クレジットカードでの買い物の仕組み2

決済代行会社netmoveによる、クレジットカードでお買い物をした時の仕組みを説明する会のvol2です。

前回はこちら

今回は、クレジットカードで決済をした際、決済「情報」が決済端末を介し、イシュアやアクワイアラに送られるのですが、その「情報」がどのような流れで送られるかをざっくり説明します。

ICカード

流れを説明するため、まず、クレジットカードとして使用されているICについて理解しましょう。近頃CMでも流れる非接触については別の機会に。

ICカード導入の背景

磁気カードタイプのクレジットカードの不正使用が増加し、看過できなくなってきたという背景があります。
一般に使われている磁気クレジットカードは情報量が少ないという性質上、不正利用されやすいです。
スキミングという方法を使えば、およそ2,000円程度で偽造カードが作れてしまうほど、セキュリティ面は脆弱です。

ICカードの特長

磁気カードと比較すると、セキュリティ性の向上、記憶容量の増大、マルチアプリケーションへの対応などの特長が挙げられます。

ICカードの種類

ICカードは、リーダライタ（カードのデータを読み取る装置）との通信や半導体チップを動かす電力を供給する手段によって、
「接触型」と「非接触型」に分類されます。

接触型と非接触型ICカードの比較

「接触型」は接点 (端子) 、「非接触型」はアンテナコイルを内蔵しています。
「接触型」は表面に接点が露出しており、直接リーダライタと接触させなければなりませんが、
「非接触型」（タッチ決済）は内蔵アンテナから発生させる電波で通信するため、接触による表面の摩耗や損傷を受けにくい構造になっています。

現在は、接点端子とアンテナコイル、両方を内蔵したカードが主流となっています。

※この場合注意したいのは、接触と非接触の違いはリーダライタとの通信方法のみであり、
 カードから渡される情報は変わらないということです。

ICカードに印字されている主なカード情報

■ 氏名

名義人（クレジットカードを申込んだ所有者本人）の氏名

■ カード番号

14～16桁のカード固有の番号、英名ではPAN（Primary Account Numbe）。
カード番号の桁数については、国際ブランドにより変化します。（19桁のカードも一部ブランドにあります。）

VISA：16桁
MasterCard：16桁
JCB：16桁
American Express：15桁
Diners Club：14桁（16桁への移行計画あり）
Discover：16桁
銀聯：16桁、19桁

■ 有効期限

カードの有効期限

■ セキュリティコード

カード裏面に記載されている3桁の数字です。（AMEXは4桁）
クレジットカードには磁気ストライプやICチップに、カード番号をはじめとする多くの情報が記録されていますが、セキュリティコードは磁気ストライプやICチップに記録されておらず、カード利用者が本当にカードを所持していることの確認になります。

■ 2023年現在のICカード

2023年現在、普及し始めている両面ナンバーレスタイプのICカードは下記のようなデザインです。

決済端末

決済端末とは、みなさんが小売店でクレジットカード決済をするときに、カードを挿入したり、タッチしている端末のことです。
厳密ではありませんが、下記のようなイメージでカード会社に情報が伝送されます。

これでこの章は終わりでも良いのですが、もう一歩だけ踏み込んで、EMVについて学んでみましょう！

EMV

EMVとは

いきなりEMVと言われても何のことやらですよね。
EMVとは「Euro pay、MasterCard、VISA protcol」の略で、それら3つの組織が「EMVCo.」という組織を作って定めたICカードの統一規格です。「EMVCo.」は、他にも決済端末などの仕様を定めたり、その認定機関としての役割も果たしています。
クレジットカード、決済端末ともに、この統一規格に準拠する必要があります。