横浜・大さん橋ホールにて開催した「QIX EXPO 2025」。
当日はたくさんの方にご来場いただき、ブースやステージは想像を超える盛り上がりとなりました。ご協力くださった皆さまに心より感謝いたします。
まずは、開会宣言に続き、QIX代表取締役社長・生田目によるオープニングスピーチから。当社の15年の歩みと、これから描く未来について語られました。
【オープニングスピーチ】QIX15年の軌跡と新たな挑戦 ~QALからQXLへ~
本日は、飼い主の方々、動物医療やケアの現場で働く皆さま、そして共にQIXを支えてきた、500名を超える多くの仲間が集まってくださいました。本日はQIXの15年を振り返りながら、皆さまと一緒に未来を考える時間にしたいと思います。
私が「社長になる」と決めたのは、今から30年前、獣医学科の学生だった20歳の夏です。あるアルバイト先で、背中で語る社長に出会い、その姿に衝撃を受けました。「獣医がなぜ社長に?」と不思議がられましたが、経営は現場で学ぶものだと考え、私は当時注目されていた九州の飲食系ベンチャー企業へ飛び込みました。
「3年で10年分の経験を積ませる」──そう言われて入ったその会社では、1年目から新店舗の立ち上げ、新業態の開発など、次々と新しいことに挑戦しました。その現場で学んだのは、一人ひとりのお客様に向き合う姿勢と、ゼロから仕組みをつくる力でした。この経験は、今のQIXの事業づくりにもつながっています。
ある日、実家で飼っていた犬・純太が病気になったという連絡がありました。父が拾ってきた雑種の犬ですが、私たち家族にとってはかけがえのない存在でした。
手術後に一時は元気を取り戻したものの、再発して亡くなりました。母がペットロスに沈む姿を見て、私は獣医師の資格を持つ自分が何もできなかったことに強い無力感を覚えました。
当時の動物病院は、「怖い」「説明がない」「行きづらい」と言われていました。母にとっても、納得できる情報が十分に届いていなかったのだと思います。
私は、誠実な診療があってもなお届かない想いがあることに気づきました。そして、「仕組みを変えることで、同じ想いをする人をなくしたい」と決意しました。
出版社インターズーで3年半、動物医療の現場や課題を学びました。しかし、情報や教育だけでは足りないと実感し、2003年に武士俣副社長と共にプリモ動物病院を開院。「近所のやさしい獣医さん」を掲げ、安心して通える病院を目指しました。
そして2009年、「無いなら、創る」の精神でQIXを創業。METHOD、BASICS、JOYZZE、PEなどのブランドを通じて、動物と飼い主の暮らしを支える商品やサービスを届けてきました。
今、私たちが取り組んでいるのが“食”です。フードこそがケアの基盤であり、健康を守る日常の要だと考えています。
新たに発表した「Smileyシリーズ」では、“ごはん”をもっと安心で、もっと楽しく、もっと笑顔があふれるものにすることを目指しています。ぜひ、会場で実物をご覧いただきたいと思います。
私たちはQAL(Quality of Animal Life)──動物と飼い主の暮らしの質を大切にしてきました。これからは、QXL(Quality of Life in harmony with animals)へと進化させます。
動物との関わりは、人を癒し、地域を豊かにし、社会を前向きに変える力があると信じています。教育、福祉、地域づくりへと、その力を広げていくことが私たちの次のステップです。
QIXはいま、第二創業期に入っています。創業世代として私が切り拓いてきた道を、次の世代が引き継ぎ、新しい仲間と共に広げていくフェーズです。
QIXは、スタッフだけの会社ではありません。共に価値を創る病院、サロン、企業の皆さまがいて、初めて成り立つ大きなチームだと考えています。
5年後、10年後。あなたの愛犬・愛猫はどんな表情であなたを見ていますか?その隣で、ご家族はどんな笑顔を浮かべているでしょうか?
「無いなら、創る」──この言葉は、QIXの起点であり、未来への約束でもあります。QALからQXLへ。これは単なる言葉の変化ではなく、社会全体への視野を広げる進化です。
未来を、一緒に描いていきましょう。そして、一緒に創っていきましょう。
今回は、QIX EXPO 2025 代表取締役社長・生田目によるオープニングスピーチの内容をお届けしました。QIXの原点、そしてこれからの未来に向けた挑戦を、少しでも感じ取っていただけたなら嬉しく思います。
次回のレポートでは、特別記念講演の様子をお伝えします。どうぞご期待ください。