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『RUIRUE BOUTIQUE』誕生秘話。ZOZOTOWNや楽天市場で1位を獲得するブランドに成長するまで

20名​というミニマムな組織体制ながら毎年売上記録を更新するアスナロ。今期の目標もすでに達成目前にあります。
今回は代表・叶とMD・蕊(るい)とたった2名で立ち上げたオリジナルブランド『RUIRUE BOUTIQUE(ルイルエブティック)』がどのように誕生し、成長を遂げてきたのか、その裏側に迫りました!

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代表取締役 叶 楽明
上海生まれ、大阪大学法学部出身。大学卒業後アパレル会社へ勤務。ヤングレディース部門で生産管理や仕入れ、貿易事務など幅広く経験を積む。独立後、2012年にオリジナルブランド『RUIRUE BOUTIQUE』をローンチ。オンラインを主戦場に、データ分析に基づく計算し尽くしたものづくりで事業発展に導く。


オフラインからオンラインへの挑戦

私がまだアパレル会社に勤めていた2000年〜2005年頃は、ちょうどネットショップの発達期。中国ではすでに淘宝(タオバオ)やアリババが浸透し、日本ではヤフーオークションや楽天市場が勢いを見せ始めた頃でした。今ほどネットショップのノウハウが流通しておらず、どの企業もオンラインへ参入するかどうか…というタイミング。勤務していた会社はオフラインのみの販売だったので、オンラインという新たなフィールドでチャンスを掴めるかもしれないと思い、独立・起業へ踏み切りました。

まずは仕入れた商品をヤフーオークションで売る、という小さな一歩からのスタート。最初は前職の経験をフルに活かせるヤング向けの商品を扱っていました。一方で、サイト内ではどんな商品が高く落札されているのか徹底的に調べてみたんです。そうすると、シルク100%のワンピースやミンクファーなど、質が良く高級なアイテムが人気ということがわかりました。中国から高品質なアイテムを安く仕入れられるルートもあったので、少し方向転換をしてみました。そもそもの単価もアップしたことから、売上は徐々に上がり始めました。

ヤフーオークションは掲載終了直前に金額が上がる傾向にあります。しかし同じ商品が複数出品されていれば入札が分散してしまうので、出品数をコントロールせざるを得ません。そのため、トータルでの売上は爆発的に伸びることはないんです。その点、ECモールなら出品数に制限がないので、売れ筋商品の在庫を確保できれば、売上が見込めます。最終的にはヤフーオークションから楽天市場へ出品を切り替えたことによって、事業拡大の大きなステップとなりました。

マンションの一室からスタート。廊下にダンボールを積んで管理人さんに叱られたことも

もちろんすべて順調だったわけではありません。最初はオフィスもありませんから、賃貸マンションの一室を借り、住まいも事務所も倉庫もすべて兼用していました。メンバーは私とパートナーの蕊(るい)の2名だけ。仕入れ、検品、撮影、出品、発送…すべての作業を自分たちで対応していました。
買い付けた商品は品質にかなりムラがあるので、一品一品入念にチェックし、不備のあるものは自分たちで直して…の繰り返し。その甲斐もあってクレームは一度もありませんでした。おかげで自分でベルトの修理ができるようになりましたよ(笑)。

また、その頃は運送会社と契約をしておらず、梱包した荷物をコンビニに持ち込んで帳票を出力し、発送手続きをしていたんです。発送が多い時はダンボール4、50個分にもなりました。一度に持ち込むと迷惑かなと思い、コンビニを数件ハシゴしましたね。それも午前2時、3時の深夜に
商品写真の撮影と加工は私のパートナーの担当だったんですが、床に商品を置いて脚立に登ってシャッターを切って…を繰り返し、筋肉痛になったようです(笑)。
絵に描いたような地道な日々で大変なこともありましたが、楽しかったですね。今となってはとてもいい想い出です。

