中国で医師資格を取得後、日本の大阪大学大学院 医学系研究科で博士課程を修了。その後、総合コンサルティングファームで、ITコンサルタントとしてキャリアを積んだ施 雯(シ ブン)さん。2024年11月に当社へジョインし、現在はEBM戦略部にてデータ分析やプロジェクトのデリバリー業務に携わっています。
医療とIT、そしてコンサルティングの知見を掛け合わせたユニークなキャリアを歩む施さんに、これまでの経験とGHCで働く魅力について伺いました。
医師から研究者、ITコンサルタントを経てGHCへ
――施さんは中国で医師の資格を取得したと伺いました。なぜ医療の道に進もうと思ったのでしょうか?
高校時代から生物学が好きで、将来は人体について深く学びたいと思い、医学部に進みました。中国では循環器内科をメインに研修医としての臨床経験を積みました。
ただ、臨床の中で「病気のメカニズムをもっと深く理解したい」「治療法を科学的に探求したい」という思いが強くなり、研究の道を志すようになったんです。そこで、日本の大阪大学大学院 医学系研究科に進学し、関節症の超音波診断をテーマに研究を行いました。
大学院では、実験だけでなく研究計画の立案やデータの分析方法をしっかり学ぶことができ、臨床と研究の両方を経験したからこそ、医学の全体像をより俯瞰的に捉える視点が得られたと思います。
――その後、ITコンサルタントへとキャリアチェンジされていますね。
はい。臨床でも研究でも、私が一番面白いと感じていたのは「医療データを分析すること」でした。医療データを使って、もっと現場に役立つアウトプットができるはずだという思いが強くなって。
そこで、実社会との接点がより多く、データの活用に積極的な企業を探し、アクセンチュアに入社しました。製薬企業や化学メーカーの工場向けに、生産プロセスやタンクの温度を管理するシステムの構築や、データの可視化、分析支援を行っていました。
もちろん、技術的な知識だけでなく、クライアントとの調整や折衝といったコミュニケーション力も求められました。コンサルタントとしてのスキルも身につきましたが、次第に「もっと医療データに特化し、専門性を深めていきたい」という思いが強くなっていったんです。
――そのような思いが、GHCへの転職につながったのですね。
そうですね。10社以上を比較・検討する中で、GHCが最も「医療データを豊富に活用し、社会に貢献している会社」だと感じました。
他の企業では、コンサルティングが主軸で、データ分析はあくまで手段という印象が強かったのですが、GHCのEBM戦略部は、データ分析そのものが価値提供の中心に据えられている。そこに強く惹かれました。
また、面接では会長や社員のみなさんとお話しする機会があり、会社全体の雰囲気がとても自由でオープンであることが伝わってきました。このような空気感も、入社を決める大きな理由のひとつになりました。
――入社後のサポート体制についてはいかがでしたか?
私はIT領域の経験がそこまで深くなかったので、コーディングの面では苦労もありました。でも、わからないことはすぐに周囲に聞けますし、社内の自己啓発制度で書籍を購入したり、研修に参加したりできるのがありがたいですね。
最近ではAIを使ってコード生成の補助をするなど、工夫もしながらスキルを磨いています。入社直後は先輩と一緒に案件を進めるので、実務を通して学べる点も成長につながっています。
主体的に動けるからこそ、成長が加速する環境
――現在の業務内容を教えてください。
製薬企業や医療機器メーカーを中心としたクライアントに対して、医療データの分析を行い、その結果をレポートとして納品(デリバリー)するのが主な業務です。現在は3〜4社の案件を並行して担当しています。
クライアントとの定例会議では、進捗状況の共有や分析方針のすり合わせを行いながら、ニーズに沿ったアウトプットを検討しています。
仕事を進めるうえでは、マルチタスクを効率的にこなす工夫が欠かせません。日々の業務では、進捗や課題をこまめに共有・相談しながら進めることを意識しています。同時に、わからないことはそのままにせず、積極的に質問する姿勢を大切にしています。
――どのようなときに仕事のやりがいを感じますか?
