編集部(以下編集):本日はユニコーンファームについて色々な角度からお伺いしたいと思います。
田所雅之(以下田所):よろしくお願いします!
それでは最初にユニコーンファームのミッションについて教えてください。
田所:我々ユニコーンファームのミッションは一言で表しますと「Innovating Innovation イノベーションに革命を起こす」です。
続いてユニコーンファームのビジョンについて教えてください。
田所:「Create 1,000 unicorns ユニコーンを1,000社創造する」が我々ユニコーンファームのビジョンです。
そして我々の支援先はユニコーン企業に限りません。新たな市場を創出する人を1,000人創出し、ユニコーンファーム自体が市場創出のプラットフォームとなることが、我々の目指す方向です。
ユニコーンファームのバリューについても教えてください。
田所:我々のバリューは3つあります。
一つは「Be an Entrepreneur」。
起業家の為の起業家たれ。
起業家の方と伴走するには、我々にも圧倒的な当事者意識が必要です。メンバーもP/Lに責任を持つのは当然として、起業家の片方に提案をご納得いただくために自らも起業した経験が必要です。我々はスタートアップを支援する集団です。そして顧客は起業家です。サラリーマンの思考では務まりません。
二つ目は「Learn or Die」。
メンバーは死ぬ気で学んでいます。
我々は一つの領域に限った支援を行う集団ではありません。マーケティング、ファイナンス、HR、セールス、それぞれ単一のファンクションの専門家ではなく、あらゆる領域でバリューを出せる人材でなくてはなりません。
ですのであらゆる領域の知識をインプットし、それをアウトプットする必要がある。結論死ぬ気で学ばねばなりません。
三つ目は「Go the Extra Mile」。
我々はやり抜いたと実感したときにあと一歩踏み込む。
我々は人と人との間でバリューを出すサービスを営んでいますので、高いサービス精神が必要です。
これこそが我々のカルチャーで、この精神を持つメンバーがユニコーンファームのバリューとなります。近々、メンバーに対してどれだけ自身のバリューを発揮しているか、発表してもらうことにしています。発表内容も定点観測して、メンバーの高い成長に寄与していきたいと考えています。
ユニコーンファームの事業にまさしく「命懸け」で取り組んでいらっしゃると思います。そこにはどのような背景があるのでしょうか?
田所:新たな産業を創ることが、ユニコーンファームに限らずビジネスパーソン誰もが抱えるミッションではないかと考えています。
全ての事業は新規事業から始まります。国内生産700兆円のうち35兆円が新規産業といわれています。
しかしそれは本当なのかと疑っています。新規産業の大半は無駄となり社会的損失につながっているのではないかと。
別の視点でお話しましょう。
私は国内の大手メーカーなど様々な企業で新規事業支援をしています。そこで感じるのは、企業が「本気」で新規事業創出に取り組んでいない可能性があるのでは、ということ。そして大手企業になるほど、既存商品やサービスのP/Lを良くすることに注力しているのでは、とも感じます。
もしこの感覚があらゆる企業で起こっているのならば、GAFAのような企業は日本では生まれません。
ただし現状を悲観的に捉えてはいません。テクノロジーやAIの発展がどれだけ進んでも、ビジネスとしての総合格闘技「ヒト・モノ・カネを結合すること」、それを具現化するイノベーションやその実現の当事者である起業家は、絶対に無くなりません。
ですので、イノベーションを起こす担い手が社会を牽引するべきだと考えていますし、その希少価値を我々のプラットフォームで民主化させていきたいですね。拙著「起業の科学 」ではその点についても述べています。
創業から今に至るまで、大変だった経験を教えてください。またその経験をどう未来に繋げていきたいですか?
田所:実は毎日楽しくて、大変だと思うことはないんですよね。鬼のような忙しさはありますが(笑)。朝6時に業務を開始し、夜9時スタートのメンタリングといったことはざらです(笑)。
こうした生活を送りつつ、書籍出版や客員教授として教鞭をとってもいますが、いよいよ私個人だけの活動では限界がきたのが2020年でした。
正直これまでは自分一人で出来るという自惚れもありました。しかし多くの人に私が持つメソッドを届けようと思ったら、自分一人の影響力では不足していることに気がつきました。
また個人で活動をしていますと、あらゆる対応を個人で行わねばなりません。専門知識は全領域で持つべきですが、実行のプロもまた必要です。
この限界を感じた経験を通じて、個人で業務を営んでいては三流、ユニコーンファームの組織活動で影響力を発揮することが重要ということを学びました。
このお話はユニコーンファーム全メンバーの一体感醸成につながりますね!
田所:SNSをフル活用したつもりでしたが、正直私一人の発信力では限界を感じました。ただ、この経験もエクセレントカンパニーを目指すためには良い経験でした。
田所さんがメンバーに求める能力とは何でしょう?
田所:私がメンバーに求める能力は大きく三つ。
一つは好奇心と向上心ですね。
バリューでもある「Be an Entrepreneur」、圧倒的な当事者意識がメンバーには必要です。新規事業は好奇心と向上心がなければ成功しません。しかしそれらを兼ね備えても新規事業の99%は失敗するので、その経験や反省点を漏れなく自身にインプットし、その後のアウトプットに活用することが必要です。
二つ目は地頭の良さ。
コンサルティング開始時、顧客はご自身が「何をわかっていないかをわかっていない」状態が大半です。それを共に解決していくためには、教養とビジネススキルがまず必要です。それらを保有しつつ、それまで積み重ねた貴重な経験と、頭の回転スピードが我々のビジネスでは必要です。
三つ目は顧客に寄り添い、一歩踏み出す気概ですね。
ユニコーンファームの魅力は何でしょうか?
田所:大きく三つの魅力があります。
まずメンバーに求める能力をフル活用できる環境を、我々は提供できる、ということが一つ。
そして、起業家が事業家に進化する為の唯一体系化された実践知をフル活用できるということが二つ。
三つ目が活躍している有識者との交流により、自身のネットワークが拡がるということです。
毎日最先端の起業家とやりとりがありますので、知的好奇心旺盛な人にはベストな環境ですね。
逆にユニコーンファームの課題とは何でしょうか?
田所:私とCSOの清田が持つ知恵の体系化ができていない点が課題です。私や清田といった、個人からの流入に頼っていた機能を組織化させていきたいですね。
2030年、ユニコーンファームはどうなっているとお考えですか?
田所:2030年時点では2~300社のスタートアップへ携わっていたいので、その実現をしていると思います。国内では恐らく20社程、残りは海外のスタートアップの見込みです。
組織についてはグローバルで300名程の規模になっているでしょう。
ただ上場は目指しません。VCを立ち上げます。1号〜5号ファンドを立ち上げ、500億円規模の運用を予定しています。
そして「新規事業・イノベーションの領域ではユニコーンファーム」というブランドを確立していたいと考えています!
編集:本日はありがとうございました!
田所:ありがとうございました!