地方活性化のキーワードとして地方創生がありますが、そのメリットをご存知でしょうか。地方創生とは日本の内閣が進める国力強化の施策の一つですが、地方としては新たな雇用が生まれるメリットがあり、企業側にも地方拠点ができるメリットがあります。個人単位で見ても自然豊かな場所で仕事ができるという魅力もあり、地域おこし協力隊という地方創生のための制度を利用して移住を考える人も多くなってきました。この記事では、地方創生をすることで得られるメリットをご紹介します。
目次
①地方創生に取り組むメリット
②地方創生の課題
③地方創生の今後
④まとめ
①地方創生に取り組むメリット
地方創生に取り組むメリットを地域側・企業側の両方から見ていきましょう。
①-1地域のメリット
地域側のメリットとしては、雇用の創出・街の創出・投資の創出があります。
雇用の創出
雇用の創出というのは、企業を地域に誘致することで新たに働く場所ができるということです。地域に住んでいる人を従業員として雇い入れることが新たな雇用に繋がることはもちろんですが、建物の清掃・セキュリティ・食堂や受付・コールセンターなど、企業をサポートするさまざまな仕事が新たに生まれるようになります。
街の創出
企業を誘致できればその他のサービスが生まれ、新たな街が生まれることになります。企業に通う人が増えれば飲食店やスーパー、医療施設や娯楽施設なども生まれることでしょう。企業の誘致は街の活性化に繋がります。
投資の創出
企業が都心部から地方に移転する際は、オフィスや工場を新たに創設する必要が出てきます。企業の設備投資を地元企業が請け負うことができるため、地方活性化へ大きなはずみになることでしょう。
①-2企業のメリット
続いて企業側のメリットを見てみましょう。
仕事環境の改善
自然環境豊かな場所で働けるため、社員のモチベーションアップに繋がります。また、通勤ラッシュがなくなるため、ストレスも軽減できるはずです。仕事に集中するための環境づくりをできることが大きなメリットになります。
起業コストを抑えられる
都会での起業には大きなコストがかかりますが、地方でなら賃料を含め多方面でのコストを抑えることができます。実際に地域おこし協力隊を利用して定住した人のうち、約4割の人が移住先で起業しているデータもあるほどです。
助成金制度が充実
地方創生は国が推し進めている事業であるため、助成金などのサポートが豊富にあります。本社機能を地方へ移動させることで、税制面で優遇される制度などもあります。政府機関の地方移転についてメディアで取り上げられることもありましたよね。
②地方創生の課題
地方創生は地域・企業の双方にメリットのある施策ではありますが、現時点では課題も残っています。
成果が出ていない
地方創生は2014年から内閣で発足した「まち・ひと・しごと創生本部」主導のもと進められており、毎年1兆円規模の資金投入がおこなわれていますが未だ成果に繋がっていません。全国の出生率は6年連続減少しています。資金の投入に見合った成果が得られていない状況です。
一極集中の是正ができていない
東京都の転入は8年連続で転入超過となっており、一極集中が続いています。東京への人口集中は世界の都市と比べても大きく、東京への人口流入に歯止めがかかっていない状況です。
短期視点の政策が多い
選挙対策と捉えられかねない単位視点での政策が多いことも、地方創生が進まない原因とされています。交付金を利用した商品券の配布が実施されたことがありますが、一時的な消費行動のみに終始しています。地方創生には持続的な発展・施策が求められますので、長い目で見た地域への投資活動が必要なのです。
③地方創生の今後
地方創生には様々な視点からの課題解決への試みがあります。
SDGs
SDGsとは国連サミットで採択された持続可能な開発目標のことです。一国だけでは解決できない課題について、国境を越えた協力・取り組みが求められています。
Society5.0
Society5.0とは第五世代の未来社会に向けた社会発展への取り組みです。最新のテクノロジーを用いてサイバー空間と現実空間をつなぐ社会を目指します。IOTなど人と物と情報をつなぐ新たな取り組みが注目されています。
ニューノーマル
ニューノーマルとはコロナウイルスによって生まれた新たな価値観のことです。リモートワークやサテライトオフィスなど、既存の枠組みにとらわれない働き方や生き方が模索されています。
④まとめ
地域創成のメリットについて解説しました。地域にとっては雇用創出、企業にとっては仕事環境の改善などがありますが、数値としては成果が出ていない状況です。実際に環境に変化をもたらすためには、企業だけでなく個人個人の意識改革が欠かせません。地域おこし協力隊など個人でも地方創生に参加することもできますので、移住体験をしてみるのも良いかもしれません。