データサイエンスに関する知見を活かし、分析の現場から医療の未来に貢献している武藤 航二郎さん。2025年2月に当社へ ジョインし、新事業であるEBM戦略部のメンバーとして活躍しています。
データアナリストとしての視点や仕事のやりがい、EBM戦略部で働く魅力について、お話を伺いました。
目次
入社の決め手は、リアルな医療データに触れられる環境
医療の価値向上を、データの力で実現する
希少疾患にもアプローチ可能な、豊富なデータが生むやりがい
多様な分析に挑戦し、データアナリストとしての価値を高めたい
多面的な視点を持ち、好奇心が旺盛な人が活躍できる職場
入社の決め手は、リアルな医療データに触れられる環境
――学生時代はどのようなことを学んでいましたか?
大学では新設されたばかりのデータサイエンス学部の一期生として、統計やプログラミングなどを中心に学んでいました。単に数字を扱うだけではなく、「どう解析するか」が人によって異なるのがデータ分析の面白さだと感じていました。
その中でも特に関心を持ったのが、医療分野におけるデータ解析でした。医療は人々のQOL(生活の質)に直結する領域であり、自分の分析結果が誰かの生活をより良くすることにつながるかもしれない、という点に強く惹かれました。医師や薬剤師のように直接治療に関わるわけではありませんが、統計や数学という自分の専門性を通じて、間接的に医療に貢献できることに大きなやりがいを感じました。
――GHCへの転職を決めた理由を教えてください。
前職では、CRO(医薬品開発業務受託機関)にて、治験データの統計解析や安全性チェックに携わっていました。
ただ、CROの治験業務はある程度フォーマットが決まっており、「この薬剤にはこの解析手法」というように、自分が関われる範囲に限りがありました。人の命に関わる以上、それは当然のことではありますが、次第にもっと自由度の高い分析に挑戦したい、リアルワールドデータを使って多様なアプローチをしてみたいと考えるようになったんです。
そんな中で出会ったのが、GHCの「EBM戦略部」でした。ちょうど立ち上げたばかりの新部署で、「リッチなデータを保有しているが、まだ十分に活かしきれていない」と聞き、そこに大きな可能性を感じました。立ち上げ期ならではの裁量やチャレンジの幅がある点にも強く惹かれましたね。
――リアルワールドデータとは、どういったものですか?
簡単に言うと、病院で実際に起きたこと――入院後に処方された薬や受けた手術などのデータを指します。治験データのようにスクリーニングされたものではなく、実臨床の現場で発生した“生の情報”です。だからこそ、より現実に即したインサイトが得られますし、臨床現場への貢献度も大きいんです。
医療の価値向上を、データの力で実現する
――武藤さんが所属する「EBM戦略部」は、社内でどのような役割を担っていますか?
当社が掲げるミッション「医療の価値向上を目指す」を、データの観点から実現することを目標に活動しています。具体的には、「マーケティング支援」と「メディカル領域での研究支援」の2つを主な柱としています。
マーケティング支援では、発売されたばかりの新薬や今後注力していきたい薬剤を持つ製薬会社に対し、病院データを活用してアプローチを行います。たとえば、ある疾患領域において、他社の薬剤と比較してクライアントの薬剤がどの程度シェアを獲得しているのか、実際にどのような使われ方をしているのか、といった実態を分析。そこから「どんなアプローチをすれば売上が伸びるのか」など、マーケティング戦略の提案につなげています。現在は製薬会社が主なクライアントですが、今後はさらに支援対象の幅を広げていく予定です。
一方、研究支援の面では、リアルワールドデータを活用して論文化を目指すプロジェクトにも取り組んでいます。GHCが保有する豊富な医療データを用いて、「このデータで社会に何が貢献できるのか」を探求し、実際のエビデンスとして世の中に発信していくことを目指しています。
――現在の業務内容について教えてください。
現在は、主に要件定義からデータ加工、分析までを担当しています。EBM戦略部では、営業から納品までを部署内で一貫して担う体制になっているため、スピード感を持ってプロジェクトを進められるのが特長です。
私は現在、4社ほどのクライアントを並行して担当していますが、案件ごとに2〜3人のチームを組んで進めることが多いですね。少人数体制だからこそ、柔軟に役割分担しながら、密に連携して進められるのも魅力の1つだと思います。
希少疾患にもアプローチ可能な、豊富なデータが生むやりがい
――特に印象に残っている案件はありますか?
