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その目標は本当に適切?

Photo by Sven Kucinic on Unsplash

株式会社ESP 代表取締役 高原です。

「The Goal」というベストセラーのマンガ版を読みました。
マンガ版は細部にとらわれず、要点がさくっと理解できるので好きです。

■イスラエルの物理学者

ご存知ない方のために紹介すると、著者はゴールドラット博士というイスラエルの物理学者です。
既に鬼籍に入られ、新作が読めないのがとても残念です。

博士は何冊か出版され、ファンだったので全て読破しました。
TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)をコンセプトに、生産・マネジメント・マーケティング・経営・そして人生の実践に展開されます。

初めて読んだ時はエンジニアで、その後マネジメント経験を積み、経営者となった今、一層深みを感じます。
同じものを見ても、立場や経験で見方が変わり新鮮です。

原作はアメリカで約30年前に発刊されましたが、今も色あせないです。

■組織

創業時は、営業・技術・採用・総務・業務全て1人で手探りしつつやりました。
これは貴重な経験でした。

余談ですが、今はネットで情報収集できますし、1からシステムを作らなくてもSaaSが普及しています。
逆に20年前に同じことをやってたらヤバかったなと、とても時代の恩恵を感じます。

ビジネス拡大につれ、いずれ自分がボトルネックになります。
使える時間の量もそうですし、得意不得意があり能力の質でもです。
なので、業務を段階的に任せざるを得なくなります。
これが分業です。

そしてビジネスの規模を大きくする程、分業が進みます。
分業が進むと部門となり、組織ができます。

■鎖の強度

組織ができると、それぞれの組織が鎖にように横連携でつながります。
そして組織毎に自立し、独自の目標ができます。

組織の中では適切な目標でも、全体の目標に貢献しない場合があります。
例えば生産現場でいうと、製造部門の生産性がアップしても、後工程の検査部門がボトルネックで、出荷迄のリードタイムは結局変わらない等。
この場合検査部門の生産性をアップもしくは増強しなければ、顧客価値は変わらず売上改善につながらないです。

これがゴールドラット博士が指摘する部分最適で、鎖の強度が弱い状態です。

■その目標は適切か?

部分最適を全体最適にするためには、鎖全体を俯瞰して考える必要があります。
鎖全体のどこがボトルネックで、それをどう対策するか。
非ボトルネックの余力はどうするか。

改めて「The Goal」は「目標」で、目標再考のキッカケになる本です。

参考になると幸いです。

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