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こんにちは!DevHRのあらです。
今回は、コミューンの技術発信について技術戦略責任者の上野さんと個人でもブログの執筆やセミナー登壇に積極的に取り組んでいる機械学習エンジニアの柏木さんにインタビューしました。
お二人が考える技術発信がもたらす効果、今後挑戦していきたい取り組みなどを語っていただきました。
上野 大貴
Speeeにて、広告管理ツールやWebサイト管理者向けのマーケティングプラットフォームの開発に従事。2017年よりAimingにてUnityを使ったゲームクライアントの開発と、Rubyを使ったサーバーサイドの開発を担当。2018年にBizteXへ転職し、デスクトップ操作RPAとiPaaS開発のリードに従事。2022年11月にコミューンに入社。現在は、技術戦略責任者としてCommune開発に携わる。
柏木 正隆
機械学習を使った異常検知ソフトウェアを開発しているAIベンチャーにて、データサイエンティスト・機械学習エンジニアとして、主に製造業向けのクライアントワークや機能開発に従事。その後、子育てQ&Aアプリを運営する会社にて、推薦・検索システムの開発運用、MLOpsの推進に携わる。2023年4月にコミューン一人目の機械学習エンジニアとして入社。
現在は、機械学習チームのリーダーとして、Communeの機械学習サービス全般に対して責任を持っている。
1.開発組織としての技術発信
上野さんにお伺いしたいのですが、なぜ開発組織として技術発信を強化していこうと考えたのか、その背景と目的について教えてください。
上野:まず私達の現状についてですが、開発組織の能力強化に投資していく必要があると思っています。
私達の開発組織は、この一年で技術領域への興味関心が強く、成長ポテンシャルの高い多くのエンジニアに参画いただくことができました。そういったメンバーの学習と成長を推進させることが結果として開発速度やプロダクトの品質向上に繋がると考えています。それは、事業を持つ会社としても喜ばしいことですし、メンバーにとってもしっかりと成長を感じることができるのは良い環境だと思っています。
そのための技術発信ということでしょうか。
上野:そうですね。私が能力強化を意識する時に、自分の実体験から考えたサイクルがあります。それは、とにかくまずはインプットをする。そしてインプットしたことを知識として活用してみる。ある程度、理解が深まったところで自分なりにまとめてみる。そうすることでエンジニアの経験として蓄積される。これが一つの成長のサイクルだと感じています。特に”まとめる”というところがポイントで、文章としてまとめることが重要です。また、文章としてまとめたなら、せっかくなら発信した方がいいですよね。
整理した文章を発信することで、外部からのフィードバックも得られますし、公開した方が情報としての価値も上がります。そして、自分が発信した情報が誰かの役に立つ可能性があるので、誰かの役に立った時にそれがモチベーションになります。あとはキャリアにも繋がると思います。
キャリアに繋がるとは、採用でも役立つということですか。
上野:そうです。私もコミューンでエンジニア採用の面接官をしていますが、その人が普段どんな発信をしているのか、技術記事をどれくらい執筆しているかは特に重視しています。技術発信は自身のキャリアにおいてもプラスになりますが、会社の一員として発信をすることは技術広報の一環としてその会社への貢献にもなります。だから会社としてもエンジニアの技術発信をサポートすることは大切だと感じています。
柏木:上野さんに聞いてみたかったのですが、メンバーの中にはこれまで技術発信をあまりしてこなかったメンバーもいると思います。
例えば、そういったメンバーが記事を書く時に、”どんな風に書けば良いか”が分からないことがあると思うのですが、その場合のサポートも考えているのでしょうか?
