「地域が衰退していく姿を、このまま見過ごしたくなかった」――そう語るのは、2025年7月にNTT東日本からeiiconへ出向した中戸川透。官公庁のネットワーク案件を担当してきた大企業の中核人材が、なぜスタートアップである eiiconに飛び込む意思決定をしたのか。本記事では、中戸川のキャリアの原点、eiiconを選んだ理由、そして自治体等のオープンイノベーションプログラムを支援するコンサルタントとしてのリアルを伺った。
eiiconでは、「もっと本質的な価値に向き合いたい」「地域や社会に貢献したい」と感じている人材のジョインを歓迎している。その実像を、中戸川の言葉から紐解いていく。
中戸川透 プロフィール
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神奈川県横浜市出身。新卒でNTT東日本に入社。3年間は千葉支店に勤務し、県内自治体を担当。その後、本社法人営業部に異動し、内閣府・警視庁・警察庁といった中央省庁を担当。入社以来、一貫して公共の顧客向けのICT提案(基幹システムや庁内ネットワークなど)を手がけていた。
2025年7月、NTT東日本の「社外派遣制度」を活用し、eiiconに出向。以降、地域イノベーション推進本部でプロジェクトマネージャーを務める。
趣味は、娘とひたすら公園で遊ぶこと、ラーメン屋めぐり。
キャリアの原点ーー幼少期から続く”地域への想い”
――まず、キャリアの原点について伺います。中戸川さんは、幼少期に「地域の衰退」に強い問題意識を持ったと聞きました。きっかけは何だったのでしょうか?
私の祖母が、福井県でこんにゃく屋を営んでいました。品質にこだわったこんにゃくを作っていたのですが、過疎化や需要の減少などが重なり、最終的に廃業してしまいました。「素敵な街なのに、産業が縮小していく」。その光景を子どもの頃に目の当たりにして、強い危機感を覚えたんです。この原体験が、今のキャリアにも深くつながっています。
――大学では地方創生のゼミに進まれたそうですね。
はい。高校生の頃から「地域に関わる知見を得たい」と決めていました。大学では地方創生・地域活性化を専門に扱うゼミに入り、日本各地の地域に入り込んで、コミュニティづくりや“場づくり”を実践的に学んでいました。“多様な人が交わり、新しい価値が生まれる場をどう作るか?”これは、今のeiiconでの仕事にもそのまま通じていると感じています。
――その延長で、NTT東日本を選ばれたと。
はい。通信という業界へのこだわりよりも、「地域に根ざす事業をしている企業かどうか」で選びました。NTT東日本は、地域通信業として生活・産業の根幹に関わる役割を担っていて、そこに社会的な意義を感じて入社を決めたのです。
NTT東日本では、千葉支店で自治体営業を経験した後、本社法人営業部に異動し、公共向けの通信ネットワークを担当していました。全国の都道府県に関わるネットワークを扱うこともあり、その規模は数百億円に及ぶこともありました。責任は重く、やりがいも大きな仕事でした。
――その一方で、葛藤もあったと伺いました。
はい。「この環境にいたままでは、新しい武器が身につかない」と感じて、環境を変える決意をしました。NTT東日本には「社外派遣プログラム(出向)」があり、これを活用してまったく違う環境に飛び込むことで、自分を鍛えたいと思ったのです。正直、出向が決まらなければ転職する選択肢もあったかもしれません。それくらい、本気で環境を変えたかったんです。
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「eiiconを第一志望に決めた理由」ーー思想・人・本気度に惹かれた
――出向先としてeiiconを選んだ理由を教えてください。
まず、eiiconの存在は元々知っていましたが、深く理解していたわけではありません。ただ、自治体等のオープンイノベーションプログラムの裏側でeiiconが動いていることは何となく知っていて、「地域に深く関わる会社だ」という印象を持ったことがきっかけです。
出向を考える中で20社ほど候補をリスト化して、自治体入札データも洗い出し、競合分析までしました。そのデータをもとに徹底比較した結果、「オープンイノベーションを本質的にやっているのはeiiconしかない」と確信したんです。
――実際に面談してみて、どう感じましたか?
最初は人事担当者とのカジュアル面談でしたが、そこで感じたのは圧倒的な熱量です。「この人、本気だな」と素直に思いました。その後、事業部長や役員陣とも話す中で、地域・企業・スタートアップをつなぐことへの思想が全員で共有されていると感じました。
特に代表の中村さんとは、私の原体験である“こんにゃく屋の話”で深い共感が生まれ、あの瞬間、「この人たちと一緒に働きたい」と強く思いました。結果として、他の会社には一切エントリーせず、eiiconだけに出向希望を出しました。
――強い覚悟を感じます。なぜそこまでeiiconを選び切れたのでしょうか?
