
冨丘:
トリマー・獣医師・飼い主が、犬を中心に考えている環境って、意外と少ないと思うんです。QTREE.はその理想に近い場所です。
愛花:
「ドッグファースト」でいられること。飼い主さんと一緒に、愛犬のことを真剣に考えられるところが好きです。
──どんな仲間に来てほしいですか?
冨丘:
犬のことを一番に考えられる人なら、きっと合うと思います。
愛花:
飼い主さんの要望よりも、犬の安心・安全を大切にできる人と一緒に働きたいです。
犬の人生に寄り添う仕事を、一緒に
QTREE.には、年齢や状態に関わらず、犬たちを受け入れ、無理のない施術を通じて“その子らしく生きる”サポートをしていく文化があります。
そして、働くトリマー自身も、着実に成長していける環境があります。
「もっと丁寧に犬と向き合いたい」
「一人では難しいことを、チームで乗り越えたい」
そんな想いを持ったあなたを、QTREE.は歓迎