上野:ZennやQiitaで技術記事を書くということは、世間のエンジニアの文化として、とても浸透していることなので記事執筆の参考になる記事は世の中に沢山あります。まずは他者が書いた様々な技術記事を読んでみて、模倣してみることが良いと考えています。ですので、組織内でメンバーそれぞれが記事を読んで、「これいい記事だな」と感じたものを共有する機会を増やしていきたいですね。
実際に”何を書いていくか”については、チームのシニアエンジニアの支援で「この技術にはどんな価値があるのか」という観点を与えてもらいたいです。また、技術発信する上で”その情報の核はどこにあるのか”といったこともシニアエンジニアのアドバイスで執筆者が上手く捉えることができるように組織全体でもサポートしていきたいと考えています。
2.技術発信に取り組む意義
上野:私も柏木さんに聞きたいことがあります。
柏木さんは技術発信に取り組む意義はどんなところにあると考えられていますか。
柏木:私は大きく二つあると思っています。一つ目は、「自分自身の成長」です。自分自身の成長という観点では、インプットとアウトプットのバランスが大切だと思っています。
知識を取り入れて、定着させる。そして技術として使い熟す。そのためにはインプットするだけでは足りず、”アウトプットする”という行動もセットでないと難しいと思っています。やはりアウトプットするイメージがないと、せっかくインプットした情報も時間が経つと忘れてしまいます。だからこそインプットとアウトプットの両方をすることで、情報を定着させることができて、成長に繋がると考えています。
それから、言語化・文章の構造化が強化できるというのも成長に繋がることですよね。インプットした情報をアウトプットとして技術発信するためには「どうしたら他者に伝わるのか」を考えることが必要です。やはり、自分向けにまとめるのと、誰かに伝えるのでは違いますからね。そういった思考を持ち、取得した情報を技術発信用にまとめることで、自身の言語化や文章能力が強化できるのではないでしょうか。
二つ目は、「還元」です。これはコミュニティと自分自身、それぞれに対しての還元を指します。
”コミュニティへの還元”は、自分が使っている技術やサービスの活用例をこれから使いたい人に向けて共有することで、参考になるものです。
”自分への還元”という意味では、例えば、時間が経ってから自分で執筆した記事や以前登壇したセミナーの資料を読み返した時に、「こんな風に技術選定していたな」「こういう思想でこの時は記事を書いていたな」など、改めて振り返ることで、知識のアップデートや積み上げをすることができます。また、技術コミュニティ主催のイベントに参加した時、自分が技術発信したものを見てくれた人がいたりすると、そこから会話が生まれたり、関係を築く事ができたりもするので技術発信をする意味があると考えています。
上野:ありがとうございます。”コミュニティへの還元”という点でもう少し聞きたいことがあります。
私も技術発信をすることで外部のコミュニティと繋がりを持つことができると考えているのですが、中には”繋がりを持つことの価値”が分からない人もいてギャップを感じることがあるのですが、柏木さんもそういったことを感じることはありますか?
柏木:確かに難しいところですよね。私は以前、他の誰かが発信した情報に助けられた経験があるので、私も同じように「技術発信を通して、困っている人を助けたい」という気持ちがあります。やはりGive and Takeが成り立たないとフェアじゃないと思うからです。
上野:そうですよね。私も技術イベントで知り合った人や前職で同僚だったエンジニアとの繋がりが今でもあり、業務上で困ったことがあると質問したりしています。ある領域に関する質問は、「このコミュニティに投げると助けていただける」というような繋がりをたくさん持っていると、あらゆることに対応しやすくなります。このような繋がりはエンジニア経験が長い人ほどしっかりと構築されていて、さらにその繋がりを活用していると思っています。ただ、エンジニアの経験がそれほど長くない人は、繋がりがあまり多くなく、”互助関係のありがたみ”が感じづらいのかもしれないです。だからこそ技術発信を通して、様々な人と関わって輪を広げて、エンジニアとしてのキャリアに活かすのが良いと考えています。
柏木:社内のプラクティスだけに閉じたものではなく、もっと良いプラクティスが世の中にもあるはずなんですよね。そういうものをどんどん活用することが開発のスピードの向上や質の良いプロダクトの開発に繋がると思っているので、私も記事の執筆やイベントへの参加を通して、ネットワークを広げるように心がけています。
3.技術発信に取り組む姿勢と考え方
お二人の技術発信に取り組む姿勢や考え方について教えてください。
柏木:私は自分で四半期毎にOSを決めていることや会社でも3ヶ月ごとに目標を設定しているのでそれに合わせて、テックブログも3ヶ月に1本は執筆するようにしています。もちろん出せるものは出していこうというスタンスではあるので、都度、ネタがあれば書くようにしています。
アウトプットは定期的に出していくことで、外部に現状の取り組みを知ってもらう機会になりますし、その結果チームのプレゼンスや認知度も上がったりしますから。
ちなみに技術発信する中で大変だったことはありますか?
