みなさん、こんにちは。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン採用チームです。
職員インタビュー第3弾は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの海外事業部でグランツ・マネージャーを務める、利川豊さんのインタビューをお届けします。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが取り組む、海外事業について、インタビューを通してご紹介できればと思います。
利川 豊さんは大学卒業後、砂漠化防止に取り組むNGOに新卒で就職し、すぐに西アフリカのブルキナファソに派遣され、約5年間過ごしました。その後、日本政府の支援による小学校建設支援に関わり、更に1年間ブルキナファソに滞在します。帰国後、民間企業、アジア経済研究所開発スクールを経て、1年間イギリスの大学院に留学し、国際開発の修士号を取得しました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの入局は2011年3月10日の東日本大震災の発災前日でした。
ー利川さんのこれまでのキャリアと、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンに参画した動機を教えてください
セーブ・ザ・チルドレンに入局するまでの約10年間は、ほとんどを海外、特にアフリカで別の日本のNGOの職員として活動してきました。当時はまだNGOという言葉は一般的ではなく、新卒でNGOに就職した時も周囲の人にはNGOの説明からしなければいけませんでした。
海外での大学院で国際開発の修士号を取って帰国したばかりの時、自分が父親になるとわかりました。その時、真っ先に考えたことは「子どもにより良い未来を創りたい」ということでした。また同時に、生まれてくる自分の子ども、それから同世代の子どもたちが、よりよく生きられる世界を残したい、と思いました。このような思いから、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンへの就職を決めました。
ー グランツ・マネージャーとしてどのような仕事に取り組んでいるのですか?
現在は東京本部の事務所で、海外事業部の一員として主に資金管理の面から、各国で実施している事業に携わっています。アジア、中東、アフリカそれぞれの国で事業をしており、内容も教育、子どもの保護、保健・栄養、防災とさまざまです。東京本部で事業を担当するスタッフや現地にいる日本人駐在員と連絡・連携を取りながら、事業が滞りなくきちんと進んで動いているか、何か問題が起こっていないか等を確認しています。
また、事業実施に必要な資金を支援して頂いている政府や企業に対して報告書を作成したり、新しい事業の提案をしたりしています。
時折、現地にも出張し、事業がうまく計画通りに実施されているか、うまくいっていない場合はその原因はどのようなことなのかを探っています。
ーセーブ・ザ・チルドレンでの仕事にはどのようなやりがいがありますか?
私がセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンに入った翌日に、東日本大震災が発生しました。 すぐに緊急支援が始まり、仙台に派遣されました。避難所の子どもたちが安全に遊べる「こどもひろば」の資材の管理や車輌の手配を行ったり、新年度が始まるということで、津波でランドセルや学用品を失くした子どもたちに新しいランドセルや学用品を配布する事業で物資を手配・管理したりしました。
そこでは多くの方が苦しい状況にありながらも前に進もうとされているのを目にし、少しでもサポートさせて頂けることに喜びを感じました。もちろん、自分自身の力のなさを痛感して落ち込むこともありましたが、子どもたちが少しでも笑顔を見せてくれると勇気づけられました。
現在は自らが支援を届ける立場からは少し離れて業務にあたっていますが、それでも支援を通して、多くの子どもたちがこれまでできなかったことができるようになった、大人たちがより子どもたちに寄り添うようになった等の声やエピソードを聞くと、この仕事をしていて良かったと思います。
ー仕事の中で大変だと感じることは何ですか?
私が所属している海外事業部は海外で事業をしていますが、東京事務所での業務は現地で事業を実施するためのサポートが中心です。具体的には、現地の事業を実施する側と、お金を託してくださる側との間に入って調整をしています。その中で、コミュニケーションに時間がかかってしまうこともあります。
また、ご寄付をくださる側からの要請を現地の関係者に理解してもらうように伝えるのも難しい場合があります。
どちらの場合も、可能な限り、こちらから現地に出張して、自分の目で事業の実施している場所を見たり、現地の関係者と顔を合わせて協議したりすることで理解を深めて解決するようにしています。
加えて、様々な原因で事前に計画した事業や活動が予定通りに進まない、ということも多々あります。こちらも一つ一つ根気強く、関係者と調整して解決にあたるようにしています。
ーセーブ・ザ・チルドレンで働きたいと考えている方へメッセージをお願いします
この国際協力の仕事は、他の仕事と比べると様々な意味で働く条件は厳しいと思います。それでもこの仕事を続けたいと思うのは、やはり事業を通じて多くの人々、特に子どもたちの笑顔を見られるからであり、それが自分の励みにもなっています。
以前に聞いたエピソードで今なお私の心に残っているものがあります。 阪神大震災が発生した際、アフリカのジブチ共和国のグレド元大統領は、震災の報を聞くや否や、直ちに一個人として給与の3か月分に相当する一万ドルの義捐金を送ってくださったそうです。
グレド元大統領はこう言いました。「ジブチも地震国であり、人ごととは思えません」と。この「人ごととは思えません」という思いは世界に通じます。ぜひ一緒に、子どもたちがより輝ける世界にしていきましょう。