私たちウィリーは、製造業のお客様に向けて、ERP基幹管理システムの導入や運用を支援しています。
導入後のサポートでは、操作方法を案内するだけでなく、お客様から伺った状況を整理し必要に応じて仕様書を作成し、開発担当者と連携しながら原因の特定や再発防止まで考えます。
今回は、実際に寄せられた「登録したはずのデータが見つからない」というお問い合わせをもとに、導入支援・運用サポートの仕事をご紹介します。
◆お客様から実際に届く相談とは
ある製造業のお客様から、「登録していたはずのデータが、システム上で見つからない」とお問い合わせをいただきました。
お客様にとって、受注や製造に関するデータは日々の業務を進めるために欠かせない情報です。データが見つからなければ、製造指示や納期確認、請求処理など、その後の業務にも影響する可能性があります。
こうしたお問い合わせをいただいたとき、すぐに「データが消えています」と判断することはできません。
検索条件によって表示されていないのか、登録が完了していなかったのか、別の担当者による操作が影響したのか。まずは、複数の可能性を一つずつ確認していきます。
◆まず何を確認し、問題を切り分けるのか
最初に確認するのは、対象となるデータと操作時の状況です。
・ どのような手順で誰が操作したか
・ 登録時に完了メッセージが表示されたか
・どのような検索条件で探しているのか
・同じデータをほかの担当者が開いていなかったか
お客様から伺った内容を元に、社内環境でデータを確認し情報を照らし合わせます。
ITの知識だけでなく、お客様が普段どのような順番で仕事をしているのかを理解することも重要です。
「どのボタンを押しましたか」と聞くだけでは、正確な状況を把握できないことがあります。「その前にどの作業をしていましたか」「次に何をしようとしていましたか」と、実際の業務の流れに沿って確認していきます。
◆開発担当者と連携して解決するまで
状況を整理した結果、登録ボタンを押した後、登録処理が完了する前に画面を閉じた可能性が考えられました。
そこで開発担当者にも情報を共有し、システムの登録処理や、処理中に画面を閉じた場合の動作を確認しました。
同時に、バックアップからデータを復元できないかも検討しましたが、対象データだけでなく、当日登録した他のデータまで失われる可能性があるため部分的な復元は難しい状況でした。
サポート担当者は、単に「復元できません」とお伝えするのではなく、復元した場合に何が起きるのか、現在の業務にどのような影響があるのかまで説明します。
◆その場の復旧だけで終わらせない改善提案
原因の可能性を説明するだけで終わらせず、再発防止の方法も検討します。
そこでご提案したのが、登録ボタンを押した後、処理が完了するまで「登録中」であることが分かるメッセージを画面に表示する設定です。
登録処理中にメッセージウィンドウを表示することで、利用者は「まだ画面を閉じてはいけない」と判断しやすくなります。
実際に使う方の不安や操作ミスを減らすためには、こうした小さな分かりやすさが重要です。
お問い合わせを一件の対応として終わらせず、製品や運用をより良くするきっかけとして開発につなげる。これも、ウィリーの導入支援・運用サポートの特徴です。
◆大切なのはヒアリング能力
ご提案した結果、メッセージウィンドウを出すようにして欲しいと要望をいただきましたのでソフトを確認し、社内でデバックを行った上でお客様の環境を更新しました。
お客様は今起きている現象を伝えてくださいますが、どの手順でそうなったのか、特定のPCで起きているのかについてはサポート側が丁寧にヒアリングし、事実を整理する必要があります。ここで、自身の推測を混在してはいけません。
正確に事実確認を行うことで、その後の仕様書作成や開発対応までスムーズに連携します。お客様の貴重な時間を奪わないためでもあります。
不安を感じているお客様には、確認できた事実、考えられる原因、できること、難しいことを順番にお伝えし、今後の対策まで提案します。
状況を曖昧にせず、今後同じことが起こらないようにするところまで向き合うことが、お客様との信頼につながると考えています。
◆接客・営業経験が活かせる場面
この仕事では、最初から高度なIT知識だけが求められるわけではありません。
むしろ、お客様が困っている状況を落ち着いて伺い、話の中から必要な情報を整理する力が重要です。
接客や営業の経験がある方であれば、次のような力を活かせます。
・ 困っていることを順番に聞き出す力
・専門的な内容を分かりやすく説明する力
・できることと難しいことを誠実に伝える力
・相手の業務への影響を想像する力
お客様が使用した言葉を、そのまま開発担当者へ伝えるだけでは、原因を特定できないことがあります。
お客様の話を技術的な確認事項へ変換し、開発担当者から得た回答を、再びお客様に分かりやすい言葉で説明する。導入支援担当者は、お客様と開発をつなぐ役割を担っています。
◆IT未経験者が身につけていく知識
入社後は、まず製造業の業務の流れや課題、ERP基幹管理システムの基本操作を学びます。
見積、受注、製造、納品、請求といった一連の流れを理解すると、お客様が今どの業務で困っているのかをイメージしやすくなります。
そのうえで、少しずつ次のような知識を身につけていきます。
* データが登録・更新される仕組み
* 検索条件や権限による表示の違い
* バックアップとデータ復元の考え方
* サーバーやネットワークの基礎
* 不具合を再現するための確認方法
* 開発担当者へ状況を正確に伝える方法
最初からすべてを一人で判断する必要はありません。
分からないことは社内で確認し、開発担当者と一緒に原因を探します。お問い合わせへの対応を重ねることで、システムの知識だけでなく、お客様の業務を理解し、より良い運用を提案する力も身についていきます。
一つの問い合わせを、製品とお客様の業務をより良くするきっかけに変える。
そして製品を育て続ける。
それが、私たちの導入支援・運用サポートの仕事です。