柏木:やはり、ブログを書くことは時間がかかりますし、途中で投げ出したくなることもあります。すでに世の中に事例を紹介する記事が何本もあって、アウトプットを躊躇することも。ただ、私の中では”全く一緒のもの”はおそらく存在しないのではと思っています。なぜなら同じ技術を使った事例でも、何かしら自分の中での”考え”や”気づき”があるはずです。読み手側がそれぞれの事例を比較して、良いところを使ってもらえればいいと思うので、私は同じ事例でも積極的に出していく心持ちで執筆するようにしています。
上野:わかります。『〇〇を使ってみた』という同じような記事でも、その記事内で執筆者がどう感じたかといった情報があると比較しますよね。「この人はこう感じたんだ」という部分が知れるだけでも価値がある。だから、使ってみた・やってみた記事も積極的に執筆することは良いと思っています。
柏木:記事を読んだ人からSNSを通して、イベント登壇の依頼が来ることもありますから。しっかり記事を読んでくれている人もいると感じますし、その記事が誰かの役に立つのであれば、どんどん執筆していきたいですね。
上野さんはどんなことを考えて、技術発信に取り組んでいますか?
上野:私の場合は、「こういう技術に興味を持っている人に対して、一緒に働いてほしい」というメッセージを意識しながらテックブログを書いたりしてましたね。例えば、過去に執筆した『Next.js Conf 2022で最も感動したライブラリ、vercel/satoriについて紹介させてください。』という記事は、「vercel/satoriの開発動機とエンジニアとしての課題解決意識に感銘を受けた」という内容になっています。
私はエンジニアが事業会社で働く上では、個人としての知的好奇心や「作ってみたい」という気持ちだけでなく、現実社会の様々な課題に目を向けて、課題解決の為に技術をどのように適用していくかという観点も非常に重要であると考えています。この記事は、vercel/satoriのようにしっかりと世に存在する課題を捉え、その解決のために技術を使って価値創出をしていくという”エンジニアの矜持”に強く魅力を感じる方の共感を得ることを執筆意図としています。このように、技術記事を執筆するにしても、その記事の内容から技術や仕事に関する我々のスタンス・考え方がしっかりと読者に伝わる事を意識しています。
4.技術発信で挑戦していきたいこと
最後に今後、技術発信の領域で挑戦したいことについて教えてください。
柏木:私が所属しているデータ/機械学習チームでは、現状は特定の人が技術発信に取り組んでいる状態です。ですので、「誰かが」ではなく「チーム全員が」少しずつでも良いので技術発信ができている状態を目指したいです。それはイベント登壇やブログ執筆といった社外への発信に限らず、社内LTといった形でも良いので、技術発信活動に参加して、そこから得られるものを感じてほしいと思っているので、私がその良さを広めていくような動きをしてきたいです。
個人的には継続して、テックブログを執筆しつつも、大きめのオフラインイベントに登壇して、コミューンの機械学習エンジニアとして得られた知見や事例を多くの人に知ってもらったり、コミューンでの機械学習活用の楽しさ面白さを伝えていきたいと考えています。
上野:私はもっと技術発信を通して「シームレス化」を実現できるようにしたいと思っています。
例えばですが、社内LTで発表する内容の多くは、社外秘のものではありません。もちろん中には実務ベースの発表もあるので、そういったものについては難しいのですが、外部へ発信して良い内容の社内LTは積極的に公開すべきだと考えています。そして公開した情報を通して私達コミューンと社会との接点を増やしていくことで、徐々になんらかの形でコミュニティが形成されていくことを目指していきたいです。
コミューンのVision、「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」。そのVisionを考えるなら、私たち開発組織の技術発信を起点にして、コミューンという会社と外部のエンジニアとの境界をシームレスにしていくことが、私たちの取り組んでいくべきことだと考えています。
本日はありがとうございました!
コミューンの取り組みに少しでも興味のある方、ぜひ私たちとお話しましょう!ご希望の方は、お気軽にご連絡ください。