「やる気スイッチ」をONにするコツ ~やる気のメカニズム~
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やる気が出ない…そんな経験ありませんか?
「やらなきゃいけないことがあるのに、どうしてもやる気が出ない」「気分が乗らずに先延ばしにしてしまう」——こんな経験は誰しもがあるのではないでしょうか?
例えば、試験勉強や仕事の資料作成、部屋の掃除や片付け。やり始めれば意外とスムーズに進んだり、時間を忘れるほど集中できたりするのに、始めるまでがとても億劫に感じることがあります。なぜ私たちはやる気が出るのを待ってしまうのでしょうか? そして、どうすれば「やる気スイッチ」を押せるのでしょうか?
やる気スイッチは「やる気が出たときに入る」わけではない
実は、「やる気」が「行動」を起こさせるのではなく、「まず行動することでやる気スイッチが入る」のです。これは多くの心理学者や脳科学者によって研究されてきた事実であり、「やる気が出るのを待つ」というのは非効率的であることが分かっています。
人間の脳は、行動を起こすことで次第にやる気を生み出していく仕組みを持っています。つまり、「やる気がない」と感じるときこそ、小さな一歩を踏み出すことが大切なのです。
「作業興奮」——動き出すことでやる気が生まれる
ドイツの心理学者エミール・クレペリンは、「作業興奮」と呼ばれる現象を発見しました。
これは「人間は、作業を開始すると次第に興奮状態になり、やる気が湧いてくる」というものです。たとえば、ランニングを始める前は面倒に感じるのに、走り出してしまえば気持ちが乗ってくる——これは作業興奮の一例です。
仕事や勉強でも同じことが言えます。最初の5分だけ取り組んでみると、意外とそのまま集中できることが多いのです。「とりあえず手を動かしてみる」ことが、やる気を引き出すポイントとなります。
やる気のカギは「側坐核(そくざかく)」にあり
脳科学的に見ると、やる気の発生には「側坐核(そくざかく)」という脳の部位が深く関わっています。
側坐核は、行動を開始したときに活性化し、「もっとやりたい」「続けたい」という気持ちを生み出します。つまり、やる気のスイッチは脳の側坐核によって押されるのですが、そのためにはまず少しでも行動を起こす必要があります。
逆に、何もせずにダラダラしていると側坐核は働かず、やる気はますます湧いてこなくなります。「とりあえず机に向かう」「ノートを開く」など、小さな行動を積み重ねることで、側坐核を刺激し、やる気を引き出すことができるのです。
まとめ:まず目の前の小さな作業から始めよう
「やる気が出ない」と感じるときは、脳を騙してやる気を生み出すことが大切です。そのためには、
- 「やる気を出してから行動する」のではなく、「まず行動する」ことを意識する
- 「作業興奮」を活用し、小さな行動から始める
- 側坐核を刺激するために、とりあえず動いてみる
この3つを意識することで、自然とやる気は後からついてきます。
最初は読む気がなかった記事でも「3分だけ」と思えば最後まで読めてしまうのも、実は「やる気のあるある」だったんですね。
「やる気がないからできない」と考えるのではなく、「まず5分だけでもやってみる」と行動することで、やる気スイッチは自然とONになります。今日からぜひ試してみましょう!