オリジナルブランド『RUIRUE BOUTIQUE』スタート

先ほどもお伝えしたように最初はメーカーや卸問屋から買い付けた商品を販売していましたが、品質の担保や在庫の確保など、外的要因による制限が多かったんです。順調に受注が増え基盤が整いつつあったことで、2012年から本格的にオリジナルブランド『RUIRUE BOUTIQUE(ルイルエブティック)』をスタートさせました。
素材の調達から企画、製造、販売、プロモーションに至るまで一貫して自社で行うので、商品を仕入れて販売する従来のビジネスモデルと比較して、品ぞろえや価格面での主導権を握ることができます。ユーザーのニーズを企画段階から的確に反映できるので、在庫ロスや無駄のない商品開発にもつながります。また、いきなり多くのスタッフを雇用するのはリスキーですから、少ないリソースで最大の利益を生み出せる、私たちにマッチしたビジネスモデルでした。今もアスナロが掲げる「少数精鋭主義」の起源といえますね。

『ルイルエブティック』の由来は、MDで私のパートナーでもある蕊(るい)の名前からとっています。そしてブティックとはフランス語でファッショナブルかつ高級・高品質なものを扱う小さなお店、といった意味があります。
この名前には、ワンシーズン着て終わりの使い捨てのようなものではなく、本当に良いもの・長く愛される価値のあるものだけをお客さまへご提供したいという想いを込めているんです。そして自分の名前がブランド名についているというのは、お客さまへの責任感や強い意思の表れでもあります。

ルイルエブティックの主力商品のひとつに、セレモニースーツがあります。今では各ECモールのレディーススーツ部門でどんどんシェアが伸び、ZOZOTOWNで1位、楽天市場で2位などを獲得するまでに成長しました。シェアが拡大した要因は、市場の空白を狙うことができたから、といえるでしょう。
これまでのレディーススーツは品質は良いけれど高価格なもの、プチプラだけどデザイン性が乏しいもの、この二択しかありませんでした。ルイルエブティックではその中間を狙って、手頃な価格でデザイン性が高い商品開発に注力したんです。
また、ネットショップのロジックの一例ですが、実績を重ねた商品ほど上位表示に有利になります。販売数やレビューの点数や件数などデータの蓄積で露出が高まり、お客さまの目に触れやすくなります。在庫を切らさないように常に在庫を担保し安定供給していくことで、どんどんいい循環が生まれていきました。

分析データとオリジナリティを掛け合わせたものづくり

私たちが作るのは、ニーズがある商品=利益を出せる商品。デザイナーズブランドのようにデザイナーの個性が色濃く出たもの、自分たちが好きなものを作るのではないんです。
そのため、新商品を開発する時は今までの販売実績や市場のニーズなど、データを分析した上で企画やデザインを考えます。単に可愛いから、流行っているからといった主観的、感覚的な判断だけに頼るのではありません。
しかし大事なのは「ルイルエブティックらしい商品」であること。データのみを追いかけてしまうとブランドの持ち味が失われてしまう恐れもありますし、作り手もわくわくしませんよね。何よりお客さまに喜んでいただくことが大前提なので、いちユーザーとしての視点は決して忘れてはいけないんです。
例えばコーディネートのしやすさや、着心地や扱いやすさといった機能性も重要。ニーズとオリジナリティをうまくミックスさせること。ここはMDやデザイナーの腕の見せどころであり、おもしろさと言えるでしょう。

今後はブランディングの強化とターゲット層の拡大、この2点の強化を考えています。いくらお客さまに喜んでいただくために良い商品を作っても、知ってもらわなければ意味がありません。いかに露出を増やし、お客さまとの接点を作るか。まだまだ構想段階ではありますが、YouTubeでのプロモーションやインフルエンサーとのコラボなど、初の取り組みも検討しています。

ターゲット層の拡大については、今期からルイルエブティックの新ラインをスタートさせる予定です。既存のラインは大人っぽくクラシックなテイストで展開しており、それはブランドの個性とも言えるのですが、このまま走っていてもどうしても天井が見えてしまうんです。
アパレル業界の売上ランキング上位企業をみると、レディースでも幅広いテイストを展開していたり、キッズやメンズまで包括しているブランドが多くみられます。層を厚くすることでより多くのお客さまに購入いただけるし、売上も上がっていく。商品の多様化は、今後の飛躍的な成長に欠かせないポイントになるでしょう。

アスナロは創業して16年目ですが、毎年売上記録を更新し続けています。しかし決して現状に満足せず新たな領域へチャレンジしていくつもりです。それができるのも、高い目標に向き合い応えてくれる頼もしいスタッフがいるからこそ。みなさんと共に、ルイルエブティックを、そしてアスナロを成長させていけるのは私の喜びでもあり誇りなんです。




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