皆さんこんにちは。株式会社ほんとうのこと 政府支援策推進部の永野です。
前回の記事で中小企業診断士試験(一次試験)の科目について全体像を簡単にご紹介しましたが、今回は科目ごとの詳細をご紹介いたします。
■試験科目の難易度や二次試験との関連性
・難易度
試験の合格者数や学習のしやすさ、暗記量や計算量などを指標に、点数をつけています。
※星の数が多いほど、難易度が高い。
・二次試験との関連性
二次試験の範囲に含まれているか?二次試験突破に役立つか?を指標に、点数をつけています。
※星の数が多いほど、関連性が高い。
・実務との関連性
実際の現場で、勉強しておいて良かったなあと感じた科目に高評価をつけています。
※星の数が多いほど、関連性が高い。
かなり個人差があると思いますが、私の独断と偏見で表にまとめてみました。
■経済学・経済政策
経済学・経済政策では、主にマクロ経済学とミクロ経済学を学習します。マクロ経済学は国民所得や投資、消費や貯蓄などの集計値である国単位の経済活動を分析するものです。対して、ミクロ経済学は家計の消費活動や企業の生産活動などの個人や企業単位の経済活動を分析するものです。
専門用語の多い文章問題の他に、グラフを用いた問題なども出題されるため、なんだか難しそうだな~という印象を受ける方が多い科目だと思いますが、意外とパターン数が少なく、基本をしっかり理解してしまえば、応用が簡単な科目です。言い換えれば、暗記量が少ない上に計算量も少ない、とっつきにくいが点数を稼ぎやすい科目だと言えます。
■財務・会計
財務・会計では、企業の経営分析に必要不可欠な知識であるファイナンス(財務)とアカウンティング(会計)を学習します。企業の通知表とも呼ばれる財務諸表を的確に読み取り、利益や資産、資金や負債などの各種数値を理解・分析することが目的です。
財務・会計は覚えるルールが多い上に、計算問題が非常に多く、応用力が求められることから、単なる暗記では対応が困難な科目だと言われています。しかし、公認会計士や税理士、日商簿記検定2級や1級を取得している方にとっては、出題内容が近いため、ボーナスステージに変貌します。
■企業経営理論
企業経営理論では、文字通り企業経営や企業診断の基礎やセオリーを学習します。大きく分けて、事業領域の決定に関連する「経営戦略論」、経営資源のヒトに関連する「組織論」、消費者のアプローチに関連する「マーケティング論」の3つがあります。経営に関する現状分析や問題解決、将来の事業計画作成を行うために必要不可欠な知識たちを獲得することが目的です。
高校の社会科目や文系大学の講義にも登場する超有名なセオリーがズラリと並ぶため、「あれ、どこかで聞いたことがあるぞ?」という単語が頻出します。暗記量は非常に多いですが、取り組みやすい科目です。
■運営管理
運営管理では、「生産管理」と「店舗・販売管理」を学習します。生産管理では、製造業の製造工程や品質管理などの現場に即した問題点の把握、課題解決方法の提示などに必要な知識やセオリーを学びます。店舗・販売管理では、小売業や卸売業、飲食業をはじめとするサービス業の店舗立地や店舗施設、販売や流通に関するセオリーを学びます。
実務で必要となる知識が詰め込まれた科目なので、丸暗記ではなく、頭の中に具体的なイメージを描きながら学習するべき科目です。
■経営法務
経営法務では、企業経営にまつわる法律を中心に、諸制度や手続きなどに関する実務的な知識を学習します。コンプライアンス経営が当たり前の世の中に移り変わってきており、企業側のリスク管理の重要性が高まる中、実務においても法的知識は不可欠と言えます。
ひたすら暗記する科目で、法律が日々アップデートされていくため、一次試験の中でも難易度が高い科目だと言われています。
■経営情報システム
経営情報システムでは、企業内の情報・ネットワーク管理の基礎やセオリーを学習します。大きく分けて、情報技術に関するITの領域と、情報システムに関する領域の2つの視点から、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークなどの技術的な知識とシステム構築の基礎を学習します。
学習しなくても合格点を取れる方も多いのではないか?という科目です。反対に、横文字が多いので、ITやネットワークに疎い方は苦労する科目かもしれません。
■中小企業経営・政策
中小企業経営・政策では、中小企業の実態や国の施策について学習します。中小企業経営では、中小企業の経営特性や経営課題、中小企業の実態把握を目的としており、中小企業白書からの出題が大半を占めます。中小企業白書は膨大な量のデータが記載されており、丸暗記することは困難なので、過去の出題傾向から対策を立てて学習していきます。中小企業政策は、国や地方自治体が講じている各種の施策について学習します。
次回は、科目ごとに、私の学習方法などについてご紹介したいと思います。