希少疾患に関する案件です。他社では対象データ数が少なく、分析が難しいことも多いのですが、当社の豊富なデータ量なら可能でした。数年にわたりデータを追いつづけることで、既存治療とこれから発売される新薬の間にあるニーズを明らかにすることができました。
GHCの強みであるデータの豊富さと高い分析力が組み合わさり、新たなインサイトを世の中に提供できた経験は、大きな達成感につながりました。
――リアルワールドデータが豊富だからこそ実現できる強みですね。
そうですね。当社では全国の急性期病院の約6割のデータを保有しており、量が非常に豊富です。特定の疾患に絞ったとしても十分なデータ量が確保できるので、信頼性の高い分析結果を出すことができます。
希少疾患のように、これまでデータ不足でアプローチが難しかった領域に取り組めるのも、やりがいにつながりますね。
――そのほかに、面白みを感じる事柄はありますか?
私が入社したのは今年の2月ですが、当時は分析の型もまだ整っておらず、ゼロから作っていくフェーズでした。どんな手法が良いか、どう見せれば分かりやすいかなど、自分たちで考えて実行できるのが面白いですね。
前職は数千名規模の会社で、多くの業務がマニュアル化されていました。一方、GHCでは裁量が大きく、仕組みの構築段階から関われるため、新鮮さを感じています。
多様な分析に挑戦し、データアナリストとしての価値を高めたい
――GHCに入社後、苦戦したことは?
私はこれまで統計解析をメインにしていたため、上市されてからその薬がどのように使われているのか、また、実臨床に関する知識がほとんどありませんでした。現在の業務では、薬剤の使われ方や医療現場での実態など、専門的な知識が求められるため、その点には最初苦戦しました。
ただ、GHCには製薬や医療現場での経験が豊富なメンバーが多く、日々の業務を通じて教わりながら学べる環境があります。単に数字を扱うだけでなく、「その数字が何を意味しているのか」を理解したうえで分析に取り組むことの重要性を実感しています。
EBM戦略部には、さまざまな専門分野の知見を持つメンバーがそろっていて、わからないことがあれば気軽に相談できる雰囲気があるのも心強いですね。
――そのようなプロセスを経て、新たに身についた視点やスキルはありますか?
スピード感や柔軟性が身についたと感じています。現在の業務では、クライアントのニーズを素早く把握し、その要望に合わせて柔軟に結果を出していく必要があります。「まずはやってみて、結果を見ながら次のステップを考える」というアプローチを取り入れており、このような経験やノウハウはとても勉強になっています。
――今後の目標を教えてください。
EBM戦略部としては、メディカル領域での貢献を今後さらに広げていくフェーズにあります。私自身は、リッチなデータを活かしてより多様な分析を手がけ、データアナリストとしての価値をさらに高めていきたいと思っています。
多面的な視点を持ち、好奇心が旺盛な人が活躍できる職場
――チームの雰囲気について教えてください。
「相談すること」が自然にできるカルチャーが根づいています。業務の中で決まっていないことも多いので、「こういう進め方をしているけど、どう思う?」といった形で、気軽に意見を聞き合う雰囲気があります。チャットも活発で、コミュニケーションがとてもオープンですね。
また、わからないことがあっても「忙しいから後で」ではなく、答えられる人がすぐにフォローし合う文化ができているのも魅力だと思います。
ナレッジの共有にも力を入れていて、ワークスペースを活用し、分析事例やリアルワールドデータに関するニュース、薬剤の動向などを随時アップしています。チーム全体で情報を集約・活用しながら、知見を広げていく体制が整っていると感じます。
――今後、どのような人と一緒に働きたいですか?
医療の知識ももちろん大切ですが、今のEBM戦略部では、それ以上に「データに対する知見や習慣がある人」が向いていると思います。メディカル領域の知識は、入社後に周囲から学ぶことができますし、実際に私もそうしてきました。それよりも、データ分析の経験やノウハウを持っている方のほうが、即戦力として活躍できるはずです。
マインド面では、好奇心が旺盛な人がこのチームには合うと思います。決まった型だけではなく、「こういう分析をすればもっと良いアウトプットが出せるのでは?」と自ら考え、動ける人。そして、分析だけにとどまらず、必要があれば他の業務領域にも積極的に関わっていけるような、広い視野を持った方だと、より楽しめる環境だと思います。
現在は立ち上げ間もない部署ということもあり、どちらかというと1つのことを深く掘り下げるというよりも、「さまざまなことに挑戦したい」人にフィットする環境ですね。
――最後に、求職者のみなさんへメッセージをお願いします!
メディカル分野でデータアナリストとして働けるポジションは、実はそれほど多くありません。転職市場でも、専門性の高い経験者を求める傾向が強いのが現状です。
その点、GHCはこれから組織づくりを進めていくフェーズにあり、医療分野の知識が浅くても、データを扱った経験やマーケティング分析のスキルがあれば活躍できる環境が整っています。メディカル領域に興味があり、データ分析を武器に社会に貢献したいという想いをお持ちの方であれば、きっと大きく成長できる場所だと思います!