理由は明確で、「思想」と「人」です。仕事のスキルや制度面だけではなく、「なぜこの事業をやるのか」を明確に語れる人たちばかりだった。そこが、他社とは圧倒的に違っていました。
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▲7月に開催された渋沢MIXオープンイノベーションプログラム「Canvas」(主催:埼玉県)のワークショップ。中戸川も参加し、プログラム参画企業と共にテーマ設定などに取り組んだ。
大企業では出会えない挑戦者たちと、ビジネスを創っていく
――実際にeiiconに入社して、最初の印象はどうでしたか?
オープンイノベーションが当たり前の世の中に変えていくんだ!というエネルギー量が半端じゃないなと感じました。プロ意識を持ったメンバー、少数精鋭で多くのプロジェクトを回すスピード感、価値観の共有度合いの高さ…。スタートアップとしては意外と思うほど、研修体制も整っていて、入社1〜2週間で埼玉県主催のオープンイノベーションプログラムのワークショップに入ったり、その後も多くの商談同行をさせてもらったりと、急速に事業の全体像が掴めました。
――コンサルタントとしての仕事は、どのような内容でしょうか?
今は、埼玉県、神奈川県、沖縄県、相模原市などの自治体が主催するオープンイノベーションプログラムを支援していて、各プログラムから生まれた共創プロジェクトの伴走支援としては10社以上を担当しています。私の役割は、「プログラムに参加している地域企業の意図を理解し、スタートアップとの接点を創り、共創の可能性を広げる」というものです。
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▲相模原市が主催するオープンイノベーションプログラム「Sagamihara Innovation Gate BUSINESS BUILD 2025」のワークショップイベントで司会を務める中戸川。
――プログラムを進める中で、独自の技術やサービスを持ったスタートアップと出会う機会も多々あると思います。特に刺激を受けたスタートアップはありますか?
沖縄のスタートアップで、自動で泳ぐ水中ドローンを扱っている企業です。毎回会う度に新しい事業にチャレンジし、強くしなやかに事業展開を進めていく圧倒的な熱量がありました。大企業にいると、なかなか出会えないタイプの挑戦者たちです。そのエネルギーに触れるだけで、すごく刺激になりますし、彼らの挑戦を支援できることに面白さを感じています。
――NTT東日本とは働き方もだいぶ違うのでは?
はい、まったく違います。“物売り”ではなく、完全に“場づくり”の仕事なので。形がない価値だからこそ、全員が価値観・哲学を共有していることがeiiconの強さだと感じます。この価値観や哲学をインプットするために、私は毎朝eiiconのコアバリューをチェックし、軸を忘れないようにしています。
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eiiconの魅力と、向いている人材ーー”想い”と”想像力”を持てるか
――eiiconで働く魅力はどこにあると思いますか?
私は、eiiconは「最も難しい仕事にチャレンジをし、日本再興に欠かせない存在」だと思っています。オープンイノベーションの支援は、“計画的偶発性の確率を最大化する仕事”だと考えています。つまり、自分たちが最後までコントロールできない要素が多い中で、接点をつくり、想像力を働かせ、段取りを徹底し、価値の“芽”を育てる。これは非常に難しいですが、同時に最高に面白い仕事です。
――どんな人がeiiconに向いていると思いますか?
一言でいうと、“思いを持ち、泥臭さを楽しめる人”です。大企業出身の方でも、地域経験がなくても問題ありません。重要なのは、「オープンイノベーションを広めたいという思い」、「相手の立場を想像し、自分ごととして動ける姿勢」、「不確実性にワクワクできること」だと思います。
――最後に、大企業で働きながらキャリアに悩んでいる人にメッセージをお願いします。
環境を変えると、キャリアは大きく変わります。「もっと挑戦したい」、「もっと本質的な価値に向き合いたい」、「社会課題の解決に関わりたい」――そんな思いが少しでもあるなら、eiiconの環境は必ずプラスになるはずです。私自身、この選択をして本当に良かったと思っています。
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▲昨年10月に開催された全社キックオフの一コマ。eiiconでは春と秋の年2回、全国の社員がオフラインで一堂に会する場を設けており、部署やエリアの垣根を超えてコミュニケーションが取りやすい。
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