自分自身で「どのように分析すればクライアントにとって価値があるか」を考え、それを先輩とディスカッションしながら形にしていくプロセスにやりがいを感じます。決まったやり方だけにとらわれず、複数の選択肢の中から最適な方法を選んでいくこと自体がとても面白いですね。
自分の考えやアイデアが反映されやすい環境なので、主体的に取り組めることがモチベーションにもつながっています。実際に、クライアントに新たな分析方法を提案したところ、「いいですね、それで進めましょう」とすぐに採用していただけたことがあり、とても嬉しかったです。自分のアイデアがそのままクライアントの価値につながる瞬間に、大きな達成感を感じます。
――EBM戦略部での仕事を通じて、どのようなスキルが身につきましたか?
まず大きかったのは、「ビジネスにおいて、どのようなデータが求められているのか」を深く理解できるようになったことです。クライアントのニーズを正しく捉え、それに対してどのデータが有効かを考える視点が養われました。また、コーディングのスキルも着実に伸びていると感じています。
自分のアイデアを分析に反映させる機会が多く、提案も積極的に受け入れてもらえる環境なので、挑戦の幅が広がります。やりたい分析に自分で取り組めるチャンスが多く、学びのスピードも自然と加速していますね。
多様な専門性が集まるチームだから、互いに学び合える
――EBM戦略部の雰囲気についても教えてください。
放射線技師や薬剤師など、臨床現場での実務経験を持つメンバーが多く在籍しており、それぞれの専門性が日々の業務の中で活かされています。たとえば、がん治療に関する知識を薬剤師の方に相談したり、コーディングについてITに強いメンバーにアドバイスをもらったりと、知識を共有し合える文化があります。
また、リモートワークと出社は自由に選べるため、自分のスタイルに合った働き方ができます。会議も必要最小限に絞られていて、業務に集中しやすい環境が整っているのも大きな魅力ですね。
――GHC全体の社風についてはどう感じますか?
まず何より、人間関係がとても良い会社だと感じています。社員一人ひとりの人間性を大切にする文化が根づいていて、安心して働ける環境があります。
最近は新しいオフィスに移転し、冷凍の社食も導入されました。1食100円で栄養バランスのとれた食事がとれるのは、とてもありがたいですね。
あと、良い意味で驚いたのは、社内活動が思った以上に活発だったことです。前職ではプロジェクト単位で動いていたため、人との関わりが一時的になりがちでしたが、GHCではチームが安定していて、しっかりと信頼関係を築くことができます。
社員旅行でディズニーランドに行ったこともありますし、月に1回の全社会議を通して、部署を超えたつながりも生まれています。あたたかく、安心感のある社風が魅力ですね。
課題の多い医療データ活用領域で、新たな挑戦を
――これまでのキャリアに一貫してあるものは何だと思いますか?
私のキャリアの軸は、「医療データの利活用」と「データ分析」です。医療業界全体を見渡すと、まだまだデータの活用が十分とは言えない状況だと感じています。もしデータをより効果的に活用できれば、薬の研究開発が迅速に進み、患者さんに対してもさらに価値ある医療を提供できるはずです。
そのような中で、クライアントにとって本当に価値のあるデータを分析し提供できることに、大きなやりがいを感じています。社会に貢献できる実感が、私を日々突き動かしているのだと思います。そして、専門性の高い環境でその想いを実現できることが、GHCで働く一番の魅力だと考えています。
――今後、挑戦してみたいことはありますか?
データ分析のスキルをさらに深めるのはもちろんですが、将来的には営業にも携わってみたいと考えています。クライアントの声を直接聞き、そのニーズに合わせたサービスを提案できるようになりたいんです。
今はリーダーと相談しながら、チャンスがあれば積極的に新しいことに挑戦させてもらっています。目標は、私が尊敬しているリーダーの酒井さんのような存在になることです!
――どのような方と一緒に働きたいですか?
EBM戦略部は現在、男性メンバーが多いので、もっと女性メンバーが増えてくれると嬉しいですね(笑)。また、外国籍の社員もまだ少ないので、国籍を問わず、多様なバックグラウンドを持つ仲間と一緒に働きたいと思っています。
医療の知識を持っている方はもちろん、IT系出身で医療に詳しくない方でも、しっかり学びながらキャリアを伸ばせる環境があります。実際に私自身も、入社後に多くを学びながら成長してきました。
今はまだ、組織としての立ち上げフェーズだからこそ、自分の力を発揮できるフィールドが大きく広がっています。温かい雰囲気の中で、安心して挑戦できる職場ですので、ぜひ気負わず飛び込んできてください!